講 義 等 の 内 容
線形代数1
本科目では線形代数の基本を解説する.高等学校では2次元の行列を学んだがそれの延長線上にあるものである.工学分野をはじめ諸分野へ幅広い応用を持つている.内容は連立一次方程式,座標平面と座標空間のベクトル,行列と行列式,正則行列と逆行列等である.
線形代数2
本科目は線形代数1に引き続くものである.内容は数ベクトルの一次結合,部分空間,一次独立と一次従属,次元,線形写像,行列の階数,連立一次方程式と線形写像,内積と直交行列,実対称行列の対角化,実2次形式と2次曲面等である.
線形代数演習
本科目では線形代数1,2の内容について演習を行う.講義を理解するためには学生が自力で練習問題を解く努力が必要である.内容は行列と行列式,数ベクトルの一次結合,部分空間,一次独立と一次従属,線形写像,内積と直交行列,実対称行列の対角化等である.更に抽象ベクトル空間に対しても上記の事項を学び無限次元空間での解析の準備とする.
解析1
数学の初歩的な内容から解析学の基本となる微分積分までを、応用と関連づけながら講義する。
1.関数とグラフ 2.三角関数と複素数(正弦波・進行波・定在波) 3.対数と周波数特性への応用 4.微分と最適化への応用 5.積分とその応用
解析2
現代の数学の多くの分野および自然科学、情報科学、工学の各分野は 微分積分学の基礎の上に成立しており、現代の科学の理解には微分積分学の理解が不可欠である。解析2では多変数の微分積分学に焦点をしぼって講義する。主な内容は、偏微分、全微分、連鎖律、多変数関数のテーラーの定理、多変数関数の極値問題、陰関数定理、条件 付き極値問題、重積分の変数変換、重積分の応用等である。
微分方程式
微分方程式は理論物理、工学等の言葉として有用である。この講義では微分積分学の基礎を前提にして、常微分方程式の求積法について講義する。主な内容は変数分離形、同次微分方程式、線形微分方程式、 完全微分方程式、リッカチ微分方程式、クレーローの微分方程式、演算子法による定数係数線形微分方程式の解法等である。時間的余裕が あれば、常微分方程式の解の存在と一意性についても触れてみたい。
現代幾何学
命題計算の初等原理を学び、ユークリッド幾何学の論理的展開を学習する。同時に、双曲型非ユークリッド幾何学の基礎も学び、ユークリ ッド幾何学との対比を主流に高等学校教育に現れる幾何学を、高等数学的観点より再考する。座標系の導入とその厳密な意味について考察 し、その応用を述べる。また、ユークリッド幾何学、非ユークリッド
幾何学の情報数学への応用も論じよう。
応用代数学
群論、環輪の定義を復習の上、多項式、代数方程式論への応用を学習する。主な内容は、実数体、多項式環、環の拡張、ガロア群、また、 初等代数、幾何学への応用として5次方程式の非可解性、角の3分割の不可能性などを論じる。また、自然社会への応用として、自然言語 論、情報工学への応用などについても考察する。
応用幾何学
現代幾何学で学習した幾何学より一般的で高度な幾何学を学習し、ユークリッド幾何学を更に広い視野より眺め、その現代数学における位 置をより深く理解する事を目的とする。内容は、曲面上の幾何学、位相幾何学の初歩、多様体上の幾何学、測地線等、また、これら異なっ た幾何学の力学、情報理論等への応用も論じる。
確率統計
世の中に存在する様々な偶然からある法則を見いだし,その法則性に基づいて現象を説明したり,一部分から全体像を推量したりするの が,確率・統計の目的である.本講義では,まず場合の数を数え上げることから始め,ある現象が起きる現象を基に定義できる確率変数の 概念を明らかにする.次に,その変数がどのような分布に従うかという確率分布の性質について講義する.さらに,推定手法の代表的な方 法として知られている,点推定,区間推定,最尤推定についても触れる予定である.
物理学1
工学や科学技術の多くの分野で共通の基礎をなす物理学の基本法則を解説し、簡単な例題によってその適用方法を講述する。物理学1では、力学の基本法則であるニュートンの運動法則を取り上げる。質点の運動にこの法則を適用して、運動方程式の設定の仕方と解き方(数値的方法を含む)の基本を学び、物体に働いている力と物体の運動の関係を調べ、そのことを通して、運動法則そのものの理解を深める。併せて、運動量、力学的エネルギー、角運動量等の基本概念を学ぶ。
物理学2
物理学1に継続し、質点系の力学、剛体の力学、熱力学を学ぶ。多数の質点から成る系にニュートンの運動法則を適用して、質点系全体としての運動(重心運動と全体の回転)と質点系の内部運動に分けて取り扱う方法を説明した後、剛体の力学へ進む。熱力学では、膨大な数の原子や分子から成る巨視的物質の状態変化を取り扱うことをまず強調し、絶対温度、熱、内部エネルギー、エントロピー等の概念と熱力学第1、第2法則を解説し、その基本的な適用の仕方の学ぶ。
物理学演習
物理学TとUの講義内容に合わせて、逐次重要な演習問題を課していく。講義ノートやテキストを参考に、自分自身の力や友人との議論によって解答をするように促し、黒板を使っての発表や、レポートの提出を求める。各人の実力に合わせて、個別的な指導や助言をも行なう。
物理学実験
物理学1と2の講義内容に合わせて、逐次重要な演習問題を課していく。講義ノートやテキストを参考に、自分自身の力や友人との議論によって解答をするように促し、黒板を使っての発表や、レポートの提出を求める。各人の実力に合わせて、個別的な指導や助言をも行なう。
基礎電磁気学
身のまわりには電気・磁気を利用した器具があふれている。また、情報の伝達、記憶、処理には電磁気現象が最もよく使われている。しかし、場の概念の理解に関わって、電磁気学は力学に比べてとりつきにくい。そこで、できるだけ直感的なイメージを描き得るように講義を進める。まず、静的な電界・磁界と定常電流を取り上げ、次に、時間的に変動する動的電磁現象を取り扱い、最後に、一様な物質中のマクスウェル方程式へとまとめる。
量子論
最近は量子力学に基礎を置く科学技術の発展が著しい。この講義は量子力学の入門として行なう。まず光や電子の波動性と粒子性を統一する量子力学の基本的な考え方と対象の捉え方を述べる。次に、それらになれるために、代表的な量子論的現象を示す1次元系の例題をいくらか取り上げ、シュレディンガー方程式の解からそれらの状態や運動、物理的性質を読みとる方法を解説する。最後に、これらの結果をおし拡げ、実際の問題の定性的理解の仕方を説明する。