JABEE

カリキュラムの概要とコース分けについて(平成20、21年度入学者)

1.カリキュラムの概要

 情報処理技術と情報伝達技術の進歩によって、多種多様な情報が伝達されるマルチメディア社会 を迎え、その基盤を支える情報通信技術の役割はますます大きくなってきている。
 このような時代背景のもと、本学科では情報工学と通信工学の基礎から応用までの科目によってカ リキュラムを構成し、情報通信分野の専門教育を実施する。まず、将来の社会人としての一般教養および語学力を身につけるために「教養教育科目」・「スキル教育科目」を、さらに専門教育科目を履修 する上での基礎となる数学・物理学を「基礎導入科目」および「専門基礎科目」で学ぶ。
 次に、専門教育科目では学科目別に言うと、「情報通信基礎学」で通信理論と信号処理の基礎を、 「情報通信システム学」で回路技術、伝送技術、さらに光ファイバ通信工学、モバイルコミュニケーショ ン工学を学ぶ。一方、「情報処理基礎学」では、情報処理技術およびコンピュータとネットワークの基 礎を、「ソフトウェア科学」ではプログラミングの基礎から応用、さらに Web プログラミングやネットワーク プログラミング等を学ぶ。
 以上のようなカリキュラムにより、有線・無線通信はもとより、コンピュータネットワーク技術、情報伝 送技術および信号処理技術の基礎を体系的に修得した実践的な情報通信技術者の育成を目指す。 そのために講義内容に連動した少人数ゼミナール、実験・演習、実践的なコンピュータ教育などに特 色を持たせている。
 さらに、総務省の「無線従事者」、「電気通信主任技術者」、電気通信の「工事担任者」の資格認定 に必要な科目も配置し、資格試験のための基礎的な演習を行い、実力養成を図る。情報処理関係の 資格取得に関しては、初級シスアド、基本情報処理技術者、ソフトウェア開発技術者などの資格に対 応した履修モデルを設け、自由に選択できるようにしている。

2.「情報通信先端工学コース」および「情報通信基盤工学コース」について

 情報通信工学科では、「情報通信先端工学コース」(以下、先端コース)ならびに「情報通信基盤 工学コース」(以下、基盤コース)の2つのコースを設けている。先端コースはJABEE(日本技術者教 育認定制度)に対応すべく設けられたコースである。JABEEとは、大学など高等教育機関で実施さ れている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかどうかを公平に評価し、 要求 水準を満たしている教育プログラムを認定する専門認定制度である。将来、JABEE によるプログラム 認定が「先端コース」に与えられた場合には、「先端コース」卒業生に対してのみ「技術士補」の資格 が授与されることになっています。
 先端コースを選択した学生諸君については、学習教育目標(A)〜(H)に掲げる項目を確実に修得させるべく、情報通信工学分野全般にわたって深く学習する。単に知識を修得するだけでなく、情報通信分野の問題に対し何らかの現実的な答えを導き出せるような学生の育成を目的とする。
 基盤コースを選択した学生諸君は、情報通信工学の基本的な部分をひと通り勉強できる。基盤コ ースの場合は選択科目をより柔軟に組み合わせて自分の興味に合った学習ができるという利点があるが、今後は優良企業がJABEE認定教育プログラム修了者を優先的に採用する動きも出てくるであ ろうと言われていることに注意しておいて欲しい。また JABEE 認定コース修了者には、技術士の一次 試験免除(技術士補)の特典もある。
 これら2つのコースのカリキュラムは同じであるが、卒業条件に違いがある。先端コースの卒業条件 が132単位以上取得することであるのに対し、基盤コースは124単位である。先端コースと基盤コースの違いを別表にまとめているので参考にされたい。


コース比較