






生命環境化学科4年
(2026年1月取材時)
光造形プリンターを用いたヒドロゲル構造体の調製と
固定化触媒の調製技術への応用
光造形3Dプリンターを用いた、フロー型触媒反応器の開発に取り組んでいます。近年、微細な構造を有する金属材料の製造法として金属積層造形技術が注目され、これらを具現化するための金属3Dプリンターの利用が検討されていますが、装置や運用コストが課題です。研究では、安価な光造形3Dプリンターで調製したヒドロゲル構造体をテンプレートとして利用し、超臨界CO₂などを用いた金属前駆体の含浸および還元処理によって、ミクロンサイズの多孔質構造を保持したPd担持構造体の調製を試み、フロー型触媒反応器としての利用を検討しています。この目的のため、メッシュおよびラティス構造を有する多孔質構造体をフロー型触媒反応器として用い、細孔構造がフロー反応の反応特性に及ぼす影響を評価しています。松山研究室は研究活動が活発で、大学院の先輩方は学会での多数の受賞や、大手化学メーカーへの就職という実績を残されています。私も将来、そうした企業への就職を目指してこの研究室を志望しました。
この研究室には、研究意欲の高い学生が集まっています。研究の傍らで危険物取扱者や公害防止管理者の資格試験の勉強に取り組み、資格を取得した学生も多数います。とはいえ堅苦しい研究室ではなく、室内は集中とリラックス時間のメリハリが効いた、非常に居心地の良い空間になっています。松山先生も講義や会議で忙しいなか、その合間を縫って実験法を優しく指導してくださいます。実際、研究実験はなかなか理論通りに進まないのですが、トライ&エラーを経て目的の材料ができたときは、とても感慨深く、多様な分析装置を駆使して実験を深化させるプロセスにもやりがいを感じます。また、高性能な装置の操作やデータ解析を通して座学の知識を実践的に理解できるので、自身の成長の手応えを実感できます。将来は、大学院に進学して専門性を高めた後、化学メーカーで新素材の開発に携わるエンジニアになりたいと思っています。

松山研究室では、他大学や企業との共同研究に積極的に取り組んでいることから、大学の有名な先生や企業の研究者と対話する機会が多々あります。また研究室は、大学の研究高度化予算や文部科学省の科学研究費補助金に加え、研究助成財団や企業からも支援を受けながら研究を行っています。なお、研究室の先輩方は化学工学会や資源素材学会で「優秀発表賞」などを多数受賞しており、その研究成果は学術書や国際論文に掲載されています。

3Dプリンターを用いて、液体レジンを原料にしたヒドロゲル構造体を調製し、その状態を観察・評価する。

1回反射型ダイヤモンドATRを備えた赤外分光光度計(FT-IR)に、サンプルのヒドロゲル構造体をセットする(エレクトロニクス研究所内)。

高性能のフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用い、ヒドロゲル構造体の構造を同定する(エレクトロニクス研究所内)。

地球温暖化の原因物質であるCO2を電気化学的に還元(CO2RR)し、メタンやアルコールなどに再資源化する。

3Dプリンターを用いて樹脂を加熱・加工した網目状の構造体の表面に、多孔質材料である金属有機構造体(MOF)を固定化させる。

化学反応器内での薬品の流れと反応状態を透明管で可視化し、3Dプリンターで作製した2種類の構造体を用いて反応率を調べる。

医薬品の合成研究に際し、合成した物質の水素還元反応の進行度をGC(ガスクロマトグラフィ)によって測定する。

熱天びん(熱重量分析装置)を用いて、3Dプリンターで作製した高分子材料の耐熱性を評価する。



