Plamo Linux on Toshiba notePC


Linuxを使ってみよう
- 福岡工業大学の学生用ノートパソコンに入れた Linuxの始め方 -

                                                  2001.3.14
                                                  田中卓史@情報工学科
                                                  tanaka@cs.fit.ac.jp
<基本操作>

1. あらかじめ、nobita, shizuka, suneo, jaian のアカウントが作ってある。
   それぞれ、ウインドウマネージャ fvwm95, after_step, kde, gnomeをセット
   している。説明にウインドウマネージャfvwm95を使うので、nobitaで login
   してね。

2. ターミナルウインドウが3つ開いている。ウインドウの中にカーソルを入れる
   と、ウインドウの再上部のタイトルバーが青くなり、キー入力を受け付けるよ
   うになる。カーソルをタイトルバーの上において、左ボタンを押してカーソル
   を動かすと、ウィンドウを好きな場所へ移動できるよ。

3. 別のターミナルウインドウで ls[Enter] (lキー、sキー、Enterキーを順に押
   す)や、ls -l[Enter]、ls -al[Enter] と打ってみよう。また、ll[Enter], 
   lm[Enter]も打ってみよう。現在のディレクトリにあるファイルなどがみえる
   のだ。cd ..[Enter]、pwd[Enter]、cd[Enter]もやってみよう。

4. man man[Enter]と打ってみよう。manいう名前のコマンドのマニュアルが見える
   のだ。ここで[Enter]キー、スペースキー、q キーを打ってみよう。
   man ls[enter]、man cd[Enter]、man pwd[Enter] なども打って見よう。
   llや lmは自作のコマンドで、man ll[Enter]、man lm[Enter]はないのだ。

5. CtrlキーとAltキー、Fnキーを同時に押し下げたまま、+ キーを何回か押して
   みる。画面の大きさを3段階に切替えることができる(12インチモデル)。
   (これをやると、このマシンはたまにハングすることがある-原因不明)。


<終了の操作>

1. カーソルを背景の部分に移し、左クリックするとポップアップメニューがでる。
   一番下のExit Fvwm95で左ボタンをはなすと、確認のウインドウがでる。ここで
   Logoutボタンを押すとウインドウマネージャが終了し、白黒の画面になる。

   ペンギンマーク、Shutdown、Quit Fvwm95でも確認ウインドウがでるよ。お勧め
   できないけど、うまく終了しないときは Ctrl + Alt + BackSpace で強引にウ
   インドウマネージャから飛び出せる。

2. exit[Enter]と打つとlogoutできる。

3. login: プロンプトがでるので、halt[Enter]と打つと終了処理が行われ電源が
   切れる。

4. うまく終了できないとき、Ctrl + Alt + Del でリセットできる。これも効かな
   いときの最後の手段は電源スイッチしかない。


<MP3-Playerを使う>  → <配布後に判明した不具合>参照

1. カーソルを下の方に持ってゆくと、多くのボタンが並んでいる。さらに、右側に
   持って行くと、MP3-Playerのボタンがあるので、カーソルを合わせてマウスボタ
   ンを押してみよう。画面のどこかにXMMSという名前のMP3プレーやが現れている。
   プレーヤの上向き矢印で自分のディレクトリが見えるので、Sampleを選び、mp2
   や mp3 の拡張子の付いたファイルがあれば了解ボタンを押してみよう。
   (~/.fvwm95rc のMP3-playerに付いてるコメント印#を外しておく、12インチ
   モデルの場合は画面が大きいのでxloadの#もはずしておこう)

2. mp3だと音楽データを1/10位に圧縮できるよ。wav --> mp3 変換できる「午後の
   コーダ」も入れてる。ためしに、gogo[enter]と打ってみよう。

<音楽CDを聞く>  → <配布後に判明した不具合>参照

1. 音楽CDをCDトレーにセットする。

2. CD-Playerのボタンを押すと Gripというプログラムが起動する。これはCDを鳴ら
   すだけでなく、音楽を wavでも mp3でも蓄えることのできるすぐれものだ。


<ネットワークにつなぐ>

マシン名(入力促進記号の前半分)が HomeAloneとなっているときは、ネットワーク
につながずにスタンドアローンで使う設定になっている。

マシン名がDHCPの場合はネットワークケーブルで学内の情報コンセントにつなぐと
ネットワークにつながるよ。

マシン名を変えるにはスーパーユーザになって(rootでloginして)、set-dhcp ある
いは set-alone のコマンドを実行し再起動すればよい。

DHCPの設定でもスタンドアローンで使えるが、ネットワークからIPアドレスを取ろ
うとするため、起動に少し時間がかかるかも。


<ネットサーフィンをする>

カーソルを画面の下の方に動かして、Netscapeボタンをクリックする。あとは
Netscapeの画面のボタン操作とキーワードでインターネット上の情報がなんでも取
り出せるのだ。


<電子メールを使う>

fvwm95のウインドウマネージャ(nobitaが使用)が開くと、Sylpheedという名前のメ
ーラのボタンがある。このボタンを押して、現れたウインドウの設定のボタンを押
して、メールアカウントの登録や、メールの送受信のサーバを設定すると、メール
が使えるようになる。他のWindow Managerでも、sylpheedとコマンドを打てば使え
るよ。自分のメールアカウントや使えるメールサーバの名前は情報処理センターで
尋ねよう。

Netscapeボタンを押して、開いたウィンドウの右下のメールのボタンを押すことで、
同じような感じでメールの読み書きを行うこともできる。

emacsの好きな人は mew というメーラを使っている。emacsを起動して、[Esc]、
x、 mew と打って起動する。 

私が好きなのは最も原始的なメーラーだ。単にmailコマンドでメールの読み書きが
できる。この場合、日本語のタイトルは読めないのと、添付ファイルの処理が自動
でできない。添付ファイルを切り出し、mimencode コマンドか、encdecコマンドで
元のファイルを復元できるよ。


<おためしのアカウント>

マシンをすぐ使ってみることができるように、あらかじめ次のアカウントを作って
いる。

nobita   <--  Fvwm95 という Slackware 標準の Window Manager を使ってる。
              良く使うアプリケーションを大きなボタンで起動できるようにした
              けど、時間不足でポップアップメニューの設定は不完全のままだ。
              自分のディレクトリにある .fvwm95rcを編集してカスタマイズでき
              る。軽快で色々できて田中のお勧めだ。

shizuka  <--  After Step という Window Manager を使ってる。基本に徹して、
              遊びの要素がないのでやや静かで寂しい。Plamoのお勧めだ。

suneo    <--  KDE という Window Manager を使ってる。機能がリッチで色々でき
              そうだけど、私はインストールしただけで、使い込んでいない。

jaian    <--  Gnome という Window Manager を使ってる。マルチメディア指向で
              時々音もでる。大きなソフトウェアで起動に時間がかかる。これも
              インストールしただけで、使い込んでいない。

root     <--  Twm を使ってる。管理者用でマシンの設定や新たなアカウントの登
              録につかう。このアカウントで作業するとなんでもできるため、不
              注意でマシンを壊してしまう。それで、普段はなるべく使わないの
              がよい。


<アカウントを登録・削除する>

好きなWindow Managerをきめたら、rootでloginし、adduserコマンドで自分の
アカウントを登録する。大学の情報処理センターのアカウントと同じにしておくと、
ネットワークの利用時に多少便利かも。自分のマシンなので、幾らでも好きな名前を
登録できるよ。

アカウントを削除するには userdel <アカウント名> を使えばよい。ただし、消し
たアカウントのディレクトリはそのまま存在している。消したければ、
rm -rf /home/<アカウント名> を実行すればよい。


<漢字を入力する>

コマンドレベルや viエディター、Netscape使用時は、変換キーか、Shifキーと
Spaceキーを同時に押すとローマ字漢字変換モードになる。Spaceキーで変換し、
Enterキーで確定だ。英数字モードに戻すには、もう一度ShifキーとSpaceキーを同
時に押すとよい。 emacs(mule) では Ctrlキーと\キーか、Ctrlキーとoキーで
漢字入力に変わる。もう一度押せば英数字モードに変わる。


<プリンターを使う>

DinSub25pinコネクターにポストスクリプトプリンターをつなぐと、Netscape や、
TeX, gimp などのプリンターボタンを押すことで出力できる。ポストスクリプト
プリンターの名前はlpだ。EPSONプリンター(PM820-3300C)のドライバーも入れとい
たから、自宅で利用できればプリンター名をPM820_3300Cにすればよい。

プログラムのようなテキストファイルを出力したいときは prnコマンドを使うと好
きなサイズでプリントできる。ただし、これはポストスクリプトプリンター専用だ。
(例) prn -j -V80-60 -t <ファイル名>[Enter] と打てば、英数80字(漢字40字)、
60行でA4用紙に印刷できるのだ。


<Windows のファイルを操作する>

Windows ME から Linux側のファイルは見えないけど、Linux側からは見えるのだ。
WindowsのCドライブは /dosc の下に、Dドライブは /dosd の下に見えてるよ。
試しに cd /dosc[Enter]、ls -al[Enter] をやってみよう。Windows の Cドラ
イブにあるファイルやディレクトリーが見えるのだ。cat <ファイル名>[Enter]
でファイルが出力されるけど、MSのアプリケーションのファイルは読めない。
/usr/local/contrib の中にwordのファイルを読むプログラムがあったかもしれ
ない。

スーパーユーザ(rootでログイン)になると、/dosc や /dosd に書き込むことも
できるよ。

Windowsではsjis漢字コードを使っている。一方、LinuxはEUC漢字コードやjis漢
字コードを使ってる。Windowsとデータをやりとりするときは、nkf コマンドで変
換するといい。man nkf[Enter] とやって使い方を学ぼう。


<MS-DOS(Windows) のフロッピーを読み書きする>

man mcopy[Enter] をやってみよう。


<ユーザ領域が足らなくなったら>

/usr/local/contrib に沢山のアプリケーションが圧縮して入っている。Windowsの
C や Dドライブが空いておれば移してしまう。スーパーユーザになって、
cp -r /usr/local/contrib /dosd[Enter]
rm -rf /usr/local/contrib
とやると、数100MB位空けることができる。


<アプリケーションを思いつくまま紹介すると>

cc(gcc): C のコンパイラーだ。
   (例) C のソースプログラムファイル xxxx.c を作り、次のように
        コンパイルを行うと、
        $ cc xxxx.c[enter]
        a.outという名前の実行可能なファイルができている。
        $ ./a.out[enter]
        で実行できる。コンパイル時にライブラリの参照が必要な場合は
        $ cc xxxx.c -lm[enter]
        などのように書く( -lm はプログラムがsin(X)などの数学関数を含む場合)。

xv:     たいていの画像はxvで見ることができる。画面のキャプチャーや保存形式
        の変換もできる。

gimp:   ほぼ photoshop の機能を持っている。今年の年賀状はgimpで作ったのだ。

gnuplot: ファイルに蓄えた計算結果を簡単に2次元、3次元のグラフに表すことが
        できる。SampleにGnuplotで書いた画像を置いている。使い方の本もでてる。

gv(Gohstview): ポストスクリプトの画像を見るのに便利だ。私は回路図をポストス
        クリプトで書いている。これもSampleディレクトリに置いている。ps2epsi
        コマンドでpsファイルをepsiファイルに変えると、TeXに取り込める。
        Sample に epsiの拡張子のファイルを置いている。

platex: 卒論を書くときに役立つよ。本が沢山でてる。

Tcl/TK: 簡単にボタンが作れる。本が沢山でてる。

yacc/lex, bison/flex コンパイラ・コンパイラだ。Cのプログラムと組み合わせて
        コンパイラ自体を書けるのだ。これも本で勉強しよう。

picasm: PIC16のクロスアセンブラーだ。サッカーロボットを作るのにこのマイク
        ロプロセッサーを使ってる。ほかに H8のCコンパイラーも入れてる。
        PIC関連の本と /usr/doc を合わせて見れば使い方がわかる。

spice3: 回路シミュレータだ。

verilog: デジタル回路の設計に使う。

xcircuit: 回路図を書くのに使ってる。

gprolog(GNU-Prolog): 私の一番好きなコンピュータ言語だ。ロジックプログラミ
        ングができる。普通のコンピュータ言語に飽きたら始めよう。フローチ
        ャートを書くプログラミングとはまるで違うのだ。ソースファイルに手を
        加えて、漢字コード(EUC)も扱えるようにしてる。使うときは.bashrcの中
        のパスのコメントを外しておこう。

java:   .bashrcの中のパスのコメントを外して /usr/local/jdk1.2.2/demo の中
        を色々動かしてみよう。
  (例1) cd /usr/local/jdk1.2.2/demo/jfc/Java2D
         java -jar Java2Demo.jar
  (例2) $ cat hello1.java
         public class hello1{
           public static void main(String[]args){
           System.out.println("Hello, World!"); } }
         $ ll
         -rw-r--r--   1 tanaka   users  419   hello1.class
         -rw-r--r--   1 tanaka   users  110   hello1.java
         $ java hello1
         Hello, World!

<contribのアプリケーションをインストールする>

まだ解凍してないアプリケーションが /usr/local/contrib に沢山入っている。
installpkg <ファイル名>[Enter] でインストールできる。全部入れたらディスク
が満杯になる。Linuxは善意のプログラムの宝庫なのだ。


<Linuxで困ったら>

コマンドの使い方はまずmanで調べよう。manになくても単にコマンドを打てば説明
がでるのもある。コマンドに限らず、解らないことは適当なキーワードをtknamazu
にセットしてみよう。/usr/doc も探して見よう。このマシンの中に大抵の答えは
あるのだ。それでもわからないときはネットワーク上に答えがある。Netscapeを起
動して、検索エンジンにキーワードをセットして答えを探させればよいのだ。これ
だけのことをやっても答えが得られないときの最後の手段はLinuxのメーリングリス
トに加わって質問するとよい。誰かベテランが答えを教えてくれる。このディスト
リビューション(Plamo) のメーリングリストもあるよ。


<配布後に判明した不具合>

このホームページの参照に拡張子.htmlを付けるのを忘れてた。
http://www.fit.ac.jp/~tanaka/linux.html で見ると、多少は読みやすくなる。

最近のデジカメは画素数が多く、1280x1024などの像は現在のX-windowの設定では画
面に収まらない。卒論をTeXで書いて、xdviで見ようとすると、同じく画面に収まら
ない。
/etc/XF86Config を開き、Section "Screen"の
     Subsection "Display"
        Depth       16
        Modes       "1024x768" "800x600" "640x480"
        ViewPort    0 0
        #Virtual     1600 1280
の#を取り除けば、1600 x 1280 の大きな仮想画面となり、大きな画像も画面におさ
まる(この設定ができるのは12インチモデルのみ、13インチモデルは画像メモリが足
らずできない)。

nobitaでloginしたとき、本来表示されるはずの MP3 や音楽 CD-rom のアイコン
が表示されていない。表示されるようにするには、自分のホームディレクトリ
にあるファイル .fvwm95rc を開いて、

#*FvwmButtons CD-player  color_chart.xpm  Exec "CD-Player" grip -d /dev/cdrom
#*FvwmButtons MP3-player  fruit.xpm       Exec "" xmms

の行の先頭に付いている # を取り去れば、MP3 や CD-rom で音楽が聞ける
ようになる。

mule (emacs) で仮名漢字変換をやるとき、skk(ctrl + \)は良いが、canna
(ctrl + o) がうまくない。~/.Xdefaults を修正する必要がある。

イーサネットにつないで起動すると、DHCPの応答を待ったまま止まってしまうこと
がある。ケーブルを挿さずに起動し、起動後にケーブルをさすか、スタンドアロー
ンの設定に変え(suと打ち、パスワードを入力後、set-aloneと打つ)起動後にスーパ
ユーザとなり(suを打ち) /sbin/dhcpcd & を実行すればよい。

<新しいアプリケーション>

まず、netscapeを新しくしておこう。
--> http://wp.netscape.com/ja/downloads/index.html

古い netscape のlinkを切り、新しいリンクを作る。
$ rm /usr/local/bin/netscape
$ ln -s /usr/local/netscape/netscape netscape
これで、 windowのアイコンから起動できる。

このマシンで動作するmpegムービープレーヤがあったので、
ここ
に置いている。これを自分のマシンに持って来て、
$ tar xvzf linux-pc.tgz[enter]
をやると、linux-pcという名前のディレクトリーができる。
$ cd linux-pc[enter]
で、linux-pcに入り、
$ ./INSTALL-mpegtv[enter]
を実行すると、以下のコマンドでmpeg-1のムービーを見ることができる。
$ mtvp xxxxx.mpg[enter]

うまくインストールできたかテストするには、 
ここ
を開いて見よう。mpeg-1 ムービーファイルを幾つか置いている。


<カーネルを最新版にする>
まずlinux-2.4.21.tar.gzを持ってくる。
次に、以下の手順を実行する。
su
cp ./linux-2.4.21.tar.gz /usr/src
cd /usr/src
rm linux
tar xvzf linux-2.4.21.tar.gz
ln -s linux-2.4.21 linux
cd /usr/src/linux
ネットワークカード、サウンドカードのドライバは次のxconfigのメニューで組み込む。
make xconfig
make dep
make clean
make bzlilo
モジュールに印を付けた場合は:
make modules
make modules_install
depmod -a
cp /usr/src/linux/System.map /boot
を実行し、/etc/rc.d/rc.modules
を追加・修正することで、必要なモジュールを起動時に組み込みます。

rebootすれば、新しいカーネルで動きますが、もし、動かなくなった場合は
install時に作ったFloppyで起動し、以下の手順でカーネルをもとに戻します。
cd /
mv vmlinuz.old vmlinuz
cd etc
lilo
reboot

_home

田中卓史 _since May 2003