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「教育・研究・働き方」のさらなる高度化

本学は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、新しい常態が日常化する「ニューノーマル社会」へ先だって適応し、改革を深化させるため、先端的テクノロジーを駆使し、学園全体で「福岡工業大学DX」(FIT-DX)に取り組んでいます。
本学DXの取組を通じて提供する国内トップクラスのデジタル環境の利活用により、「教育・研究・働き方」のさらなる高度化と教育効果を最大化し、学生皆さんの成長を力強くサポートして参ります。

1. 教育の情報化

授業のデジタル化を実現する教育用システムです。各システムは、スマートフォンやタブレットにも対応しています。
本学では、myFITと称するWeb型学修支援システムを中核に、アクティブ・ラーニング×ICTの融合した「反転授業」など、新しい教育手法にも対応します。

(1) myFIT(Web型学修支援システム)

全ての学生に供する通称myFIT。
授業資料ダウンロード、課題・レポート提出、オンラインテスト、履修登録、シラバス照会、時間割表示、成績・出欠照会、学生生活の諸手続き、FIT-POINT管理、授業及び大学からの掲示情報などの機能を有し、数多くの授業で活用され、スマートフォン利用にも対応しています。
本学では、在学生状況が確認できる「保護者向け機能」も提供しています。

myFITホーム画面

myFIT学習機能画面

(2) myFIT学生用スマートフォンアプリ

myFITアプリバッジ通知

本アプリは、myFIT上の授業に関する掲示情報、休講・補講・教室変更情報、事務局からの各種お知らせ、時間割、出欠状況、シラバス照会等の重要かつ日常的な情報がスマホから確認できる専用アプリです。
iPhoneやAndroidスマートフォンに対応し、プッシュ通知とバッジ(アプリアイコンに未読数を表示)で通知され、必要情報を見逃すことなくクイックに確認できます。

myFITアプリ画面

myFITアプリ時間割画面

(3) FIT Moodle(e-Learningシステム)

教育機関で世界的に普及しているMoodle(ムードル)によるe-Learningシステム。
本学では、myFITを補完する学習管理システムとして運用しています。
数式が直接扱えることが特徴的で、主に数学、物理、電子回路、プログラミング等の授業で利用されます。

FIT Moodleホーム画面

FIT Moodle学習コンテンツ例

(4) 授業動画配信システム

授業資料動画や講義収録動画の配信システム。既設のFIT Replay(授業アーカイブシステム)に加え、大規模配信に対応するMicrosoft Stream(動画配信システム)を運用しています。
本学では、反転授業(授業資料動画による事前学習+アクティブ・ラーニング型対面授業)による新しい教育手法にて利用。コロナ禍の遠隔授業では、オンデマンド型授業動画及びライブ型授業録画動画の公開・配信に大いに役立てられました。今後も遠隔授業と対面授業を組み合わせたハイブリッド型授業や、これまでの反転授業及び新たな教育手法の実践に活用します。

FIT Replay動画視聴画面

Microsoft Stream動画視聴画面

(5) FIT-AIM(学習ポートフォリオ)

学生の学習ポートフォリオである通称FIT-AIM。各授業回の振り返り、授業外学修の計画・実績、入学時の目標、卒業後の将来像、学期の目標・計画・振り返りを記録する自分史です。教員によるフィードバックコメントや、ディプロマポリシー(学位授与方針)の各指標と履修授業の成績による学修成果がレーダーチャートで確認できます。本学では、「知識の定着」と「能動的学習態度の涵養」のため、アクティブ・ラーニング型授業を全学展開し、学生の自律的学習を促進するため、学習ポートフォリオを活用した双方向型の教育を実践しています。

授業の振り返り

学修成果の可視化

2. ソフトウェアの利活用

教育・研究活動及び事務において、学園全体に亘り、幅広く活用され、AI・データサイエンスに係る高度なソフトウェアも有しています。
コロナ禍の遠隔授業では、各ソフトウェアを学生所有パソコンでも利用できるよう展開しました。 今後もDX推進の中核として、各ソフトウェアを引き続き活用し、「教育・研究・働き方」のさらなる高度化を実現します。

(1) Microsoft 365 A5(最上位ライセンス)

世界で活用されるビジネスレベルのクラウドサービス。Office(Word, Excel, PowerPoint, Access等)、Outlook(電子メール)、OneDrive(ファイル共有)、Teams(チャット・ファイル共有・TV会議)、Forms(アンケート)、SharePointOnline(ファイル共有・情報共有)、高レベルセキュリティ機能を有しています。本学では、各機能を学生所有のパソコンやタブレット及びスマートフォンでも利用可能とし、myFIT(Web型学修支援システム)を補完する学修コミュニケーション・プラットフォームとして運用しています。また、教職員の情報共有、ペーパーレス化、テレワーク等にも広く活用しています。

Microsoft 365

Teamsオンライン講義のイメージ

(2) Adobe ETLAライセンスプログラム

世界で活用されるデジタルメディア制作・編集アプリ。Acrobat(PDF作成)、Photoshop(写真編集・画像作成)、Illustrator(イラスト作成)、Dreamweaver(WEB制作)、DX(UI/UXデザイン)、Premiere Pro(動画編集)、After Effects(映像合成・編集)、Audition(音声加工)、Animate(アニメーション作成)、Fonts(高品質フォント)など、20種以上のデジタルメディアの制作・編集アプリを有しています。本学では、各アプリを学生所有のパソコンやタブレット(一部アプリ)でも利用可能とし、デジタル教材や、課題・レポート、卒業研究、学会発表ポスター、研究論文など、アカデミックな各種成果物のデジタル化に広く活用されています。

Adobe Creative Cloud

教材動画作成・編集

(3) MATLAB Campus-Wide License

世界中の技術者や科学者が信頼する数値解析ソフトウェア。AI(人口知能)、ディープラーニング(機械学習・深層学習)、ロボット工学、制御システム、画像処理、信号処理など、あらゆる科学技術分野の数値解析、シミュレーション、データ解析、設計を可能とする60種以上のオプションを有し、科学技術計算の理論・実験や科学分野の研究・開発に活用できるものです。
本学では、MATLABと全オプションが学生所有のパソコンでも利用可能で、制御、機械設計、データサイエンス、AIに係る授業や卒業研究、各種研究における解析やシミュレーションなどで広く活用されています。

MATLABによる計算・シミュレーションのイメージ

(4) Mathematica Unlimited License

世界中で広く使われる数式処理システム。基礎から応用まで、あらゆる数式(式・記号)を含む計算と数値データをビジュアル化する機能を有し、数理科学の理論・実験・研究や、数学モデル、統計処理、データ解析・分析に活用できるものです。本学のMathematicaは、学生所有のパソコンでも利用可能で、数学、物理、統計に係る授業や卒業研究、各種研究における数値計算などで広く活用されています。

Mathematicaによる計算結果の3Dプロットイメージ

3. データ利活用による教育改善

「丁寧な教育」、「面倒見の良い大学」に資するエンロール・マネジメント(入学から卒業まで一貫としてサポートする取組)の取り組み。入試・学修・就職・進学など入学から卒業までの各種データを管理し、その可視化・分析による教育改善を実践しています。
具体的には、成績分布や授業アンケート結果のデータをもとに授業毎にPDCAサイクルによって授業改善を行うこと、退学防止のため学修データから問題を予見し学生指導に活かすこと、基礎科目の成績等から初年次教育を見直すこと、学生アンケート結果から施設・設備整備の成果確認と課題把握による改善などが挙げられます。また、情報公表の一環として、各種データから教育・研究活動報告書を作成し、公開しています。
これらをEM+IR活動(Enrollment Management and Institutional Research)と言い、デジタル化の先のデータ利活用による教育改革に取り組んでいます。

4. 図書館のICT化

「デジタル化されたラーニング・コモンズ」×「知の拠点」の機能性を融合し、33万冊を所蔵する図書館。本学図書館は、学生のあらゆる学習スタイルに適応するコンセプトで、3階:「発話可能でグループ学習など多様な学習を促すActive Floor」、4階:「読書・個人学習に適した静音なQuiet Floor」、5階:「学習・調査・研究活動に適した静寂なSilent Floor」を有し、それぞれのフロアコンセプトに応じた、能動的な学習や研究に適した設備(机・チェア・壁面ホワイトボード)やICT機器(プロジェクター、外部ディスプレイ、PC、TV会議システム等)などを備え、本学学生は自由に使用することができます。

また、全館に無線LANも配備し、ネットを活用した、図書予約、蔵書や学術情報の検索、学術データベース、オンラインジャーナル、電子書籍(850点)による学習・研究を行うことができます。各種ネットサービスは、自宅など学外からも利用可能です。 今後もネットサービスを充実させ、学生・教職員の教育・研究活動に供します。

プレゼンテーションコート

グループワークエリアと壁面プロジェクター

eBookサービス(電子書籍)

My Library(利用者オンラインサービス)

5. 学内ネットワーク

キャンパス全域を網羅する学内ネットワーク。学内総合情報ネットワークシステム-FITNeS(Fukuoka Institute of Technology Network System)は、学内基幹及びインターネット回線に10 Gigabit-Ethernet以上を採用することで、大規模な動画像・音声などのマルチメディア情報の配信、将来の広帯域を要するネットワークアプリケーションにも充分に耐える性能を有しています。

 また、キャンパス内の145カ所に無線LANを配備し、学内LANはもとより、大学等教育研究機関の国際無線LANローミング基盤であるeduroamへの接続が可能となっています。 無線LANは、学生所持ノートパソコンの所持率向上により、2021年度内にさらなる拡大を計画中です。本ネットワークは、約5,000台のPCやサーバーが接続され、本学のICTを活用した教育・研究活動の促進と高度化に欠かせないインフラとなっており、今後もさらなる進化を続けます。

学内ネットワーク図

6. 情報セキュリティ対策

情報漏洩を防止する組織的な情報セキュリティ対策。本学では、学園全体の情報セキュリティポリシー(対策方針)とSNS利用の留意事項を含む関係ガイドラインを制定し、DXを推進するとともに、学生・教職員の教育と各システムの脆弱性対策等を含め、組織全体で情報セキュリティ対策に努めています。  学内ネットワークとインターネット接続には、高性能ファイアウォールを設置し、コンピュータ・ウイルスの侵入防止や駆除、世界各国からのサイバー攻撃のブロックなど、1日あたり数万件もの問題から防御しています。現在、Microsoft 365をはじめとするクラウドサービスの効果的な活用も拡大しており、情報セキュリティ対策は極めて重要として、物理的・人的な対策に学園全体で取り組んでいます。

サイバー攻撃の状況例

Microsoft 365セキュリティ監視例

7. BYOD推進と強固なサポート体制

学習効果を高めるBYOD。BYODとは”Bring Your Own Device”(個人保有ノートパソコン等の携帯用機器を活用)の略称です。DXが広がり浸透するニューノーマル社会では、先の就職・進学を見据え、「知識・スキル」×「自律的学習力」×「情報活用能力」の相乗的な育成が肝要です。

そのため、授業と授業外学修及び課外活動において、学生皆さんが自ら所持するノートパソコンを最大限に活用頂くため、ノートパソコンの故障・トラブル時のノートパソコン貸出(学内PCショップ:PCインフォスクエア)や、各種システムの利用及びライセンスソフトウェアの導入に関する質問・相談に応対する学内ヘルプデスク(情報基盤センター)、情報リテラシーに関する学習支援(FIT-in サポート:学生チュータ・スタッフによる対面・オンラインによる学習支援)など強固なサポート体制を有し、安心してご利用頂けます。

8. 今後の展望

教育効果の最大化と、コロナ禍で学生の学修機会を失わせないことを前提に、本学の「情報・環境・モノづくり」の教育・研究力の実績と知見を活かし、ICTを効果的に活用した教育・研究活動の展開と、今後もDXに必要な環境整備の充実に、より一層努めて参ります。以上、ご期待ください。

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