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インターネットを介さずに情報共有を行うセキュアなネットワークの構築

分野
情報通信ネットワーク
キーワード
DTN(遅延耐性ネットワーク)、蓄積運搬形転送、情報共有
工学部 電子情報工学科

助教 田村 瞳

研究概要

 インターネットを介した通信では、機密情報を保持するサーバであっても全世界のユーザからアクセスできる限りは、クラッカーによる攻撃やアプリケーション利用者の過失による情報漏洩が生じる。また、インターネットでは発信者が基本的には匿名であるため、真実ではない情報の流布(特に、災害時のデマ情報の流布)も起きており、機密情報の取り扱いや情報の信憑性に関して多くの問題が生じている。

 本研究では、敢えてインターネットに接続せず、都市内部程度での離れた地域間において、インターネットほどの低遅延での通信は不可能であるが、電報や郵便を利用するよりは高速で、セキュアな情報共有を実現するためのシステムを提案し、実装している。
 図1は、提案したシステムの全体構成図を示す。

 本システムでは、無線通信範囲が重ならない程度に離れた場所に設置されたローカル情報共有サーバとユーザが直接情報を交換する。固定設置型無線LANアクセスポイントは、その配下に存在するユーザと通信するための無線LANアクセスポイント機能を持つが、インターネットとは接続しない。ユーザは、固定設置型無線LANアクセスポイントとの間でのみ情報を共有するが、他の地域のユーザが発信した情報を必要とするし、他の地域のユーザへも情報発信したい。そこで、固定設置型無線LANアクセスポイント間の情報を共有するため、プローブカーシステムに搭載した移動型無線LANアクセスポイントが各固定設置型無線LANアクセスポイントの情報を取り込み、実際に車両が移動して他の固定設置型無線LANアクセスポイントとの通信圏内へ到着したときに情報を配信する。

図1:システムの全体構成図

利点・特徴  プローブカーシステムの巡回頻度により、情報の更新頻度を上げればインターネットほどではないが、数時間程度の遅延での情報共有が可能である。また、インターネットには接続しないため、本システムを利用しない他者からの攻撃は困難になる。このシステムの実装のために、通常のTCP/IPプロトコルスイートではなく、DTN (Delay / Disruption / Disconnect tolerant networking) における蓄積運搬形転送を活用している。
応用分野
  • 災害時の一時的な情報共有用ネットワーク
  • 機密情報を取り扱う情報共有ネットワーク(1市町村程度の範囲を想定)