大学院への内部進学 ~「6年間一貫教育プログラム」で専門分野の最先端に携わる仕事への道を拓く~
大学院への内部進学
「6年間一貫教育プログラム」で
専門分野の最先端に携わる仕事への道を拓く
大学院での研究活動は、専門分野の最先端に携わる「研究職」「開発者」「技術者」といった道を拓いてくれます。
本学では、福岡工業大学大学院への内部進学を後押しするさまざまな支援を行っています。
内部進学を推進する「6年間一貫教育プログラム」
内部進学で自分の可能性を広げた先輩たち
大学院で深めた知識が自信に変わり、より良い就職先へと結びついた 。
入学時から、理系大学に行くからには大学院進学はしようと決めていました。2年次の時に「流体力学」を担当されていた江頭先生の授業に面白さを感じ、3年次で先生の研究室へ。他大学の大学院への進学も考えましたが、このまま自分がやりたい研究を続けられ、奨学生制度も受けられる内部進学を選びました。
大学院の良さは、時間に縛られず、自分の研究や自主学習ができること。電気系や情報系といった他専攻の講義を受けたり、学外のセミナーに参加したりなど、知識や経験を増やすことができました。また、研究室に入ってから3年半続けてきた研究ですので、自信をもって話せることが就職活動にも生かされたと思います。無事、第一志望の企業に内定が決まり、希望した開発職に。研究内容にも関わりのあるポンプの開発に携わるため、これまでの経験を生かして活躍できればと考えています。
陣内さんが取り組んでいる研究
【研究テーマ】非平衡蒸発と気泡の並進運動を考慮した気泡力学解析
液体中で目に見えない小さな気泡が成長し、収縮・崩壊する現象をキャビテーションと呼びます。研究対象は、この現象で発生する小さな気泡です。気泡が崩壊する際、気泡内の温度と圧力は高くなり、気泡近くの液体に衝撃的高圧が発生します。これが原因で機器の騒音や振動が起きたり、損傷したりしてしまうため、キャビテーションが起こらないようにしなくてはなりません。私が行っている研究は、従来の研究に気泡の並進運動を加えた解析手法を確立し、未解明なことが多いキャビテーションについて明らかにすること。この解析が確立されると、生活インフラから産業まであらゆる場面で活躍するポンプやプロペラといった流体機器の最適な設計へとつながっていきます。
内部進学の魅力
内部進学の魅力は学部4年から修士課程修了まで3年というスパンで研究活動ができること。「単位の先行取得」制度を利用すれば、学部生のうちに大学院に入ってからの授業計画が進められます。大学院進学後に余裕ができるので、研究活動や就職活動の面で大きなメリットでした。また、ひとつの研究に3年間じっくり取り組んだことで、技術者として大きく成長できたと思っています。
大学院進学はキャリアの選択を広げてくれた
私の場合、どの企業からも学部生から大学院生までのキャリア設計が評価されました。6年間のうち、前半は学生主体の活動で他者と協働する力を育み、後半は研究を通じて専門性や個としての力を高めていったというもので、その力が身についていると認められました。また、内定後に配属希望を出す際に修士以上でなければ応募できない職務内容も。大学院進学はキャリアの選択を広げてくれたと思います。
木村さんが取り組んでいる研究
【研究テーマ】マイクロ波強度変調近赤外線を用いたFMレーダの開発
「モノに触れずに距離や形状を計測する」技術のひとつであるマイクロ波レーダ。例えば、航空機に搭載して測量などに応用することができますが、周波数利用上の制限から測定の細かさの限界(分解能)があります。私の研究は、簡単にいえば、その限界を打破しようというもの。その技術が確立できれば、「ドローンに乗せて送電線の点検をする」といったことが可能になるなど、さまざまなモノやコトに貢献していけるはずです。
大学院に進学した理由
一年後に就職活動を控えた学部2年の後期、「自分の興味を突き詰めたい」「学部から大学院へ進学することで自分の可能性をより広げ、キャリアアップしたい」と思い大学院進学をきめました。学部1年の頃は大学の勉強についていくのも大変でしたが、好奇心で「なぜ?」を満たしていくうちに、成績がトップになったり、国家資格を取得できたり。「もっと勉強したい」と感じていたことも大きかったですね。
自分の可能性をより広げる機会に
大学院への内部進学の利点は、いわば「先手必勝」で動けること。学部3・4年で学修に打ち込みつつ就職活動を擬似体験し、学部4年で大学院の科目を先行して履修することができるので、修士課程においてゆとりができ、戦略的に学修や研究、就職活動を進めることができます。修士課程を含めた6年間でキャリア形成を図れば、私がそうであったように、自分の可能性をより広げられると思いますよ。
加塩さんが大学院で取り組んだ研究
【研究テーマ】海洋プラスチック由来の活性炭作製と電気二重層キャパシタ電極への応用
「電気二重層キャパシタ」は活性炭を利用した蓄電池。工場やデータセンターなど一瞬たりとも電気の供給を止めることができない現場の瞬時停電対策などに用いられています。ヤシ殻を原材料にする活性炭が主流のため、日本では現状輸入頼み。コスト面の課題を抱えています。ならば、無価値なものから炭素を取り出して活性炭をつくれるとしたらどうでしょう?「環境問題」と「活性炭の国産化」という2つの課題が解決できます。私の研究は、その活性炭作製に「海洋プラスチック廃棄物を使おう」というもの。難易度の高い研究ですが、達成すればプラスチック材料全般のリサイクルに革新を起こせそうです。