中華料理
これだけの中国人がいるので、中華料理の店もさぞたくさんあっ
て、おいしいだろう、とお考えでしょう。
たくさんあるのは確かだが、おいしいかどうかは、世界中どこで
も一緒で、当たり外れがある。
広東料理
前述のように、カナダの中国系住民は新旧問わず、広東系を
中心としている。当然ながら、中国料理も広東料理中心である。
特に3年前(1996年)に学会でバンクーバーに行った時、ほと
んどの中華料理店では北京語が通じなかった。Downtown の
店は香港からの新移民が経営しているので、英語でなんとか間
に合ったが、Chinatown では広東語しかしゃべれないところも
あり、何語でコミュニケーションすればいいか困ってしまう。
3年前にバンクーバーをたずねた時、ちょうど香港の中国返還
の直前とあって、やたらに香港移民が目立っていました。90年
代にできた広東料理店の多くは、こうした香港人の、香港人に
よる、香港人のためのレストランであった。Chinatown
によくあ
る家庭料理の延長線上にある小さなレストランと違い、新移民の
レストランのオーナー、料理人はほとんど香港でレストラン経営
の実績があり、レストランごとに移民してきたケースが多かった
そうだ。だから、味は本格的な広東料理で、ちょっぴり甘口で、
あっさりしていて、日本人好みの味付けだ。ただ一つだけ香港
と違ったところは、ボリュームは西洋人に合わせ、香港の倍ぐら
いになっている。うちは3人家族で、いつも料理を2品だけ頼ん
でいたが、それでもあまってしまう。
ちなみ中華料理店では、ほかの店と違って、テーブルごとに
ウェーターが決まっていないところが多い。チップはどうするの?
と聞いてみたところ、いったんプールして、そしてみんなで分ける
そうだ。
四川料理
バンクーバーでは、中華料理といえば、基本的に広東料理だ
が、その次に有名なのは四川料理だそうだ。確かに広東料理
もうまいが、実は出身地の関係で僕は四川料理がもっと好きだ。
しかし、探してみると、純粋な四川料理レストランはまったく
見当たらない。あるのは「広東四川料理」だけだった。仕方が
ないので、数軒「探検」してみたところ、「これは四川料理?」
というところばかりだった。はっきりいえば、まずい!
僕は本物の四川料理を食べなれたせいかな、と思ったとこ
ろ、こんな事件があった。
99年の夏に、福建省から密入国を図る船が数隻カナダ西
海岸にやってきた。数百人の密入国者は海軍基地の一角に
収容され、難民申請審査の手続きを待っていた。
数週間後、密入国者たちはハンストを始めた。理由を聞くと、
料理があまりにもまずく、食べられたものでないそうだ。記者
たちが早速料理を配膳していた中華料理レストランをインタ
ビューしたが、そのオーナーはさも悔しそうに、「うちはビクト
リ
ア(州都)では数十年続いている中華料理の老舗で、今回も決
して
手抜きしておらず、店で出す料理と同じ
Westernize され
てい
ない本格的な中華料理を出しており、そんなこといわれる
覚え
はない。」と不満をぶちまけた。
ビクトリアのガイドブックを調べたら、その店が確かに紹介
されていて、正式の名前は「○×広東四川レストラン」だった。
思わず密入国者たちを同情してしまった。
独断と偏見:バンクーバーの「広東四川料理」レストランは
まずい可能性が高い!
お気に入り
うちがお気に入りの中華レストランは2軒ある。
一軒はうちのすぐ近くにある。アパートを探していた時は何
回
もそばを通ったが、寂れた店先を見ては、「もうつぶれてい
るだ
ろう。」と女房と話していたが、たまたま入ってみたら、びっ
くりす
るほどおいしかった。
店の名前は「利源海鮮酒家(Lee Yuan Seafood Restaurant)」
で、場所はバンクーバーの中心から外れて、Surrey City の
104th
Avenue と148th Street の交差点近くにある。バンクー
バーから行くにはます Skytrain の Surrey Central で降りて、
502
または 509 番のバスに乗り換える。148th Street で降り
る
と、交差点の斜め向かいに小学校があって、104th Avenue
沿い
で、小学校の隣に店が看板を出している。営業時間は午
後4時
から11時。
お薦めは、sour and hot soup、八珍豆腐bowl、椒塩三拼。
(注:友人から情報によると、この店は2003年頃閉店になった。)
もう一軒はdowntown のHotel Hyatt Regency の地下とつ
なが
るRoyal Center にある「悦海大酒家(Victory
Restaurant)」。
3年前学会で行った時、Hyatt Regency に泊まっていたので、
毎
日のように行っていたが、あの時は上海出身の女性一人を
除いて、
スタッフはみんな北京語がしゃべれなかった。3年経っ
ても当時
のスタッフがほぼ全員残っており、みんな多少北京語
がしゃべれ
るようになった。流動性の高く、平均在職年数約1年
といわれる
この業界では、3年間もスタッフが変わらないことは、
店の待遇の
よさ、引いては店の経営状況の好調さを物語っている。