






大学院工学研究科生命環境化学専攻1年(修士)
(2026年1月取材時)
単分散チタニアナノシートと種々のカチオンを複合化した
積層型ナノファイバー
「単分散チタニアナノシート」という非常に薄い板状のナノ材料とルテニウム錯体を組み合わせて、可視光領域で利用可能な光触媒材料の開発に取り組んでいます。ナノシートと金属錯体の相互作用を利用することで、ナノレベルで秩序だった集合構造を形成させ、その構造制御によって発現する光学特性や触媒機能を明らかにすることが研究の目的です。実験では、疎水性や静電相互作用などの物理・化学的要因を調整しながら集合構造の形成メカニズムを検討し、より高性能な光触媒材料の創出を目指しています。この研究室を選んだ理由は、DNA折り紙のような分子レベルの構造体や、ナノやマイクロスケールで歯車のような役割を持つ構造を作り出す分野に興味があり、分子やナノ材料を設計・制御しながら機能を与えていく研究に惹かれたからです。研究自体が、材料・化学・ナノテクノロジーの融合した分野横断的な内容であり、とても魅力的でした。また高度な分析装置などを用いて、多角的な評価を行いながら研究できることも選択理由の一つです。
研究室は落ち着いた雰囲気があり、先輩や同級生とも気軽に相談や議論ができる環境です。学会に参加する機会が多いことも特徴で、私自身、研究内容を分かりやすく伝えるプレゼンテーション能力が大きく向上したと感じています。研究を進めるなかで、文献の探し方や実験計画の立て方、専門的な化学知識について、「なぜそれが必要なのか」「どのように使うのか」「次の研究や結果にどうつながるのか」などを意識しながら、自ら考え、学ぶようになり、知識を研究の流れの中で関連づけて考える力も身につきました。今後の目標は、研究を進展させ、新たな触媒として社会で利用されるレベルまで高めていくことです。卒業後は企業の研究者として、化学の知識を活かした材料や触媒の研究開発に携わり、社会に役立つ技術や製品を創出したいと考えています。

○日本粘土学会で、優秀ポスター賞を受賞(2025年9月)。
○物理化学インターカレッジセミナー兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会で、優秀ポスター賞を受賞(2026年1月)。


シリンジポンプを用い、小容量のスクリュー管内で「単分散チタニアナノシートコロイド溶液」と「ルテニウム錯体水溶液」を混合する。

単分散チタニアナノシートとコロイド溶液の調製にあたり、液温を一定に保つため濾過装置に冷却水ホースを接続する。

「小角X線散乱装置(SAXS)」を用いて構造物の形状を解析する。画面は、X線をサンプルに照射して得られたデータを可視化したもの。

高コントラストな画像を得られる共焦点レーザー顕微鏡にサンプルをセットし、コントローラーを操作して構造物の形状を撮影する。

ナノシートにビオチンを修飾するために、電子天びんを用いてビオチン試薬0.0056gを正確に量り取る作業を行う。

ナノシートとアクリルアミドの混合液を、エバポレーターで濃縮。得られた濃縮液は、紫外線(UV)を照射しゲル化させる。

複数回の実験に取り組むため、マイクロピペットを用いて金属錯体の溶液を新しいスクリュー管に分注する。

シリル化した状態のニオブ酸ナノシート溶液を、手作りの装置で観察し、ナノシートの液晶性を確認する(クロスニコル観察)。



