Division
息子は小学校に1年生として編入した。クラスは
Division 9
だっ
たと思う。日本だったら(中国でも)「1年2組」という具合にクラス
分けされるが、ここでは学年が付かずに、division
だけでクラスを
特定する。パッと聞いても、何年生かさっぱりわからないので、変
な分け方だな、と最初は思っていたが、2年生に上がったときよう
やくその訳がわかった。
1年生の時に同じ division だった子が、3つの division
に振り
分けられた。どこでもやるクラス変えと思ったら大間違い。
台湾からの Andrew
君は英語も算数も成績がよかったので、
入った division
は2年生と3年生の混成クラス。
英語も算数もできない子は1年生との混成 division に配属された。
息子はというと、まだ英語がほとんどしゃべれないが、算数は
よかったので、純正2年生
division に残った。
要するに、実質的に飛び級と留年である。ただ通知表などでは
依然として年齢に対応する学年が記入されているので、留年とか
は言わない。そうすると同じ
division
に異なる学年の学生が入れ
混じっているから、「何年何組」という呼び方はできなくなり、全校
でまとめて
division に通し番号とつけざるを得なかった。
カナダの教育制度に対しては、自由放任の度合いが大きすぎ
るなど、不満はいろいろあるが、でもできない子に無理強いしな
い代わりに、伸びる子をできるだけ伸ばす環境を整えているとこ
ろはさすがだと感心する。知り合いの香港移民の子は高校生で、
成績はずば抜けていた。学校では講義の難易は他の生徒に合
わせないといけないので、彼には特別な教育できないが、教育
委員会のバスが毎週数回やってきて、彼のような生徒を別のと
ころ集めて高度の教育を行っている。
それに引き替え、某国では欧米に見習え、と「ゆとりの教育」を
称するものの導入に一生懸命だが、中身はできる子も馬鹿にす
る「愚民教育」としか思えない。「πは3まで」と聞いたときは私は
絶句した。文部省は受験産業の回し者かと疑いたくなるのは私
だけではないだろう。いくら子供の数が減ったからといって、そ
こまでして子供たちを塾に追いやらなくてもいいじゃないか。