福岡工業大学工学部電子情報工学科教授

川畑茂徳
KAWABATA Shigetoku
   

川畑 茂徳の研究分野

非線形力学

我々は系として核四重極共鳴を取り上げ,カオス問題に取り組んだ.古典力学系として核四重極子の運動を捉えると,電場勾配が存在しかつ外場がない場合,系は非対称なコマの自由運動に等価であり,可積分型の非線形力学の典型的な 場合になっている.その運動は周期的で,解のすべては楕円関数で厳密に記述することができる.この系にパルス外場を摂動として加えた場合,カオス的運動が存在しうるかを問題にした.

カオス的運動をする最も簡単な類似の系としてはキック衝撃のある単振り子の運動がある.摂動がない場合,単振り子の運動は周期的で,解は楕円関数で表される.この振り子に蹴り上げるような同じ大きさのキックの衝撃を周期的に加えると,振り子はカオス的運動をすることが知られている.
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確率微分方程式の基礎的研究

連続な軌跡を持つ確率過程を解析する基本的手段は伊藤清によって与えられ, その業績をたたえてこの理論は "Ito calculus"の名で呼ばれている.私は確率微分方程式の基本的性質を一意的な強い解を持つ条件の下に研究してきた.もう一つの立場としてマルチンゲール的立場がある.しかし,強い解の概念などはマルチンゲー ル問題の立場では不明確になってしまう.また,解の道ごとの一意性の保証の下で議論するほうがより強い結果が得られることがある.
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