未来を創造する、福工大の挑戦

ゲーム感覚で防災意識の向上を図る「防災GO!®」を開発

社会環境学部社会環境学科

上杉昌也准教授

大規模災害発生時の避難場所・経路を把握するゲームアプリ

自然災害について、「自分の住む地域にどんな危険箇所があるのか？」、災害が起きた際は「どういう経路で避難するべきなのか？」などを、実際に把握している人は多くありません。また、自治体が設定するハザードマップについても、多くの人はその具体的な内容を把握していません。上杉研究室と森山研究室は、株式会社CTIグランドプラニングとともに、位置情報データと地域の防災情報を組み合わせたアプリ「防災GO!®」を開発しました。このアプリは、スマホの地図を元に身の回りの危険箇所や避難所などを実際に見て回り、防災に関するクイズを解きながら、平常時から身近な災害リスクや避難経路などについて関心を持ってもらうことを目的にしたゲームアプリです。

マップに表示された災害リスク箇所や避難所などを歩いて把握

「防災GO!®」のゲーム画面には、各地域で避難所に指定されている建物のほか、土砂災害が発生しそうな危険箇所などがマップに反映されています。実際に徒歩でこれらの場所まで行くと、その場所に因んだ防災に関するクイズが出題されます。さらに、仮想の災害を発生させて、避難場所まで実際にたどり着けるかをシミュレーションする機能も開発しています。アプリを用い、ゲーム感覚で実際に避難所や危険箇所を回ることで、適切な避難経路を実感してもらうと同時に、災害時の判断力強化にも役立つ仕組みが構築されています。

洪水シミュレーションに加え「逃げログ」の機能も実装予定

実際に現地に赴き、アプリを使用して洪水などのシミュレーションを行うことで、今、自分がいる場所が「実際にどれくらいの範囲まで浸水するのか」を疑似体験しながら確かめることもできます。アプリ利用者はハザードマップを見るだけではわからない、災害の想定範囲をリアルに感じることにもつながります。また、避難行動を分析してスコア化する、「逃げログ」の機能も実装を目指しています。

学校や地域コミュニティでの防災訓練にも活用可能

アプリを利用してゲームをプレイした回数や、各地のスポットでクイズに正解した数に合わせてプレイヤーやチームにポイントが付与されます。アプリを使うことでゲーム性を持って楽しみながら防災に取り組むことができるため、学校や地域のコミュニティで行う防災訓練でも活用できます。また将来は、自治体と連携してゲームに合わせてポイントを付与するといった活用促進の取り組みによって、地域の防災意識を高めることも可能です。