FIT工学部のたしかな教育と研究FIT工学部研究最前線

数仲研究室

[研究内容]

コロイダルダンパーの開発と実用化研究。

コロイダルダンパーは、油圧ダンパーにおけるオイルの代わりに、疎水化多孔質シリカゲルと水からなるコロイド溶液を利用することが特徴です。オイルがミリメーターの細孔を通過することで生じる粘性(液体摩擦)によって力学的エネルギーを散逸する油圧ダンパーに対し、コロイダルダンパーは水がナノメーターの細孔を出入りすることによって、表面張力(表面エネルギーの変動)が振動や衝撃のエネルギーを散逸できる特質を持っています。斬新なエネルギーの散逸原理を有し、単純な構造、高性能で環境に優しいこのコロイダルダンパーは、車両や飛行機等の懸架装置用及び建物等の耐震システム用のダンパーに利用可能で、研究室ではその開発と実用化の研究に取り組んでいます。

数仲研究室の魅力を木下 亮一と北浦 淳也が語る 数仲研究室の魅力を木下 亮一と北浦 淳也が語る

充実した就職支援、そしてモノづくりに対する向学心が入学の動機。

木下さん

僕は、以前からモノづくりに興味があったことに加え、モノづくりをきちんと学べば就職も有利になると考えていたのでぜひとも工学系の大学へ進学したいと思っていました。そこで選んだのが九州内でも知名度が高く、就職に力を入れている福工大だったわけです。知能機械工学科を選んだのは、いろんな工学分野の中で「機械」が最も学ぶ分野をイメージしやすく、学んでおけば就職を含めて絶対自分の将来のためになると考えたからです。

北浦さん
僕の場合も、やっぱり就職支援が大きいですね。高校の先生から就職活動を丁寧にサポートしてもらえるといった情報を聞いたし、福工大のホームページを見て、その充実度を確信したことが入学の要因になりました。それに高校で学んだ物理などの知識をモノづくりに応用してみたかったこと、また自動車分野や設計などに興味があったことも理由です。
卒業論文は2人で役割分担して作成。木下君は主に実験成果の文章化を、北浦君はデータを整理して作図に当たった。
▲卒業論文は2人で役割分担して作成。木下君は主に実験成果の文章化を、北浦君はデータを整理して作図に当たった。

「コロイダルダンパー」の鉄道車両への応用を2人で研究中。

木下さん

現在は、斬新なエネルギー散逸原理を用いた「コロイダルダンパー」の開発と応用に関する研究を手掛けていらっしゃる数仲先生のもとで、北浦君と一緒になって、「鉄道車両用コロイダルダンパーの開発」に取り組んでいます。文字通り鉄道車両(列車)を対象に、車両がレールを走る際の左右振動を減衰させるための装置として、シリカゲルを用いた「コロイダルヨーダンパー」を応用する研究です。

北浦さん
具体的な内容としては、「オイルを使用しない」という環境に優しいコロイダルダンパーを、鉄道車両用として使用するための構造改善を行っていると言えばいいでしょうか。今は、鉄道車両に応用できる構造提案を行うための、「小型鉄道模型」による準備実験という段階ですね。
木下さん

僕がこの研究室を選んだのは、数仲先生の知能機械設計Ⅰ・Ⅱの講義を受講したことがきっかけです。機械設計についての基礎知識を学び、強度計算を経て図面を描く実習を経験したことで設計に興味を持ったんです。機械設計についてさらに学び経験するには、数仲研究室が一番だと考えたことが理由です。

北浦さん
僕も同じです。数仲先生の設計の講義を受けていて、指導が丁寧だったことから先生の研究室でも設計を学びたいと思ったんです。それに自動車にも利用できるダンパーが研究対象だし、もともと自動車分野に興味があった僕にとってこの研究室は非常に魅力的に映りました。
組み立てた模型のレール上の台車が回転(揺れに対して動く)するように改善した実験装置。装置は実験に対応できるように、計算によってレールの曲線の数値を求めて製作してある。写真は台車の車輪上部、コロイダルダンパーを取り付ける部分をチェック中。
▲組み立てた模型のレール上の台車が回転(揺れに対して動く)するように改善した実験装置。装置は実験に対応できるように、計算によってレールの曲線の数値を求めて製作してある。写真は台車の車輪上部、コロイダルダンパーを取り付ける部分をチェック中。

やりがいは、課題が解決し研究が進展したときの達成感と充足感。

北浦さん

やりがいは、いくつもありますね。たとえば研究途中で生じる問題や課題に対する解決方法を探るため、さまざまな論文などから解決につながる知識を得て検討を行い、最終的にその課題を乗り越えたとき。そのときに得られる達成感の素晴らしさは言葉にできないほどです。また、研究を通して専門知識が自分の中に蓄えられていく手応えを実感できることもやりがいに通じますね。

木下さん
僕も、課題解決のために出した案をもとに研究が進んだときの充足感がこたえられません!また、まだそんなに実感はないものの、幅広い知識・経験の修得によって自分自身が成長できると思うとそれだけでやりがいを感じますね。僕はこの研究テーマに携われたことに、本当に感謝したいです。この研究は、将来に活きる大きな経験になるはずだから。 もちろん身についたチカラもいろいろあります。研究室に配属される前に比べると機械設計やダンパーに関する知識をかなり学べたし、研究室に新しく入ってくる学生に指導・指示をする立場になって、指導力もかなり身についてきたと思っています。
北浦さん

専門知識はもちろんだけど、知識を効率よく吸収する力、自分の考えをまとめて相手に伝える力が身についたことも挙げたいですね。それから、僕らの作成した卒業論文が、知能機械工学科の先生たちが採点する卒論評価で、約60の中から2位の「優秀賞」に選ばれたことは、とても大きな自信になりました。

研究室には「双円すい(2つの円すい)の運動 特性」「今までのコイルとは異なる形状のコイル を用いた発電」などを研究する学生もいる。

▲研究室には「双円すい(2つの円すい)の運動 特性」「今までのコイルとは異なる形状のコイル を用いた発電」などを研究する学生もいる。

知能機械工学科の約60の卒論の中から2位の優 秀賞に選ばれた、2人の卒業論文。

▲知能機械工学科の約60の卒論の中から2位の優 秀賞に選ばれた、2人の卒業論文。

2人とも大学院へ進学して研究を継続。目指すは学会での発表。

北浦さん
僕たちは2人とも、卒業後は大学院に進学をすることになっています。もちろん大学院生になっても、現在の研究に取り組むつもりです。目標としてはダンパーをより具体的に設計して実用実験を行い、最終的に学会での発表を行うことです。
木下さん

大学院へ進めば今後、学会などで研究発表する機会も増えるでしょうし、その際、恥ずかしくないような研究成果が得られるように努力したいですね。研究テーマの最終目標を達成できるように、今以上に力を注いでいくつもりです。この研究室には以前、「Intelligent Systems and Image Processing 2014」という国際会議で学生論文賞を受賞した大学院生も在籍していたし、負けないように頑張りたいですね。

北浦さん
数仲先生ご自身も2014年・2015年で、コロイダルダンパーに関する技術発明での「米国特許権」を3件取得したすごい先生です。そんな先生から今後も丁寧に指導していだけるんだから、ヤル気も十分です!
木下さん

この研究室に限らず工学部全体が、就職・教育・研究に対してとても力を入れている学部なので、目標があり、やる気を持っている学生にとっては自分自身を成長させられるとてもいい環境だと思います。

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