コンピュータ計測・デジタル信号処理実験
テーマ1 移動平均フィルタ(Excel版)
盧 存偉
1. 原理
(1)
簡単に下記のように表現できる.
(2)
ここで,nは注目点で,2N+1は移動平均フィルタのサイズである.
例,N=1 (2N+1=3, フィルタのサイズが3である)の場合では
(3)
2.MS.Excelを用いた実験
@ EXCELを起動し、新規作成で実験用ファイルを作成する。
A セルAとセルBを用いて、図1の理想的な波形データを入力する。ただセルAは横軸(時間軸)、Bは縦軸(振幅軸)とする。

図1 実験用理想的な波形:Uo(t)
B グラフウィザードーを用いて、理想的な波形(セルAとB)Uo(t)を表示する。
C セルBのデータをコピーし、セルCを作る。セルCの数箇所のデータを適当に書き換えて(ノイズ入れ)、ノイズの含むデータを作る。

図2 ノイズのある入力波形波形:Uin(t)
D グラフウィザードーを用いて、セルAとC―ノイズの含む波形Uin(t)を表示する。
E Excelの関数機能を使って、(3)式により、セルCのデータを処理し(移動平均フィルタ)、セルD―出力データUout(t)を作る。
F グラフウィザードーを用いて、セルAとD―出力波形Uout(t)を表示する。
G グラフウィザードーを用いて、Uo(t)、Uin(t)とUout(t)を一つのグラフで表示する。
H 移動平均フィルタのフィルタサイズを変って(2N+1=5、7)、上記の実験を繰り返し行う。
* データの保存を忘れずに!
3.実験データ解析と考察
@ Uo(t)、Uin(t)とUout(t)の特徴(相違);
A 移動平均フィルタの効果、ノイズ削除の原理;
B ノイズ削除に対する効果及び入力波形の形状変化に対するフィルタサイズの影響;
C 移動平均フィルタの周波数特性;
4.追加内容(余裕がある人、やってください):
(1)重み付移動平均フィルタ
(4)
ただし、M(k)は重み係数で、
(5)
例えば、2N+1=3:
(6)
(2)初期状態などの検討
5.実験レポート:
下記の内容を含めて、Wordで(A4用紙)書き、表紙を付けて一週間以内7回レポート提出用ボックスに提出してください。
実験目的、実験過程と所用機材、実験結果(データとグラフ)、実験データの解析と考察、実験に関する感想
提出期限:一週間以内
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付加説明:
この講座はコンピュータ計測・デジタル信号処理の入門講座で、勉強の目的であれば、何方もご自由に使えます。
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福岡工業大学工学部電子情報工学科 盧研究室 