10キープログラミングによるコンピュータ教育

情報化社会の進展に伴い,情報技術の基本的な原理を社会常識とすることの重要性が指摘されています. 10キープログラミングの仕組みを通じて,視覚障害の有無によらず, 移動ロボットのプログラミングを通じてコンピュータの動作原理を理解するための教材について研究開発を行っています. 個々のプロジェクトは以下の通りです.

関連リンク

概要

移動ロボットのプログラミングを通じて,小中高生がコンピュータの動作原理を学習するための教材等の研究開発を行っています. 特に,視覚障害の有無に関わらず利用可能なものを目指しています. 簡単にプログラミングと試行錯誤が可能な10キー型の入力装置を用いている点が特徴としてあげられます.

何を目指しているか

初等中等教育の段階において,視覚障害の有無に関わらず,コンピュータの動作原理を学習し, 情報技術の基本的な原理を社会常識にしていくことです. これを通じて,コンピュータにできることとできないことなどを理解し,道具をよく理解して使えるようになることを目指しています.

現在の状況
教材の移動ロボットの図
教材の移動ロボット

現在は,PCのソフトあるいはAndoroidアプリ+移動ロボットという形で実現しており, 音声合成による読み上げなどにも対応させていますが, より学びやすく,使いやすく,入手しやすい教材の実現を目指しています.

主な共同研究先,関連・協力機関等
  • 福岡工業大学 木室研究室
  • (公財)九州先端科学研究所 生活支援情報技術研究室
  • 福岡視覚特別支援学校
研究発表・関連資料等
論文誌
  • 木室, 家永,晴眼盲弱を区別しない利用性を備えた10キープログラミング教材の開発と実践,情報処理学会 論文誌デジタルプラクティス, Vol.4,No.2,pp.26-35,(2023.04)
  • 家永,寺岡,木室,沖本,移動ロボットと携帯端末を用いた視覚障害のある児童生徒のためのコンピュータ機器の動作原理教育,日本ロボット学会誌, Vol.33, No.3, pp.164-171,(2015.04). (link
  • 家永,江頭,寺岡,木室,山口,沖本,移動ロボットとテンキーパッドを利用する視覚障害のある児童生徒のためのプログラミング教材,電子情報通信学会論文誌D, Vol.J98-D,No.1,pp.52-60, (2015.01). (link
  • 木室,寺岡,家永,八木,沖本,視覚障害のある中高生のためのロボットを用いたプログラミング教育,電子情報通信学会論文誌 D, Vol.J95-D,No.4,pp.940-947, (2012.04). (link
国際会議
  • Y.Kimuro, T.Takiuchi, K.Furusato, T.Ienaga and S.Okimoto, Proposal of “micro:bit PC” Powered by Numeric Key Programming for both Visually Impaired and Sighted Elementary School Students, The 18th Int. Conf. on Computers Helping People with Special Needs (ICCHP2022) - AAATE2022, pp.355-362, (2022).
  • Y.Kimuro, T.Ienaga and S.Okimoto, Numeric Key Programming: Programmable Robot Kit for both Visually Impaired and Sighted Elementary School Students, The 17th Int. Conf. on Computers Helping People with Special Needs (ICCHP2020), pp.364-370, (2020).
研究会等
  • 木室, 牟田口, 酒井, 家永, 10キープログラミング教材による地域ICTクラブの実践, 情報処理学会 情報教育シンポジウム SSS2019,(2019.08).
  • 木室, 家永, 川下, 岩金, 晴眼盲弱を区別しない直感的なプログラミングロボット教材, 情報処理学会 第81回全国大会,(2021.03)
  • 晴眼盲弱を区別しない小学生向け非教育用プログラミング言語とロボット教材 木室義彦, 家永貴史, 沖本誠司 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会
  • 晴眼盲弱を区別しない初等プログラミング教材 木室義彦, 家永貴史 平成30年電気学会全国大会論文集
  • 視覚障害のある児童生徒を取り巻くIT環境の調査 木室義彦, 家永貴史, 寺岡章人, 沖本誠司 電子情報通信学会技術研究報告
  • 江頭,井出,寺岡,家永,山口,木室,視覚障害をもつ児童生徒のための携帯電話I/Fを想定した移動ロボットプログラミング教材,信学技報 WIT,Vol.113,No.77,pp.19-24, (2013.06). (link
  • 江頭,家永,木室,視覚障害をもつ児童生徒のための移動ロボットプログラミング教材,第31回計測自動制御学会九州支部学術講演会,pp.225-226,(2012.12).
外部資金
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 晴眼盲弱を区別しない短時間修得・他科目援用可能な初等中等プログラミング教育教材,17K00992, 2017-2020,分担者
  • 電気通信普及財団,視覚障害をもつ児童生徒のための携帯電話を介したロボットプログラミング教育の可能性,2012-2013,分担者
  • 立石科学技術振興財団研究助成,視覚障害をもつ児童生徒のための移動ロボットを用いたプログラミング教育,2012,分担者

概要

10キープログラミングをmicro:bitに展開し,移動ロボット以外での利用の可能性も検討しています.

何を目指しているか

micro:bitのセンサや無線機能を利用して,移動ロボット+αの学びができるような教材を目指しています.

現在の状況

micro:bitのセンサや無線機能の利用,データロガーとしての動作などを,10キープログラミング環境で実現しています.

主な共同研究先,関連・協力機関等
研究発表・関連資料等
  • 瀧内, 木室, 家永,10キープログラミングーmicro:bitロボットカーを使用した初学者向けプログラミング教材ー, 第41回日本ロボット学会学術講演会,(2023.09).
  • 木室, 瀧内, 家永,micro:bit PC-10キープログラミングによる無線通信の学習教材-, 情報科学技術フォーラム講演論文集 (FIT),(2023.08).
  • 木室, 古里, 瀧内, 家永,micro:bit PC ‐10キープログラミングによるデータロガーと無線通信‐,情報処理学会第85回全国大会,(2023.03).
  • 瀧内, 木室, 古里, 家永,10キープログラミング -micro:bit ロボットカーのセンサの改良-,日本機械学会ロボット・メカトロニクス講演会 ROBOMEC2022,(2022.06).
  • 木室, 瀧内, 古里, 家永, 10キープログラミングロボットシステム -micro:bit によるデータロガーの実現, 日本教育工学会,(2022.05).
  • 木室, 瀧内, 古里, 家永, 晴眼盲弱を区別しないmicro:bitロボットプログラミング環境-命令セットとセンサの改良-, ロボティクスシンポジア ,(2022.03).
  • 木室, 古里, 家永,晴眼盲弱を区別しない,PC を使わない micro:bitプログラミング環境の提案, 情報教育シンポジウム,(2021.08).
  • 古里,木室,家永,10キープログラミング -PCを使わない micro:bit プログラミング-, 日本機械学会ロボット・メカトロニクス講演会 ROBOMEC2021,(2021.06).
外部資金
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 晴眼盲弱を区別せず小・中・高で連携可能なプログラミング教材,23K02826, 2023-2026,分担者

概要

10キープログラミングをドローンに展開し,移動ロボット以外での利用の可能性も検討しています.

何を目指しているか

10キープログラミングのプログラムの対象をドローンにしても,移動ロボットと同様の学びができる教材の実現を目指しています.

現在の状況

逐次処理や繰り返し処理については移植済みで,いくつか実験授業やイベントで検証を行ってきています.

主な共同研究先,関連・協力機関等
研究発表・関連資料等
  • 古里, 瀧内, 岩金, 木室, 家永, 視覚障害のある児童生徒のための 10 キープログラミング ドローンのコード提示, 電気・情報関係学会九州支部連合大会,(2022.09).
  • 木室,岩金,家永, 10キープログラミング -晴眼盲弱を区別しないドローンプログラミング教材-, 情報処理学会第83回全国大会,(2021.03).
  • 岩金,堤,家永,木室, 視覚障害をもつ児童生徒のための10キープログラミング環境のドローンへの拡張, 第38回計測自動制御学会九州支部講演会,(2019.11).
外部資金
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 晴眼盲弱を区別しない初等プログラミング環境のドローンへの拡張,20K03240, 2020-2023,分担者

概要

10キープログラミングの仕組みを維持しつつ,様々な用途に合った入力インタフェースの展開と機能追加について検討を行っています.

何を目指しているか

10キープログラミングの仕組みを維持しつつ,プログラムの入力方式を工夫することで,より多くの人が使えるものにしたり, 学べる内容を増やせるように試みています.

現在の状況

走査入力方式を利用しボタン1つで10キープログラミングを行う環境の構築や変数を取り扱うための機能拡張などを行ってきました.

主な共同研究先,関連・協力機関等
研究発表・関連資料等
  • 家永,木室, 10キープログラミング教材の拡張 ‐走査入力方式による1ボタンプログラミング‐, 計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会SSI2021,(2021.11).
  • 家永,木室, 10キープログラミング教材の機能拡張とハードウェアの変更, 第20回情報科学技術フォーラムFIT2021,(2021.09)