研究活動 府省選定事業実績(研究)

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

研究プロジェクト名 総務省
戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)
研究テーマ 潮位測定レーダにおける使用周波数狭帯域化時の潮位測定精度向上技術の研究開発
研究者 工学部 電子情報工学科 近木 祐一郎 教授
研究期間 2023年度
研究内容要約 津波の高精度な潮位予測と到達時刻予測を目的とし、既存の海底地震津波観測網が不得意とする沿岸から30kmまでの浅海域における潮位の高精度測定ができるレーダ開発を目標としている。潮位測定精度を高める信号処理方法の最適化や、30kmの測定距離に対応すべくレーダの周波数の効率的利用を可能とする技術について開発・検証を行いつつ、高精度な測定を可能とするレーダの実現を目指している。
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研究プロジェクト名 日本医療研究開発機構(AMED)
橋渡し研究戦略的推進プログラム(基礎・臨床一体型の持続可能な橋渡し研究支援拠点形成)
研究テーマ メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対するAMR抑制剤の開発
研究者 工学部 生命環境化学科 奥田 賢一 准教授
研究期間 2023年度
研究内容の要約 ペニシリン等に代表される抗菌薬(抗生物質)が効かなくなることを「薬剤耐性(Antimicrobial Resistance: AMR)」という。AMRは世界的な問題となっており、新たな抗菌薬開発への積極的な取り組みが求められている。本研究では、院内感染の主要な原因であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus: MRSA)のAMRを抑制する化合物=AMR抑制剤の開発を行っている。これまでに奥田らは化合物スクリーニングにより新規なAMR抑制剤を取得している。取得したAMR抑制剤をシーズとしてMRSAに有効なAMR抑制剤を開発することにより、既存の抗菌薬の有効活用による持続可能な抗菌薬開発やAMRの効果的な制御の実現を目指している。
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研究プロジェクト名 日本医療研究開発機構(AMED)
創薬支援推進事業・創薬総合支援事業(創薬ブースター)
研究テーマ メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する新規抗菌薬の標的妥当性検証
研究者 工学部 生命環境化学科 奥田 賢一 准教授
研究期間 2023年度
研究内容の要約 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus: MRSA)の薬剤耐性(Antimicrobial Resistance: AMR)を抑制する化合物=AMR抑制剤の開発を行う中で、奥田らはAMR抑制剤の推定標的分子Xを同定した。本研究では各種試験により推定標的分子Xの標的妥当性検証を行う。本研究で得られた成果については、確実に医薬品としての実用化につなげるため、AMED創薬事業部による製薬企業等への導出に係る支援を受ける可能性がある。
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研究プロジェクト名 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
スタートアップ総合支援プログラム(SBIR 支援)
研究テーマ 次世代農業生産技術「Plant Drug Delivery System」の開発
研究者 工学部 生命環境化学科 松山 清 教授、九州大学
研究期間 2022年度・2023年度
研究内容の要約 肥料成分や、必須元素、アミノ酸、ペプチドなど、植物にとって有効なあらゆる物質をナノ化した肥料の開発を行っている。植物体内での移動・分散性が優れ、さらには植物や生態系に対して悪影響の少ない粒子の製造に、水や二酸化炭素を用いる松山の超臨界流体技術を用いて、植物版DDS(Drug Delivery System(薬物を量的・空間的・時間的に制御し、コントロールする薬物伝達システム))の確立を目指している。
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研究プロジェクト名 中小企業庁
Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)
研究テーマ 両面マイクロレンズアレイ用超精密金型加工技術の開発
研究者 工学部 知能機械工学科 仙波 卓弥 教授
工学部 知能機械工学科 天本 祥文 准教授
公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団、株式会社ワークス
研究期間 2022年度・2023年度・2024年度
研究内容の要約 光源から出射された光を集光・拡散させたりする機能を持つ、μm~mm単位の微細なレンズが連続して配列した光学部品であるガラス製マイクロレンズアレイ(以下MLA)は、国内外の光学機器メーカーやヘッドライトメーカー等から、大量生産の製造技術開発が求められている。ガラス製MLAはあまりに微細なために、従来の研削加工技術では、超硬合金製金型を加工することができない。そこで、仙波らは新たな加工工具としてナノ多結晶ダイヤモンド(NPD)製特殊マイクロボール工具を開発し、その工具を用いて微細な超硬合金製MLA金型を開発している。
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研究プロジェクト名 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
国際科学技術共同研究推進事業 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
研究テーマ 脱炭素社会に向けた炭酸塩化を利用したカーボンリサイクルシステムの開発
研究者 工学部 生命環境化学科 久保 裕也 准教授、東北大学、成蹊大学、太平洋セメント株式会社
研究期間 2020年度~2024年度(予定)
研究内容の要約 ・気候中立を目指した炭酸塩鉱物化による炭素循環システムの開発
セメント産業はCO2排出削減のために様々なアプローチを行っている。そのなかで、私たちは60%を占めるプロセス由来のCO2排出削減に着目し、アルカリ性副産物や廃棄物を利用し、炭酸塩鉱物化を行い、副生成物を活用する炭素循環システムの開発を目指している。得られた炭酸塩はセメント製造に資源循環し、さらに循環が不可能な資源については環境浄化材として利用し、新たな循環ループを作る。
・炭酸塩鉱物化を用いたCO2削減と環境浄化によって循環経済に貢献
途上国においても機器の調達・稼動・メンテナンスが容易でCO2限界削減費用が低い技術開発を行い、カーボンニュートラルに向けて前進する。また、アルカリ性副産物や廃棄物を原料とした環境浄化材などの低コストで有用な製品が開発され、酸性坑廃水の処理などにも使用されることが期待できる。
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研究プロジェクト名 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
研究テーマ 航空機用先進システム実用化プロジェクト/次世代電動推進システム研究開発/高効率かつ高出力電動推進システム
研究者 工学部 電気工学科 井上 昌睦 教授、九州大学、東海国立大学機構、鹿児島大学、成蹊大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所、株式会社神戸製鋼所、大陽日酸株式会社、Faraday Factory Japan合同会社、富士電機株式会社、他
研究期間 2019年度~2023年度
研究内容の要約 本プロジェクトでは日本の航空機装備品メーカーが持つ技術力を活かし、本格的な装備品市場への参入・市場拡大を図るために、2020年代半ば以降に市場投入される次世代航空機向けの、軽量・低コストかつ安全性の高い装備品の開発を行う。これにより、日本メーカーがシステムインテグレーターとしての能力を培いTier1メーカーとなることで、日本の航空機産業の更なる発展に貢献する。 2019~2023年度は装備品の内、特に次世代電動推進システム研究開発をテーマとしてプロジェクトを推進している。
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研究プロジェクト名 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
未来社会創造事業 探索加速型(探索研究)革新的な知や製品を創出する共通基盤システム・装置の実現
研究テーマ 非線形・複雑系に着目した認知症のロバストネス数理モデルとそのハブ因子の解明
研究者 情報工学部 情報工学科 山口 裕 助教、中部大学、新潟大学
研究期間 2021年度~2023年度
研究内容の要約 認知症の根本原因は老化による細胞老化随伴分泌現象(senescence-associated secretory phenotype, SASP)であると考え、脳の老化、構成細胞の老化プロセスの特徴を抽出し、その情報構造を数理モデル・AI技術によって特定する。脳の中で進行している病態層の変化ダイナミクスを症状が現れる不可逆な臨界点に到達する前に数理モデル・AI技術によって捉え、認知症の早期診断、発症時期や疾患の進行の予測を実現するシステムを開発する。この研究を通じて、社会的・経済的損失を引き起こしている認知症に対して数理科学に基づく診療支援システムを提供するとともに、最終的に脳の老化の最適化を実現した社会、すなわち脳が老いることのない社会、さらには老いても若返ることが出来る社会の実現を目指す。
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研究プロジェクト名 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
先進的研究開発・開発体制強靭化事業 先進的医療機器・システム等開発プロジェクト
研究プロジェクト名 外科手術のデジタルトランスフォーメーション:情報支援内視鏡外科手術システムの開発
研究者 情報工学部 情報システム工学科 徳安 達士 教授、オリンパス株式会社、大分大学
研究期間 2019年度~2023年度
研究内容の要約 オリンパス株式会社および大分大学医学部と共同で、内視鏡手術をAIが支援するシステムの開発を行う。内視鏡手術は傷口が小さく術後の患者の回復も早いため、様々な病気の治療のため症例数が増加している。一方、手術には高度な設備だけでなく医師や医療スタッフの高い技能と知識が必要とされ、術者や施設間の治療成績格差の解消が課題となっている。本研究では内視鏡手術において患者の体内の状態をAIが認識し、医師にモニター上で適切な手術部位のランドマーク表示を行うことで、効率的かつミスのない手術システムの構築を目指す。
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研究プロジェクト名 国土交通省
河川砂防技術研究開発公募 地域課題分野(河川生態)研究開発テーマ(FS研究)
研究テーマ 大規模な洪水攪乱下での河川構造の複雑性の機能と河川生態系の保全・回復に関する研究
研究者 社会環境学部 社会環境学科 乾 隆帝 教授、
九州大学、熊本大学、山口大学、長崎大学、福岡大学、九州産業大学、第一工科大学、福岡県保健環境研究所
研究期間 2020年度~2025年度
研究内容の要約 本研究は、短期 だけでなく長期的な経過時間を含めた生態系回復プロセスを、各種の生態的特性を加味しながら解明すること、また 、激甚化した災害レベルでも生態系回復のソースとなりうる空間構造とその複雑性 を流程ごとに特定することを目的とする。短期的な時間軸を平成 29 年の九州北部豪雨、長期的な時間軸を 1720 年の享保水害に設定し、両水害の被災地である筑後川中流域の北側(北部豪雨)と南側(享保水害)で、生態学、郷土史学的手法を使った調査を実施する。両被災地の比較、すなわち、壊滅的打撃を受けた初期の生態系と災害から300年の時間が経過した生態系 の比較により、回復プロセスの概要 解明を期待できる 。また、北部豪雨被災地では、初期の生態系の回復ソースとして機能する河川構造 の特定を期待できる。
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研究プロジェクト名 国土交通省
河川砂防技術研究開発公募 河川技術・流域管理分野
研究テーマ 避難促進と流域治水のための防災GO!の開発
研究者 社会環境学部 社会環境学科 上杉 昌也 准教授
総合研究機構 森山 聡之 研究員
研究期間 2019年度~2021年度
研究内容の要約 本研究では、スマホ向け防災ゲーム「防災Go!®」を開発し、住民が流域を平常時に巡回するように誘導することにより、住民の水意識の向上、最終的には避難モチベーションの向上を目指している。ベースマップとして各地域のハザードマップ情報を用いて、実際に危険スポットや避難所を訪れることで、途中の経路の危険性や災害以外の危険性に気付くきっかけを提供する。また、同アプリはゲームのみならず河川管理にも活用可能であり、河川管理者と住民との有機的な連携や地域の活性化にも波及効果があると考えられる。
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研究プロジェクト名 国土交通省
河川砂防技術研究開発公募 河川技術・流域管理分野
研究テーマ 避難促進のための防災GO!プロトタイプの開発
研究者 社会環境学部 社会環境学科 上杉 昌也 准教授
総合研究機構 森山 聡之 研究員
研究期間 2022年度~2023年度
研究内容の要約 近年日本各地で豪雨や、それに伴う洪水に対する逃げ遅れが発生している。これは、地域住民が常日頃から流域に意識を向けていないことが要因のひとつである。 本研究では、2019年度~2021年度に研究開発を行った防災アプリゲーム「防災Go!」ver1.0への追加機能を実装した「防災Go!」ver2.0 の研究開発を行い、引き続き地域住民の水意識の向上を目指す。当アプリゲームを通して、防災のみならず地域の活性化や都市計画等への貢献が可能であり、本研究の最終的な目的は、避難モチベーションの向上及び全員参加の流域治水である。
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研究プロジェクト名 国土交通省
河川砂防技術研究開発公募 河川技術・流域管理分野
研究テーマ 山間狭窄部における超過洪水に対する人的被害最小化のための方策に関する研究
研究者 社会環境学部 社会環境学科 田井 明 准教授、佐賀大学、福岡大学、鹿児島大学
研究期間 2019年度~2023年度
研究内容の要約 令和2年7月に球磨川流域で生じた豪雨災害の被害拡大要因として、河道と氾濫原が狭窄していることにより大きな水位上昇が生じたこと、流域地形の勾配が大きく堤内地でも河道に沿った大きな流速が生じたことにより、家屋への直接的な被害が生じたことや避難行動が困難になったことが考えられる。本研究では、山間狭窄部における超過洪水に対する被害最小化のために、住宅の耐水害性の評価技術に関する研究を実施する。
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研究プロジェクト名 国土交通省
研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)
研究テーマ 革新的な統合気象データを用いた洪水予測の高精度化
研究者 社会環境学部 社会環境学科 田井 明 准教授、九州大学、佐賀大学、山口大学、鹿児島大学、東海大学、福岡大学、京都大学、防災科学技術研究所、
研究期間 2023年度~2025年度
研究内容の要約 豪雨災害が最も頻繁に発生する筑後川流域と球磨川・川内川流域の2つを対象流域として、これらの風上側である九州西海岸の2箇所(長崎県下五島、鹿児島県甑島)に水蒸気・気温ライダーと風ライダーから構成される地上センシングシステムを設置し、水蒸気・気温・風速・風向の鉛直分布をリアルタイムでモニタリングできる基盤技術を開発する。ライダーデータに基づいて水蒸気および熱の流入フラックスを評価し、さらに衛星データの水蒸気分布、雲頂温度(赤外)分布、高層天気図(主に850hPa)の風・相当温位分布を自己組織化マップによってパターンのマップ情報に変換することで、ライダーデータと衛星データ等を統合した新たな統合気象データを創出する基盤技術を開発する。統合気象データを入力情報としてAIによる対象流域の降雨量予測と洪水・水位予測を実施し、統合気象データの活用による洪水予測の精度向上への寄与を定量的に評価し、国土交通省の水害対策への実装を図る。
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研究プロジェクト名 国立極地研究所・海洋研究開発機構(JAMSTEC)・北海道大学
北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)
研究テーマ 陸域課題:陸域生態系と凍土・周氷河環境の統合観測による物質循環過程の解明「凍土・山岳氷河の融解に伴う物質循環への影響と環境汚染物質の動態解明」
研究者 総合研究機構 永淵 修 客員教授、国立極地研究所、海洋研究開発機構、東京大学先端科学技術研究センター、名古屋大学、大阪公立大学、富山県立大学、岐阜大学他
研究期間 2020年度~2025年度(予定)
研究内容の要約 永久凍土はこれまで数千年以上の時間をかけて大量の有機炭素と水銀を蓄積してきた。しかし、地球温暖化による永久凍土の融解と崩壊は、水銀の大気圏および水圏への供給源となる可能性がある。ここでは、アラスカおよびカナダの永久凍土域において①永久凍土中水銀と有機炭素の濃度分布を明らかにし、その関係から永久凍土中水銀 の賦存量を推定する。そして、②大気への水銀再放出とその動態について、現場チャンバー試験により明らかにする。③さらに、永久凍土や氷河末端部の崩壊による陸域から北極海堆積物への水銀の移動についても明らかにする。
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研究プロジェクト名 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
大学発新産業プログラムSTART
研究テーマ 大学発スタートアップ創出、アントレプレナーシップ教育
研究期間 2022年度~
研究内容の要約 2022年度より九州・沖縄の15大学と1つの民間企業で、九州・沖縄一体となった大学発スタートアップ創出プラットフォームPARKSを設立。PARKSでは、(1)起業活動支援プログラムの運営、(2)アントレプレナーシップ人材育成プログラムの開発・運営、(3)起業環境の整備、(4)拠点都市のエコシステムの形成・発展の4つの柱を軸に、以下のプロジェクトを展開する。
・大学・エコシステム推進型 スタートアップ・エコシステム形成支援
・大学・エコシステム推進型 スタートアップ・エコシステム形成支援 EDGE-PRIME Initiative
・大学発新産業創出基金スタートアップ・エコシステム共創プログラム
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