JPEG動画編集入門講座

盧 存偉




1.静止画を用いた動画編集

 

目的:

・デジタルビデオカメラ(DVカメラ)の基本的な取り扱い方や、静止画の撮影の仕方を覚える。

・MPG式の動画編集の基本的な方法や、音楽の編集、エフェクトの加え方を学ぶ。

 

方法:

DVカメラの静止化画像撮影機能を使って、幾つかの静止画を取り、メモリースティックに保存する。

MPG式の動画編集ソフトを使って、これらの静止画を適当に組込み、時系列画像になる。更に、音楽やタイトルなどを入れて、動画になる。

 

1-.静止画像を撮影

 

(a)DVカメラを用意して、電源を入れる。モードはメモリにしておく。

(b)カメラ右面にあるフォトを押すと静止画像が撮影できる。ズームはフォトの右についている。

 

注意:実験用のメモリースティックの容量は16Mで、それに基づいて、撮影画像サイズを適当に設定してください。

 

-2 静止画をPCに取り込む

 


(a)   付属のケーブルをPC側ではUSBポートに、接続する。

(b)   前面のカバーを外す。

(c)    DVカメラ側ではDV端子側に接続する。

 


(d)   デスクトップ → マイコンピュータ → リムーバブルディスク → DCIMを開くと、撮影した静止画が見られる。

(e)    デスクトップ上に自分の名前で画像を入れるフォルダを作り、撮影した静止画をそこに保存する。

 

注意:自分が作ったフォルダを2週間の実験が終了した後に消すこと。

 

 

13 アプリケーションへの静止画の読み込み

 


動画PIXELA

(a)   動画編集ソフトPIXELAを起動する。

(b)   左から2つ目のファイル管理を選択する。

(c)    ファイル管理のデフォルト画面を開く。

 


(d)   [入力]ボタン をクリックして、入力モードを起動する。

(e)   入力モードのツリーから、先ほど保存した画像のフォルダを開く。

(f)    使用する画像を選択する。

(g)   選択した画像を右側のアルバムリストUntitledへドラッグ&ドロップ(以降D&D)する。


これで、動画編集に使用する画像ファイルの用意ができた。

 

1-4 静止画像を使用して動画を構成

 

メインセレクタの[動画編集]ボタンをクリックして、動画編集モードを起動する。先ほど、読み込んだ静止画が編集画面に取り込まれているのが分かる。

 


(a)      まず、動画の最初のシーンを右の静止画像から選択する。

(b)      選択した静止画像を画面下のシーケンスにD&Dをする

(c)       すると、シーケンス部分に使用する画像のプレビューと、タイムロールが追加される。


(d)      同じようにして、自分の構成したい順番に画像をシーケンスに追加し、動画の各フレームを構成する。

(e)       構成が終わったら、全体の順番を確認しよう。

(f)        では、静止画像を並べただけの動画を見て見よう。

 

1-5 動画を再生

 


(a)   まずは、再生画面の再生ボタンを押します

(b)   すると、動画を構成した様々な静止画を使用して動画に変換する(レンダリング)。この処理は、エフェクトが多いほど、使用する静止画のサイズが大きければ大きいほど長くかかる。

(c)    レンダリングが終わると、再生が始まります

 

これで、一番簡単な動画の編集が出来ました。しかしこのままですと、音も流れないし、静止画像の時間も一枚一枚の時間が長すぎるし、画像の切り替わりも面白くない・・・・。

 

1-6 イン−アウト点の編集

 

ここでは、構成された素材(この場合は静止画)のイン点とアウト点を調節して、再生時間を編集する。イン点、アウト点とは各素材の再生スタート地点と再生ゴール地点のことで、動画編集の最も基本的なテクニックである。

今回は、静止画を使用しているので、イン点はどこから取っても同じです。アウト点を自分の好きな時間に設定してやることで、再生時間を調節する。

 


(a)   イン点アウト点を調節する素材を選択し、ダブルクリックする。

(b)   トリミング編集画面が開かれる。

(c)    静止画は、イン点はどれを取っても同じ画面ですので、そのままイン点を押す。


 

(d)   次に、コマ送りの秒間を設定する(コマ送りを押したときの移動時間が設定される)。

(e)    コマ送りを押す(これでさっき設定した時間だけ時間が進む)。

(f)     そこをアウト点とし、すぐ下のチェックボックスを押せば調節終了である。

 

 このイン−アウト点の調節は、静止画では再生時間を調節したに過ぎないが、動画編集においては最も重要な編集要素となる。この作業を上手にこなせれば、エフェクトを使用せずとも画面の切り替わりだけで立派な作品を作ることが出来る。(逆にエフェクトを使用しすぎると、非常に見苦しいものとなることもある)

 

1-7      音楽の編集


ここでは、構成された素材に音楽を流すために、音楽ファイルの編集を行う。

 

 

(a)   素材選択パネルのsoundsを選択します。

(b)   次に、をクリックすると、音楽ファイル一覧が表示されます。

(c) 流したい音楽ファイルを選択します。

 

 

 


(d) 選択した音楽ファイルを画面下のサウンドトラックにD&Dをする。

(e) すると、音楽ファイルがのように表示され、この黄色い領域の範囲が音楽ファイルの幅を表す。

(f)  配置された音楽ファイルをD&Dすることで移動ができる。

 


(g) 次に、続けて流したい音楽ファイルを選択する。

(h) 以前に配置した音楽ファイルの隣にD&Dをして、連続した音楽ファイルを作成する。

このように音楽ファイルをサウンドトラック内に配置することで、音楽の編集ができた。素材に合わせた音楽ファイルを配置し編集することで、素材をよりよく生かす作品を作ることが出来る。

 

1-8      エフェクトの編集

 


ここでは、構成された素材の間にエフェクトを配置して、エフェクトの編集をします。 

 

 

(a)    素材選択パネルのをクリックする。

(b)    すると、エフェクトファイル一覧が表示される。

(c)      素材と素材との間にあるに使用したいエフェクトファイルをD&Dすると、が表示される。


(d)    をダブルクリックすると、トランジッション編集画面が開かれる。ここで、矢印を調整することでエフェクト効果の時間を設定する。

(e)    設定が終わったら、を押して終了する。

 

複数の素材をつなげて1つのムービーを作成するとき、前の素材から次の素材への切り変わる間にエフェクトを入れることで、音楽ファイルと同様に、素材をよりよく生かす作品を作ることが出来る。

 

最後に、これまで作成した編集プロジェクトや、それによって作成された動画の書き出し方を説明します。

 

1-9      プロジェクトの保存

(a) [プロジェクトを保存]ボタンをクリックする。

(b) ファイルを保存するダイアログが表示されるので、保存するファイル名を入力しファイルを保存する場所(自分が作った実験用フォルダ)を選択して保存する。

保存したプロジェクトファイルを開くには[プロジェクトを開く]ボタンをクリックするとファイルを開くダイアログが表示されるので、プロジェクトファイルが保存されている場所を指定し、プロジェクトファイルを開く。

 

1-10   ムービーの書き出し

 

編集作業が完了したプロジェクトを1つのMPEG1ムービーとして作成することができます。

(a)[ムービーを作成]ボタンをクリックします

(b) ファイルを保存するダイアログが表示されますので、作成するMPEG1ムービーのファイル名を入力し、MPEG1ムービーを保存する場所を選択して保存します


デモT:静止画を利用した動画

これで基本的な編集テクニックは大体終わった。今回は静止画を使用してわかりやすく編集を行った。

 

来週は、直接ビデオ素材を用いるムービー編集方法や編集されたムービーをホームページに入れる方法など実験を行う。

 

2.ムービーを用いた編集

 

本章ではDVカメラで取ったMPEGムービーの編集方法を説明する。ムービーの編集はほとんど静止画と同じようにして編集することが出来るので、ここでは、極々簡単に静止画と異なる部分だけを説明する。

 

2-1 ムービー素材の用意


 

(a)DVカメラを用意して、電源を入れる。モードはメモリにしておく。(静止画撮影と同じ)

(b)カメラ後部にある録画スタート・ストップボタンを押すと撮影が開始・停止される。

 

注意:実験用のメモリースティックの容量は16Mしかないので、適当な録画サイズを設定してください。

   レポート提出用の作品のサイズは**M以内の制限があるので、録画時間も適当にしてください。

 

2-2 PCへの素材の取り込み

(a)   付属のケーブルをPC側ではUSBポートに、接続する

(b)   前面のカバーをはずす

(c)    カメラ側ではDV端子側に接続する

(d)   デスクトップ → マイコンピュータ → リムーバブルディスク → MSSONYを開くと、ムービー(MPEG)がワンショットごとに保存されていることがわかる。

(e)    デスクトップ上に自分の名前で実験用フォルダを作り、撮影した動画をそこに保存する。

 

2-3 アプリケーションへの動画の読み込み

(a) アプリケーションPIXELAを起動する。

(b) 左から2つ目のファイル管理を選択する。

(c) ファイル管理のデフォルト画面が開かれる。

(d)[入力]ボタン をクリックして、入力モードを起動する。

(e) 入力モードのツリーから、先ほど保存した動画のフォルダを開く。

(f) 使用する動画を選択する。

(h) 選択した動画を右側のアルバムリストUntitledD&Dをする。

 

これで、動画編集に使用する動画ファイルの用意が出来た。

 

2-4 動画の構成

 

(a) メインセレクタの[動画編集]ボタンをクリックして、動画編集モードを起動する。

(b) 素材選択パネルので先ほど動画素材を読み込んだVideosを選択する。

 

(c) 先ほど、読み込んだ動画が編集画面に取り込まれているのがわかる。

 

このあとの編集作業は静止画を使った編集とほとんど同じなので、ここでは省略する。

 

デモ2:MPEGムービー編集

 

実験レポート

1.内容:

(1) テーマ:私と電子情報工学科.静止画およびムービー編集技術を用いて, 自己紹介および学科アピール作品(MPEG式動画)を作る.

(2) 作品にタイトルを入れてください。

(ヒント、タイトル編集ツールを使ってください)

(3) 注意:できた作品の長さは1分を超えないこと.

 

2.提出方法:

1組:

作品とするMPEGファイルを,On-Lineで提出してください。

レポート提出用URL: http://inavi.ws.ipc.fit.ac.jp/inavi/

ログイン:情報処理センターが保有する演習システムを利用する際のIDとPWでログイン.


2組:指導先生の指示により

 

3.注意事項:

(1) 提出期限:実験終わってから一週間以内

(2) 提出期限を守ること.コンピュータが提出期限を管理しているので, 一秒でも遅れたら提出ができなくなってしまうので,きちんと提出期限を守ってください.

(3) 取り消しできないこと.提出されたレポートの取り消しや 添付ファイルの入れ替わりができないので,提出操作を慎重に行ってください.

(4) 再提出について:再提出許可をもらわないと,再提出ができない. また,再提出チャンスがが一回しかない. 再提出ファイル名を「再***.***」にしてください. コンピュータが提出期限を管理しているので, 一秒でも遅れたら提出ができなくなってしまうので,きちんと提出期限を守ってください.

(5) 成績について: 提出されたレポートの成績はホームページ上で表示される.

 

 

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付加説明:

 

u      使用機器:

使用DVカメラ:SONY DCR-PC120

使用接続キット:SONY DPCK-US20

使用編集ソフト:SONY PIXELA ImageMixer Ver.1.0 for Sony

 

u      使用について

 この講座はSONYのデジタルビデオカメラを用いたMPEG式動画像編集の入門講座で、動画編集勉強の目的ですれば、何方もご自由に使えます。

 サンプルはWindows環境で実行できます。

 営利や配布など個人勉強以外目的の使用は厳禁します。


u      謝辞

 この講座は盧研究室の博士課程学生長元気君及び修士課程学生北川君の協力で作ったものです。


お問い合わせは著者まで。


             福岡工業大学工学部電子情報工学科 盧研究室 lu@fit.ac.jp