シリコン片持ち梁の超微小振動計測
1. 研究目的
今までいろんな週類の真空計が開発されてきたが、全部計測範囲が狭いのでもっと広い範囲で真空度を計れる真空計が必要である。それでシリコン片持ち梁の振動を利用して今までの真空計よりずっと広い範囲の真空度で計測できる新しい真空計の開発することを目的としている。シリコン片持ち梁の振動を計るためにはマイケルソン干渉計を使うことにした。
2. 実験装置
マイケルソン干渉計と実験装置の配置
真空容器の中に片持ち梁があり、それはピエゾによって励振される。そして干渉レーザーはFFTにより分析される。そして参照ミラーのFeed-backコントロールで低周波数のノイズを遮断する。
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左側が実際の干渉計の配置で右側が全体の実験装置の配置である。
3. 実験結果
マイケルソン干渉計の分解能
実験装置の分解能に対する実験結果が図2に出ている。二つのミラーを固定し、その中の一つを励振して、その振幅を測ることで本システムの分解能を調べてみた。
干渉レーザのパワーの理論計算による分解能は0.29pmで、上にあるグラフで見えるように実験データの標準偏差は0.233pmで理論値とほとんど一致していることが分かる。
真空度と片持ち梁振動のQ値との関係
グラフで見えるように実験値は分子流の低い真空度では理論値とよく合っているが、真空度が高くなると理論値との差が大きくなり、1500ぐらいで飽和される。この実験結果からシリコン片も値バリを用いた真空計では10-3torrまで計測できることを確認できる。
熱振動の研究
1.熱振動の計算機シミュレーション
目的
熱振動と空気分子のブラウン運動との関係の分析して、熱振動の工学的な適応に対して検討する。
シミュレーションの方法
次の図の様にばねと質量のシステムを考えられる。そこの板と空気分子の衝突による板の振動を計算機シミュレーションによって分析する。
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シミュレーションの結果
温度300K、圧力10-5での気体分子と片持ち梁衝突による振動の振幅を示している。実線はダンピング効果がない場合の振動の振幅で、○がダンピング効果を計算した計算機シミュレーションの結果である。これで気体分子と片持ち梁の衝突による振幅と片持ち梁の熱振動は一致していることが確認できる。この結果で空気の圧力と片持ち梁の熱振動は関係ないということが確認できる。