
生命環境化学科4年
(2024年9月取材時)
廃棄されるサトウキビバガスの食品としての有効活用
私の研究テーマは、「廃棄されるサトウキビバガスの食品としての有効活用」です。この研究で用いるサトウキビバガスとは、サトウキビから砂糖を製造する過程で発生する「搾りかす」のことです。このサトウキビバガスの用途拡大を目指し、現在、味覚センサー(味覚認識装置)を用いた分析、官能評価、物性評価を行いながら、レシピ開発や小麦粉の代替食品としての活用を検討しています。私が、生命環境化学科を選んだのは、生命から物質、食品の分野までを幅広く学ぶことができ、また、進級するにつれて興味のある分野をさらに深く専門的に学べるからでした。研究室については、食品関連の講義を受けるうちに食品分野への興味が高まったこと、また就職も食品メーカーを考えるようになったため食品分野の研究に特化した長谷研究室を選びました。
担当の長谷先生は優しく、実験計画の修正や分析機器を扱う際にも丁寧に指導してくださいます。先輩方もとても親切で、研究室は和やかな雰囲気です。研究では、最新機器の味覚センサーを用いた分析に取り組めることもあってやりがいも大きく、この研究室に入って良かったと感じています。実験用分析機器の操作方法など、研究に必要な知識をしっかり身につけることもできました。もちろん苦労もありますが、分析のために試料やサンプルを作成し、それらを基に、実験で得られたデータの整理を終えたときの達成感は格別なものがあります。今後は官能評価のデータをまとめ、味覚センサーで取得したデータを照合して、サトウキビバガスを用いた加工食品の「おいしさ」を客観的に評価し、有用性を見出していく考えです。卒業後は、雪印メグミルク株式会社への就職が決まっています。同社では、製造および品質管理業務に携わりたいと思っています。
共同研究先から提供されたサトウキビバガスを使ったスイーツ。これらをすり潰した試料を作成し、味覚センサーで甘味・酸味・苦味・渋味などを分析・数値化する。
味認識装置のアーム部分に、味覚センサーを取り付ける。作動するとセンサーの先端が下がり、試料の入ったカップに挿入される。
分析用試料をカップに注ぎ、味認識装置のフォルダーにセットすれば準備完了。
その他、発酵調味料や植物発酵エキス(ドリンク)の味覚分析や機能性評価も行っている。
実験動物用の飼料を作成中。シークヮーサーの果汁を搾った後の「かす」を飼料に混合して、実験動物に摂食させた後、血液や臓器を分析することで生活習慣病の予防効果について調べる。
長谷准教授と研究室所属の学部生・大学院生で、今後の実験計画に関するゼミを開催。実験スケジュールや個々の役割の確認、作業の進め方などについて打ち合わせを行う。