未来を創造する、福工大の挑戦

人とデジタル・コンピューターをシームレスに優しくつなげる

情報工学部 情報工学科

石原 真紀夫 教授

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人の可能性を広げる仮想現実空間・ユーザーインタフェース開発

杖やメガネのように自然に使えるコンピュータが、人の感覚機能を補完したり、スムーズな作業をサポートしたりする……。石原研究室では、人とコンピュータを相互に理解することで、コンピュータをより良く使うためのデザインやシステムを考える「ヒューマンコンピュータインタラクション」について研究しています。人とコンピュータの境目がより少なくなり、コンピュータと優しくつながることができれば、感覚器官に働きかけるリアリティや没入感のある仮想空間、よりスムーズな作業が実現できるインタフェース(操作機器)を作ることも可能になり、人間の可能性は大きく広がります。

仮想空間上の巨大ディスプレイを使ってPC作業の負担を軽減

開発したのは、ヘッドマウントディスプレイを使って、VR空間上に仮想のPCディスプレイを提示するシステム。設置場所の制約を超えた視距離10m以上の任意の位置に、5000インチの巨大ディスプレイを提示することができます。仮想空間の中にあるディスプレイ上で、通常のマウスやキーボードを用いた作業が可能になり、長時間のVDT作業を行う人の目や体の負担の軽減、作業効率の向上などの効果が見込まれています。現在、作業内容や視距離、ディスプレイサイズなど様々な基準による条件でデータを収集しながら、研究を進めています。

仮想空間での「刺激」を人間はどう認識して反応するのか?

研究室の学生は、仮想空間で飛んでくる障害物を「人間がどう認識するか」を研究しています。実際には存在しない刺激も、立体的に目に見えることで私たちはどう反応するのかをセンサーで体の動きを撮影し、刺激に反応した体の傾きなどを分析します。人間は目や耳、三半規管など感覚器を通じて現実の世界を感じていますが、仮想世界でも全く同じ刺激を与えることができれば、よりリアリティのある仮想空間を作ることが可能です。実験によるデータを集め、感覚器官による仮想空間上での人間の認知の仕組みを解明することで、現実と仮想空間の境目を無くし、仮想空間の可能性を広げる研究にチャレンジしています。

操作する人の目線から必要な情報を判断するパソコンの開発も

人とコンピュータがシームレスにつながることで、スムーズな作業をサポートできるような、新しいインタフェースの開発にも取り組んでいます。その一つが、「目線から必要な情報を判断するパソコン」です。操作する人の目線をセンサーで読みとり、画面上のどの情報を重点的に見て必要としているのかをコンピュータが判断します。その判断を基に、操作者が必要としている情報を推測し、自動表示するシステムの開発を目指しています。

情報工学部 情報工学科

石原 真紀夫教授

  • 研究分野:ユーザーインターフェイス、デザイン、HCI

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