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VR/ARを活用した伝統工芸システムに関する研究

分野
マルチメディア、ヒューマンインタフェース、感性情報学
キーワード
バーチャルリアリティ、拡張現実、伝統工芸、感性情報処理
情報工学部 情報通信工学科

准教授 石田 智行

研究概要

1.研究背景

 日本では古くから建具、着物、染め物、漆器といった地場産業としての伝統工芸の重要性が挙げられるが、後継者の減少や日本人のライフスタイルの欧米化に伴う味わい文化の衰退といった問題があり、伝統工芸は衰退の一途を辿っている。一方で、近年では生産性の向上や高品質な製品の開発、伝統工芸の活性化が図られ、その一環としてWWWにより伝統工芸に関する情報の提供が行われるようになってきた。特に、近年の急激なブロードバンド化や通信技術の発達により、携帯電話が急速に普及し、現在では高い処理能力を備えたスマートフォンやタブレットといったモバイル端末が広く普及している中で、コンテンツを効率よく開発し、提供することの重要性が益々高まっている。伝統工芸分野においても、従来のカタログベースでのプレゼンテーション方法から、ネットワークを用いた新たなプレゼンテーション方法が求められている。

2.伝統工芸システムの概要

 本研究では身近なモバイル端末向けに感性検索によるAR伝統工芸プレゼンテーションシステム(図1)の構築と感性検索の評価を行っている。本研究では、感性検索を実現するため、建具の印象について10組の感性語対を用いたアンケート調査を行い、感性検索を実現することで、AR技術を活用した伝統工芸プレゼンテーションシステムの研究開発を行っている。さらに、安価なヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display:HMD)をプラットフォームとした高臨場感バーチャル伝統工芸プレゼンテーションシステム(図2)を構築している。本システムでは、バーチャルリアリティ技術により、「和」と「洋」を融合させたインテリア空間を構築することで、ユーザに高臨場感のある伝統工芸品プレゼンテーション体験を提供する。さらには、ネットワーク技術により空間の遠隔共有機能を実現することで、遠隔地に存在するユーザ同士が一つのバーチャル空間において協調作業が行えるシステムを構築している。

図1:AR伝統工芸プレゼンテーションシステム

図2:高臨場感バーチャル伝統工芸システム

利点・特徴  本研究では伝統工芸品の新たなプレゼンテーション方法をユーザに提供することで、伝統工芸品の認知度の向上と需要の奮起を促し、伝統工芸産業に一石を投じるものである。
応用分野  本研究で構築したVR/ARを活用した伝統工芸システムは、伝統工芸品のほかに、インテリア製品や生活家電、自動車などの人々の生活に関わる様々な3Dオブジェクトを提供することが可能であり、産業、教育、医療分野など様々な分野への応用が可能である。