自由度

"自由度"の概念を正しく理解することは重要です. "自由度"の数によって,振動システムの振動の仕方が違ってきます.

"自由度"の最も単純には - システムの位置を特定できる座標系の数 - と定義できます.

 

3次元空間で自由に動くことができる剛体を考えます. 剛体は,図に示しましたx, yならびにz軸の周りに回転しないで,軸に沿って動くとします.このときの運動を並進運動と呼びます.

剛体は,それぞれの軸の周り回転する場合だってあります. この場合,回転に対して3自由度を持つといいます.

このように,空間上で剛体の位置を定義するためには6つの座標系が必要です. 3つの並進と,3つの回転に対する座標系です.

ぞれぞれの座標値は,ある固定された基準点から定義されていることに注意してください. x, y, ならびにz 軸の原点は地球に対して固定されている点です.また3つの軸に対する正負の方向も固定されています.

制約条件を付けることによって,剛体の運動に対する自由度の数を減らすことができます

1自由度

先ず始めに,剛体の運動が1自由度になるような制約条件を与えることにします.

図に示しましたように,地球に固定されている棒に剛体を通しますと,剛体はy軸の方向にだけ動くことになります.

棒の断面形状が四角形ですから,y軸の周りには回転しません.

このように剛体を取り付けますと,剛体は運動に対して1自由度しか持たないことになります.

            

2自由度

次に,棒の断面形状を円形に変えることによって,剛体に2番目の自由度を持たせることを考えます.

棒の断面が円形になりましたので,剛体は棒の軸の周りに回転できるようになりました. 従いまして剛体の位置を定義するためには,棒に沿う方向の位置(y座標)と棒に対する回転( y 座標)の2つの座標が必要になります.

ブロックはこのように2自由度を持ったことになります.

もっと複雑なシステムに対して自由度の数について説明するためには,技術を必要とします.