FIT工学部のたしかな教育と研究FIT工学部研究最前線

江口研究室

[研究内容]

持続可能な社会の実現に貢献する地球にやさしい電源回路の開発。

地球環境問題と地球環境を保全する技術の重要性が高まる現代。なかでも、今後の“地球にやさしい持続可能な社会”を実現するための省資源・省エネルギー技術は、今の時代には必要不可欠です。このため、本研究室では持続可能な社会を実現するために、再生可能エネルギーを利用する“地球にやさしい情報通信機器用の電源回路の開発”を行っています。また研究の一つとして、水中衝撃波を発生させる高電圧発生回路の開発に取り組んでおり、非加熱で食物を粉砕・加工することで、「安全・安価で栄養価の高い食品」の提供を目指しています。
江口研究室の魅力を安部 寛二が語る 江口研究室の魅力を安部 寛二が語る

大手電機メーカーへの就職を志して入学。専門性を磨くため大学院へ。

中学時代から電子機器に興味があり、工業高校へ入学。当時は卒業後、高校の先輩たちが就職した大手のメーカー(本田技研・トヨタ・デンソーなど)で仕事がしたいと考えていました。ですが、工業高校の授業で学ぶ電気・電子の分野は、「はんだ付け」などの実用的な部分が大きく、理論などは軽く触れる程度。そのため、電気・電子分野についてもっと深く学びたいと思うようになったことが福工大へ入学につながりました。
学部生時代(工学部電子情報工学科)、就職を考えるに時期にも大手電機メーカーの研究職が頭にありました。ですが、そのためにはさらに専門的な能力が必要ではという考えが浮かぶとともに、研究開発職を目指すならば大学院を出ていた方が良いと江口先生からも助言をいただき、大学院進学を考えるようになったんです。本学大学院からは先輩方が大手企業に就職している実績もあったし、江口先生のもとで研究を続けられるという喜びも大学院進学を後押ししました。
今村君の設計をもとにアルミを加工して試作したロボットアームの動きを確認。
▲タイ・バンコクで3月に行われる国際学会(電力系)に提出した英語の論文をチェック(左)。研究室では論文作成のためPCと向き合う時間も多い。

テーマは、熱処理をしない食品加工のための高電圧発生回路開発。

今、取り組んでいるのが、「水中衝撃波を用いた非加熱食品加工のための高電圧発生回路の開発」です。簡単に説明するとこの研究の目的は、現在一般的に行われている食品の加熱加工処理に伴い、「熱」によって食品に含まれる栄養素が破壊されてしまうという問題点を解決し、新しい食品加工処理を安全かつ低コストで実現することにあります。
野菜ジュースなど例にとると、あのジュースは野菜等を搾って作るのですが、その際、多くの製品が加工しやすくするために熱を加えた後に搾汁しています。ですから実際のジュースは熱に弱い栄養素が破壊されたかたちで含まれることになり、この研究では欠点となる「熱処理」を行わない食品加工を目指して「高電圧発生回路」を開発しているわけです。原理としては、この回路を用いた高電圧放電によって水中衝撃波を発生させて野菜や果物を破砕・加工するというものです。高速で高効率。したがって安全・安価な加工につながります。嬉しいことにこの取り組みは、2015年11月、浦上食品・食文化振興財団の研究助成に採択されました。
なお、現在は水中衝撃波発生装置のプロトタイプが完成しており、今後は、より実用に即した「食品加工装置」の開発を行っていく予定です。
オシロスコープを使った回路の実験。高電圧のため感電防止用のグローブを着用する。
▲オシロスコープを使った回路の実験。高電圧のため感電防止用のグローブを着用する。
研究室では回路の製作に取り組む学生の姿も見受けられる。
▲研究室では回路の製作に取り組む学生の姿も見受けられる。

先生の熱心な指導のもと「やった分だけの結果がでる」ことを実感。

江口研究室を選んだのは、江口先生の研究に対する情熱に惹かれたことが大きな理由ですね。もちろん先生は、学生に対する指導も熱心です。学生が挑戦することに対しては、投資を惜しまずに全力で背中を押してくださいます。実験用機器が欲しいという要望を出したときも「これでやってみなさい」と即座に提供してくださったこともありました。またサポートという面では、海外を含めた遠隔地での学会発表の際に、大学側と共に宿泊費や渡航費、参加登録料などを支援してくださいました。
学生へのバックアップが手厚いことから、私自身、やりかたった研究にすぐに取り組めたし、そのおかげで研究進捗のスピードが早く、やった分だけ何らかの結果がでるという手応えを実感しています。
さらに常にゴールを見据えて研究を進めているので、無駄がなく結果が成果に直結する点も大きな魅力です。その過程で気づいたことや、直面した問題が新しい研究に発展することも多く、とてもやりがいがありますね。
安部君たちが製作したクリッカー。簡単に言えば「YES/NOの意思表示を行う装置」で、たとえばクラスの学生に1個ずつを渡して、先生の質問に対する回答に使用すればYES/NOの人数等を簡単に確認できる。
▲安部君たちが製作したクリッカー。簡単に言えば「YES/NOの意思表示を行う装置」で、たとえばクラスの学生に1個ずつを渡して、先生の質問に対する回答に使用すればYES/NOの人数等を簡単に 確認できる。

国内外で計8つの賞を受賞。将来は大手電機メーカーの研究職の道へ。

この研究室で身につけたのは、主体性、働きかけ力、実行力、それから先ほど述べたような新しい研究へとつながっていく課題発見力もそうでしょう。さらには計画力、想像力、発信力、傾聴力、柔軟力、状況把握力など、たくさんあります。発信力でいえば、やはり国内外でのプレゼンテーションでチカラがついたかなと思っています。 なお、この研究室でのさまざまな研究は、2015年4月の「北九州国際会議場で行われた国際学会・社団法人産業応用工業会ICIAE2015におけるベストプレゼンテーション賞」の受賞を皮切りに、タイ・パタヤ、シンガポールなどの国際学会を含む国内外で計8つの賞を頂きました(2016年2月現在)。  最近では、 「2015年11月/熊本県で行われたBMFSA2015における学生奨励賞」 「2015年12月/日本知能情報ファジィ学会九州支部学術講演会における学生優秀講演賞」 「2016年1月/日本産業技術教育学会主催の第10回技術教育創造の世界(大学生版)発明・工夫作品コンテストにおける学会長賞(江口研究室の投稿で最優秀作品に相当)」  の受賞といった実績があります。 これからの僕の目標ですが、研究中の水中衝撃波を用いた非加熱食品加工を実現することです。その先の大学院修了後はやはり大手電機メーカーに就職し、かねてからの夢だった研究開発職に就きたいですね。この研究室の学生が、東芝に就職が決まりましたが、僕もそうした日本を代表するメーカーでぜひ力を発揮したいです。過酷な環境でもしっかり動作する機能回路の製作など、今ちょっと興味がありますね。
製作した手作りクリッカーをもとに発表した「手作りクリッカーによる学習状況の分析」は、2015年度の日本知能情報ファジィ学会(SOFT)九州支部学術講演会を受賞。
▲製作した手作りクリッカーをもとに発表した「手作りクリッカーによる学習状況の分析」は、2015年度の日本知能情報ファジィ学会(SOFT)九州支部学術講演会を受賞。
研究室では大学院生の安部君のほか学部生4人が各自の研究に取り組む。
▲研究室では大学院生の安部君のほか学部生4人が各自の研究に取り組む。

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