産官学連携 産学連携推進室

企業や自治体と連携し研究成果の実用化を推進

産学連携推進室では、地元企業・自治体からの技術相談への対応や共同・受託研究を通じた社会課題の解決に加え、分野横断型研究プロジェクトの組成、知的財産の活用による社会実装の実現、大学発スタートアップに向けた起業支援、さらにはグローバル企業との研究連携に向けたチャレンジなど、ダイナミックな産官学連携を推進するとともに、福岡市東部におけるリージョナルセンターとして積極的に地域社会へコミットしています。近年、本学の共同研究や受託研究は契約件数・研究費共に拡大しており、特に新素材、ナノテクノロジー、エネルギーデバイス、AI及び防災の分野において、企業・自治体との連携による社会実装が進展しています。

産官学連携TOPICS

※プライバシーに考慮し公表可能なもののみ掲載しております。

1.多様な企業課題解決のための分野横断型共同研究の実施

センコーグループホールディングス株式会社と福岡工業大学は2021年度より組織的に産学連携を行っています。共同研究取組テーマ(10分野23テーマ)を共有し、本学で対応可能な研究者によるプロジェクトチームを組成し、共同研究に取り組んでいます。「センコービジネスサポート株式会社のコールセンター及びセンコー株式会社の倉庫内作業の効率化に向けた人員シフトの最適化」については、情報工学部情報マネジメント学科の宋教授、髙橋准教授、小林教授が、現在人の手で数日かけて作成しているコールセンター及び倉庫内作業のシフト表を、作業員の熟練度を加味した上で自動的に短時間で導き出すプログラムについて研究・開発を行ってきました。センコーグループホールディングス株式会社やセンコービジネスサポート株式会社と協働の下、当プログラムは現在も改良が進められており、2024年度以降の実用化を目指しています。

2.古賀市のハザードマップをデジタル・3D化

社会環境学科の上杉研究室では、福岡県古賀市と協力して水害や土砂災害、地震などの危険箇所や避難所などを提示したハザードマップについて市内全域をデジタル化・3D化しました。このデジタルハザードマップはGISデータを基にして各地点の標高、道路の広さ、建物の敷地面積などのデータを1件1件全て反映して作られています。データを基にした3Dマップを見ることで、紙の地図だけでは分からない災害の全体像が見えてきます。なぜ浸水の恐れがあるのか?安全な避難経路はどこか等、考えるきっかけをつかむことで災害リスクを複合的に実感することが出来るようになります。また、土地の標高や道路の幅、建物の高さを反映した3Dマップを見ることで実際の災害リスクを複合的に見ることが出来ます。

3.オリンパス社などとのプロジェクトチームに42億円の交付額!
日本医療研究開発機構(AMED)の技術開発事業に採択

情報工学部徳安研究室では、内視鏡手術をAlが支援するシステムの開発に取り組んでいます。内視鏡手術において患者の体内の状態をAlが認識し、医師にモニター上で適切な手術部位のランドマーク表示を行い、効率的かつミスのない手術を実現するシステムの開発を行っています。この研究を基に2019年度からオリンパス(株)が代表機関となって、徳安研究室、大分大学、国立がん研究センター東病院、東京大学がコンソーシアムを形成し、未来の内視鏡手術システムの実用化と製品化を目指すことが決まりました。プロジェクトチームには日本医療研究開発機構(AMED)から、2019年度以降、総額42億円余の助成金の交付も予定されています。日本が世界をリードする内視鏡手術をAlで発展させ、新しい内視鏡治療、医療産業の創造を目指す最先端の研究にぜひ着目ください。

4.災害情報、電子化でスピード把握
~情報共有システムで対策効率化へ~

情報工学部石田研究室では、豪雨や地震、津波などの大規模災害の発生時に重要な役割を果たす自治体の対策本部向けに災害情報を電子化して共有&重要情報の仕分けもできる新システムの開発を行っています。大規模災害の発生時、自治体の災害対策本部には、地域の被害や被災者に関する膨大な情報が集まります。被害の拡大を防ぐためにはこれらの情報を漏れなく共有し、重要度に応じた現地への迅速な対応が求められます。石田准教授は、かつて自ら自治体の職員として東日本大震災の災害対応等に当たりました。この経験から、災害時の情報を電子化し、「重要度」や「時系列」に応じた共有が可能な情報システムを開発しています。

5.自動車運転の「危険度」に新指標を
~交通事故リスクを定量評価し命を守る~

交通事故が起きる危険度は「車と周囲の環境」と「ドライバー自身の注意力」の組み合わせで評価することができます。ドライバーと周囲の状況をそれぞれ客観的かつ定量的に見て、どれくらい危険な運転をしているのかについて分析した指標がPOC※です。 ※Probability Of Collision(事故の起こりやすさ)
工学部松木研究室では、ドライバーの注意力(知覚特性)や認知力(認知特性)についてシミュレーションや画像処理技術を用いて分析 。危険運転を客観視する「POCメーター」や「POCシミュレーター」の実用化、効果的な安全運転支援や教育手法の開発を目指しています。具体的な危険度を車がアラートしてくれる仕組みができれば、無謀な運転や注意力低下が招く事故を減らせるかもしれません。

6.「焼酎かす」から次世代電源を
~有機性廃棄物利用の技術実用化へ~

工学部田島研究室では、焼酎製造時に生じる「粕(かす)」を活用した充電池を開発しています。この充電池は、活性炭表面の隙間にイオンが付着・放出する現象を利用した「電気二重層キャパシタ」と呼ばれる充電池であり、リチウムイオン電池に比べて短時間で充放電する瞬発力に優れており、放充電の際に劣化が少ないため繰り返しの使用にも非常に強いという特徴があります。田島准教授は、「焼酎かす」に含まれる活性炭に「賦活(ふかつ)」という処理を工夫して施すことによって、表面に微細な穴ができて多数のイオンが付着したり放出されたリする優秀な電極材料ができることを発見しました(特願2018-145277「活性炭作製方法」)。将来的にこの充電池は、瞬間的に大きな電気を放充電する必要がある電気自動車、小型モバイル機器、家庭用の充電池などへの実用化が期待されています。

お問合せ先

〒811-0295 福岡市東区和白東3丁目30-1
福岡工業大学 総合研究機構 産学連携推進室
TEL: 092-606-3236
FAX: 092-606-0636
E-Mail:福岡工業大学総合研究機構お問合せフォーム(SSL)
またはsangaku@fit.ac.jp

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