FIT工学部のたしかな教育と研究FIT工学部研究最前線

大山研究室

[研究内容]

電気自動車用SRモータ駆動システムの開発。

この研究室では、SRモータ(スイッチトリラクタンスモータ)による電気自動車用駆動システムを開発しています。SRモータは、回転子に巻線がなく、モータ構造が簡単で安価、機械的に堅牢、さらには永久磁石の熱減磁の問題も無く高温での運転も可能という利点があります。1950年代にはステッピングモータとして製品化されましたが、振動や騒音発生の問題もあって主流にはなりませんでした。しかし近年、シミュレーション技術や制御技術の進展によって、極形状・巻線の最適設計、駆動電流の波形制御などによる改良提案がなされ、「大量生産」「低コスト」ができる信頼性の高いモータとして電気自動車での活用に期待が高まっています。
大山研究室の魅力を岩永 賢勇朗が語る 大山研究室の魅力を岩永 賢勇朗が語る

大学院進学を念頭に電気自動車を研究できる電気工学科へ。

父が電気の施工管理の仕事していた影響もあり、大学では電気分野についてもっと深く学びたいと思うようになったことが福工大電気工学科への入学につながりました。 また、私は小さい頃から「電気自動車」に興味を持っていたので、高校時代からこの分野を学びたいという希望も持っていました。福工大にはその電気自動車の研究に取り組む大山先生がいらっしゃったことから、大学院進学を念頭に置きつつ福工大で電気自動車を研究してみたいという気持ちも強くなりました。電気工学科で特に目を引いたのが実験の多様さで、学習意欲と知識も向上しました。たとえば雷の再現実験やモータ性能実験など興味をかき立てられるテーマだったことが思い出されます。
1階ガレージで、同じ電気自動車開発グループに所属する修士学生の羅さん(中国南京理工大学出身)とプロトタイプの無負荷実験の準備に当たる。
▲1階ガレージで、同じ電気自動車開発グループに所属する修士学生の羅さん(中国南京理工大学出身)とプロトタイプの無負荷実験の準備に当たる。

一般企業と共同で電気自動車のプロトタイプを開発。

私の研究テーマは、電気自動車用スイッチトリラクタンスモータ駆動システムの開発で、現在は「区間励磁とセンサレス制御の統合システムの完成」に取り組んでいます。たとえばプリウスやリーフなどに代表されるハイブリッド車及び電気自動車に使用されているモータは、主に永久磁石型同期モータが使われています。しかし、このモータにはレアアースからなる永久磁石が大量に使用されており、レアアースの高騰で生産コストが増加しています。そこで注目されているのが、「SRモータ(スイッチトリラクタンスモータ)」。SRモータは回転子に巻線がなく、モータ構造が簡素で安価かつ機械的に堅牢で、信頼性に優れているため、電気自動車用として注目を集めているわけです。なお大山研究室の電気自動車グループでは、このモータや駆動回路を設計・製作段階から行い、メーカーの明和製作所と共同で電気自動車のプロトタイプを開発しました。現在はその車両を使用した実走行試験に向け、タイヤを路面に着けない「無負荷試験」を行っています。
私がこの研究室を選んだのは、大山先生の電気自動車の研究に対する情熱に惹かれたことが理由の一つです。1年次の研究室訪問の際にお会いして大学院進学と電気自動車研究への意志をお伝えしたところ、そこで丁寧なアドバイスも頂くことができました。先生は、学生に対する指導も熱心で、忙しい中でも真摯に対応してくださいます。さらに学生の主体性を尊重してくださるため、とても研究が進めやすいと実感しています。
設置されている風力発電システムの説明をする修士学生の揚さん(中国南京理工大学出身)。モータの設計を担当している。
▲設置されている風力発電システムの説明をする修士学生の揚さん(中国南京理工大学出身)。モータの設計を担当している。
研究室では可変速風力発電システムの研究も行われており、研究室内に風力発電システムの操作盤や制御装置などが設置されている。
▲研究室では可変速風力発電システムの研究も行われており、研究室内に風力発電システムの操作盤や制御装置などが設置されている。

学生の頃からの夢だった電気自動車開発に携われる喜び。

いま研究室には15人が所属していますが、日本人が(博士1人、学部生7人)で、これに中国出身の学生5人(博士1人、修士4人)、タイ出身の学生2人(修士)が各々の研究テーマに取り組んでいます。日常会話も英語を交えながら行われますし、時には即席の中国語・タイ語講座が開かれ、研究室に楽しい時間が流れることもしばしばです。
電気自動車の研究は小学生の頃からの夢でした。私が電気自動車を知ったきっかけは、小学校の時に見たニュースでした。このニュースを見てこれから電気自動車が自動車の主流になっていくだろうと確信! 時を経て、現在その研究に携わることができてとても光栄ですし、大きなやりがいを感じています。電気自動車の研究グループは私のほか学部生1人、修士学生3人で構成されており、メンバーそれぞれがテーマを持っています。各自の研究をもとに、全員の協力によって電気自動車を完成し、実際に動いた時の達成感とやりがいは計り知れないものがあります。
研究室に設置されている誘導機実験システムの各種装置を説明する岩永君(岩永君の研究内容とは異なります)。
▲研究室に設置されている誘導機実験システムの各種装置を説明する岩永君(岩永君の研究内容とは異なります)。

将来は大学院修士課程へ進学予定。

研究室では毎週グループごとにミーティングがあり、メンバー各自が資料を持ち寄って先生を交えた中で研究の進捗状況を報告します。私はモータの効率を制御法によって向上させようとしていますが、モータ効率が向上したことを証明するにはその明確なデータを示す必要があります。どうすればデータを使用して効果的に私の主張の正当性を示すことができるのか…この方法を毎週考え続けてきたおかげで、論理的に考えるチカラが身につきました。
直近の目標は、安定的に電気自動車を動かすことです。これができ次第、先輩が先行研究で提案されたさらなる効率化につながる「励磁区間可変制御」を適用し、危険回避のためのセンサレスでの運転を含めた統合システムの完成を目指します。私自身は卒業後、大学院修士課程に進学する予定です。この研究室で継続して電気自動車の研究を進めていきます。
福工大工学部は就職ばかりでなく教育研究にも力を注いでおり、その環境は素晴らしいものがあります。理系としてのチカラを高められる大学ですので、興味のある人は、福工大でやりがいある研究に取り組んではどうでしょうか。
電気自動車を動かすプログラミングに取り組む岩永君。先輩が作成したプログラムを改良して使用。
▲電気自動車を動かすプログラミングに取り組む岩永君。先輩が作成したプログラムを改良して使用。
先生を交えた電気自動車開発のミーティング。先生の個室の大型スクリーンを用いて研究の進捗状況などを報告中。
▲先生を交えた電気自動車開発のミーティング。先生の個室の大型スクリーンを用いて研究の進捗状況などを報告中。

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