






大学院工学研究科生命環境化学専攻1年(修士)
(2026年1月取材時)
塩化アンモニウムを用いた下水汚泥焼却灰内の重金属類選択除去
下水処理の過程で発生する下水汚泥焼却灰からリンを回収し、資源化する研究に取り組んでいます。農業用肥料、半導体、電池、医薬品などに欠かせないリンは今日、その原料となるリン鉱石を100%輸入に依存している状態です。しかも、有害成分を含まない高純度の鉱石は世界的な枯渇が懸念されています。人口が多く、下水道インフラが完備された日本では、多くのリンが含まれる下水汚泥が安定的に発生しており、その焼却灰は、天然資源の少ない日本にとって有望な資源といえます。私が生命環境化学科へ入ったのは、もともと地理学が好きで、世界各地の資源状況に関心を持っていたことがきっかけです。そこからエネルギー、リサイクル分野へも興味が広がり、生命・環境・物質などを多角的に学べる生命環境化学科への入学を決めました。久保研究室を選択したのは、1年次に受講した久保先生の環境・資源・リサイクルの講義がとても面白かったからで、取り組みがいのある研究ができると確信して志望しました。
指導教員の久保先生はとても個性的で、質問もしやすくいつも適切なアドバイスをしてくださる先生です。研究室には現在(2026年1月)、研究員1名、大学院生7名、学部4年生8人が在籍しており、大所帯ながらも和気あいあいとした雰囲気の中で、全員が研究に取り組んでいます。優秀な先輩方が多く、気軽に相談しながら研究に取り組める環境も魅力の一つです。私自身、研究に専心するなかで成長を実感することもできました。効率的に実験を進められるようになり、併せて資料作成能力、論理的思考力、プレゼンテーション力が向上したと自負しています。今後は、ビーカースケールの実験でなく工場で行うような大型機器を用いた実験に挑戦し、より実用化を意識した研究ができればと考えています。また修了後は、貴金属メーカーへ就職し、技術開発などで培った知見やスキルを発揮したいと思っています。

◎修士2年生が、鉄鋼系学会の全国大会で「奨励賞」を受賞しました(2025年9月)。
◎学園祭で久保研究室が出店した「ちゃんこ鍋屋」が、模擬店のコンクールで2位に輝きました(2025年度立花祭)。

汚泥焼却灰を塩化アンモニウム処理したものを水溶液中で加熱しながら30分間攪拌・浸出させる。

汚泥焼却灰の金属浸出懸濁液を、真空ポンプを用いて吸引ろ過する操作にあたる。

電気炉でアルミナ管を加熱し、金属錯体を揮発させる実験の準備を行う。電気炉のコントローラーに、設定温度と保持時間を入力する。

炭酸水を用いたスラグの浸出実験における、六価クロム分析の前処理に取り組む。

細長い反応管に温水を流し、工場廃液から生成した黄リンを溶融させて回収する。

Ta-Nb(タンタル-ニオブ)鉱石とNH4HSO4(硫酸水素アンモニウム)を試験管に入れ、加熱しながら溶融・混合させる。

流動層装置を用い、COとCO2の混合ガス下で酸化鉄を流動・加熱させ、セメンタイト(Fe3C)を生成する。

イオンクロマトグラフにサンプルをセットし、PCで温度や流量の測定条件を設定してサンプル中のイオン濃度を測定する。



