FIT工学部のたしかな教育と研究 FIT工学部研究室最前線

生命環境化学科 三田研究室 三田肇教授

研究内容

アミノ酸を中核に据えたアストロバイオロジー分野の研究。

三田研究室では主として、生命体中に最も豊富に存在し重要な機能を担っている化合物「アミノ酸」の研究を行っています。たとえば、「ギャバ(r-アミノ酪酸)」の抽出・合成及び活用に関する研究は、代表的な研究であり、「皮」を含むバナナの有効活用を調べながら他食品などを加えて調理することでr-アミノ酪酸の増大を目指しています。
また、三田先生は「アストロバイオロジー」も研究分野になっています。私は、「生命の起源が宇宙にあるか」という壮大な研究にアプローチしており、研究室には「火星でアミノ酸分析を行い火星に生命が存在するのか」や、「最初のタンパク質がどのように生成したのか」などの研究を行っています。さらに、「モール温泉の生成過程・構造の研究」を行う学生もいます。

三田研究室の魅力を
白水まどかが語る

生命環境化学科4年

白水 まどかさん

出身:
福岡市立 福岡西陵高等学校

環境、化学、物理、生物など幅広い分野を学べることが志望理由。

私は小呂島という自然豊かな離島の出身でもあり、また中学・高校時代に話題になった「オゾン層破壊」「地球温暖化」などの影響もあって、「環境」に興味を持っていました。そこで進学先として、環境を勉強できる理系大学の学科を探していたのですが、そんなときに見つけたのが福工大工学部の生命環境化学科でした。生命環境化学科は、他の大学よりも学ぶ範囲が幅広いことが特徴。環境はもちろんのこと化学、物理、生物なども学べることから選びました。
また、住んでいる場所から通えるキャンパスであること、理系の私立大学のなかでも授業料が低いこと、それに多彩な奨学制度が用意されていることも入学の決め手になりました。

宇宙環境に近い環境にするためランプ部分に窒素ガスを入れて無酸素状態を作り、原料の水溶液に紫外線を4日間照射する。

有機物質「ヌクレオチド」を宇宙環境下で合成する研究。

在籍している研究室の三田先生は「生化学」が専門分野の学者で、アストロバイオロジーとよばれる宇宙生物学も研究していらっしゃいます。私自身、環境分野と同じくらい宇宙分野も大好きなので、研究室選択の際に先生の研究や過去の卒業研究などいろんな話をお聞きし、楽しそうな研究だなと思って三田研究室を選びました。
現在は、DNAの構造のもととなる有機物質「ヌクレオチド」を宇宙環境下で合成することを目的にした卒業研究に取り組んでおり、今、真空状態の中で、原料の水溶液に紫外線を当てるだけで合成できるかを実験しています。いわば「生命の起源を探る」というテーマに関わる研究で、水溶液は数日後にHPLC測定器にかけ、クロマトグラフによって合成された物質を特定する予定です。もし合成できた場合は、生命の起源を探る一つのヒントとなります。

「アデニル酸」というヌクオレチドが合成されるかを検証するため、「アデニン」「R5P」の2物質を混ぜて原料水溶液を調製する。

実験、データ処理、資料作成によって身についた“考える力”。

三田先生はとてもきさくで話しやすい先生で、忙しい中でも時間を割いて実験やデータの解析に付き添ってくださいます。研究室には4年だけでなく、研究員や大学院生の方がいらっしゃるので、研究のみではなく大学院のことや発表の仕方なども教えていただいています。また研究室は女子学生が多いので、友達のような感覚で楽しい時間を過ごしています。
卒業研究は、実験と実験結果の考察を繰り返します。結果は、さらに論文を調べて比較したり、自分で新しい実験方法や条件を考えて新たに実験を行ったりするのでとても大変ですが、その分やりがいがあります。私は、昔から興味があった「生命の起源と宇宙に関する研究」をさせていただいているので、やりがいも楽しさもひとしおです。ここで、身についたのは「考える力」です。研究は基本的に、自分で何をするかを考えて実験する必要があります。併せてゼミでの発表のときにどう表現したら伝わるか、データをどう処理したら分かりやすいかなども考えるため、「考える力」が一番身についたと思います。

食品農医薬品研究センターで、アミノ酸前駆体に熱を与え高分子化させる実験に当たる研究室の大学院生。

アミノ酸前駆体に加熱して高分子化させる実験に用いるために、試薬の量を電子天秤で正確に計る。

将来は、化学業界や宇宙関連業界で技術・研究職に就きたい。

研究の最終的な目標は、ISS(宇宙ステーション)へ素材を持ち込んで実験を行うこと。したがって今の実験はその予備実験的な位置付けであり、今後は「素材濃度」「pH」「金属イオンの有無」などの様々な条件で実験を行い、結果を出していきたいと考えています。学部を卒業すると福工大の大学院へ進学しますが、大学院でもこの研究を継続して取り組む予定です。大学院ではより高度な授業を受けながら修士論文を作成し、国際学会での成果発表も行うことになります。なお大学院修了後は、化学業界をはじめ、衛星通信やロケット制作などを手がける宇宙関連業界で技術・研究職に就きたいと思っています。
福工大は図書館や自習スペースなどの設備が整っていて、とても勉強しやすい環境が自慢です。工学部には資格取得支援の講座や表彰制度、成績優秀者の表彰制度なども設けてあり、モチベーションを持って学習に取り組めます。ぜひ福工大工学部で、自分の能力に磨きをかけてください。

エレクトロニクス研究室で得た実験データを解析する大学院生。モール温泉に含まれる植物性腐食酸を解析し、温泉の成り立ちを調べる。

JAXAやNASAにISS(宇宙ステーション)での実験を認めてもらうため、水溶液を容器に封じ込め、漏れがないか、耐久性に問題はないかを確認する実験も行う。

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