デジタル信号処理実験

Excleによるフーリエ解析

 

1.フーリエ解析により信号処理の流れ

fin(t):入力時間領域信号      

Fin(ω):入力信号のフーリエ変換。

Fout(ω):周波数領域で処理済信号。

fout(t):逆フーリエ変換による得られた時間領域処理済信号。

 

2.MS.Excelを用いた実験

@       Excelを起動し、新規作成で実験用ファイルを作る。

A       セルAとセルBを用いて、下記のような信号データを作る。ただセルAは横軸(時間軸t)、Bは縦軸(振幅軸f(t))とする。

ヒント:「ω」の値を適切に設定する必要がある.

B       上記と同様に、セルCを用いて、下記のような三倍周波数を持つ信号データを作る。

C       同様に、セルDを用いて、下記のような五倍周波数を持つ信号データを作る。

D       セルEを用いて、基本周波数成分fB(t)三倍周波数成分fC(t)五倍周波数成分fD(t)の和をとり,データ処理用の仮の入力信号fin(t)を作る。

E       グラフウィザードーを用いて、fB(t)fC(t)fD(t)fin(t)の波形を表示し、それぞれの特徴を調べる。

F       メニューバーの「ツール => 分析ツール => フーリエ解析」を利用し、fin(t)のフーリエ変換Fin(ω)を求め、セルFに置く。

注意1:フーリエ変換をするとき、入力データの数は必ず2の偶数乗でなければならない。例:2,4,8,16,32,64,128,256など。本実験では64128であれば良い。

注意2:フーリエ変換の結果は文字列ではなく,数値であること。

G       複素数の絶対値を求める関数IMABS()を用いて、Fin(ω)の絶対値|Fin(ω)|を求め、セルGに置く。

H       上記|Fin(ω)|を利用し、Fin(ω)のスペクトルのグラフを表示し、その周波数分布の特徴を調べ、基本波成分、三次高調波成分、五次高調波成分を探す。

I       Fin(ω)の基本波成分Fout1(ω)を抽出し、セルHに置く。「ツール => 分析ツール => フーリエ解析」を利用し、セルHの逆フーリエ変換fout1(t)を求め、セルIに置く。fout1(t)のグラフを表示し、特徴を調べる。

J       同様に、Fin(ω)の三次高調波成分Fout2(ω)を抽出し、セルJに置く。セルJの逆フーリエ変換fout2(t)を求め、セルKに置く。fout2(t)のグラフを表示し、特徴を調べる。

 

3.実験データ解析と考察

@       fin(t), fout1(t), fout2(t)の特徴(波形の形,データの量など);

A       フーリエ解析(周波数解析)による信号処理の原理、流れと特徴.

 

4.追加内容(余裕がある人、応用デジタル信号処理の上級クラスを目指す人,ぜひやってください):

@       周波数特性を利用して、上記のfin(t)のデータを圧縮して見よう。

(圧縮されたデータを友達に渡し解凍させて見よう.データの再現ができるはず)

A       fin(t)に移動平均フィルタ実験のようなノイズを加えて、周波数特性を見てみよう。ノイズの周波数成分はスペクトルのどこにあるかを調べ、周波数解析を用いて、そのノイズを削除する。

B       入力信号fin(t)に直流成分を追加してから,上記の実験を行う.

 

5.実験レポート

下記の内容を含めて、MS.Wordでレポートを書き、A4用紙に印刷して、一週間以内に提出してください。

実験目的、実験過程と所用機材、実験結果、実験データ解析と考察、実験に関する感想。

 

レポート表紙は下記のアドレスから入手できる.

http://www.fit.ac.jp/elec/lab/lulab/luonline.html