この研究室に向いている人

以下の文章は、これから研究室配属される予定の福岡工業大学情報工学部情報システム工学科2年生に向けたものです。もしくは、大学院進学を希望する人も参考になるかもしれません。

研究テーマについては、研究についてのページなどを参考にしてください。

脳波や視線を「計測したい」「結果から何かを知りたい」人

この研究室では生体信号を扱います作るというよりは、信号計測した結果を活用して、ヒトのしくみを知ることに重きをおいています。 わかりやすく言うと、「ヒトが○○しているときの脳波や視線はどんなふるまいをするのか?」という疑問を解消しようとして研究しています。このような疑問に共感でき、いっしょに研究を進められる学生さんに向いています。 「生体信号計測のための新しいデバイスを作りたい」という学生さんには、物足りないかもしれません。

分からないことでも粘り強く考えられる人

講義と違って研究には答えや教科書はありません。やり方を自分で見つけていくものです。教員も正しい答えを知らないのが普通です。 正しい答えを知らないのにどうやって指導するのか?」と思われるかもしれませんが、「一緒に考える」ことで解決していきます。教員は正解がわからなくても、正解を見つける方法や問題を解決するための経験があるので、それをみなさんに示すことができます。 このようなやり方で研究をすすめるので、なんでも手取り足取り教えてほしいという人には不向きかもしれません。

教員や他のメンバー・先輩・後輩とコミュニケーションが取れる人

個人作業だけでは、研究はうまくいきません。教員とあなただけでなく、他の学生たちともコミュニケーションをとっていく必要があります。 例えば、頻繁にメールしてくる学生とほとんど音沙汰がない学生では、前者の学生のほうがよく学んでいきます。いつも研究室にいる人とそうでない人では、滞在時間が違うだけなのに、吸収する知識量に差が出ます。不思議ですが、なんとなく話をするだけでも様々なことが学べるものです。 同じテーマを受け持つ人だけでなく、違うテーマを扱う人からも学べることがあります。

教員としては、定期的にミーティングを設けます。ミーティングの時間以外に質問があれば、いつでも来てもらってかまいません。たくさん質問に来てくれたほうが成長します。

情報システム工学実験Ⅲ・Ⅳについて

田村研究室では、情報システム工学実験Ⅲ・Ⅳを、プレ卒研の大事な活動の一部だと考えています。そのため、多くの場合、学生さんにそれぞれ課題を与えます。情報システム工学実験Ⅲ・Ⅳの時間では、課題の進捗や調べた内容報告について、プレゼンテーションしてもらっています。課題の内容は、実験Ⅲ・Ⅳ以外の時間にやってもらうというスタンスです。 発表以外には、論文資料の探し方や、脳波計の使用方法説明などを講義することもあります。基本的には教員が一方的に教えるのではなく、学生主体で何かする時間になっています。

課題の内容について

実験Ⅲでは、最初に先輩たちからどんな研究をしているのか紹介してもらいます。被験者として実験を体験してもらうこともあります。 この研究室では、あまり「先輩の研究をそのまま引き継ぐ」ことはありません。引き継ぎがあったとしても、大事な部分は自分で考え、実験してもらいます。 そのため、ただ体験するだけではなく、「自分がこれを実際に研究するならどうか?」を考えながら参加してもらいたいです。

また、論文検索の方法を教えますので、自分で論文を探して読み、紹介してもらいます。論文紹介はプレゼンテーション形式で行います。

このように、講義形式とは全く違います。ほとんどの時間を学生に発表してもらう時間になっています。

実験Ⅳではプレ卒業研究として簡単なテーマを設定しています。実験Ⅳの時間は進捗報告が主となるので、実際の作業は実験Ⅳの授業外にやってもらっています。
具体的な内容は以下のようなものです。

  • 研究室全体への進捗報告
  • 教員と研究チームだけのミーティング
  • 機器の使用方法自主練習
  • 全体進捗報告の議事録作成
  • 3年生の時点では知らないことも多いですが、ソフトウェアや計測機器の使い方から慣れていき、4年生での卒業研究に向けて準備しています。MatlabやPythonプログラミングなども必要に応じて学んでいます。 全体的に忙しいと思うかもしれません。ですが、きちんとこなせた人はしっかりと実力がついていきます。計画的に物事を進める力もつくので、就職活動でも有利になるようです(田村の印象です)。

    卒業研究について

    この研究室の卒業研究は、「自分で計測する」→「自分で解析する」流れを大事にしています。基本的には、先輩が計測したデータを扱うようなことはありません。必ず自分で実験をしてもらいます。

    ヒトを対象にする以上、数回のサンプルを集めてもあまり意味がありません。たくさんのデータ計測が必要になります。 そのためには、4年生の一年間を有効に使う必要があります。計画的にすすめていきましょう。

    一生懸命取り組んでくれた学生さんは、3月ごろにいずれかの学会で発表してもらうことがあります。他の大学の方や企業の方から質問されたり、他研究者の発表を見たりして、刺激を受けるようです。 空き時間に少し観光もして、参加した学生さんはそれなりに楽しんでくれています。大学院生であれば、機会(とお金)があれば国際学会にも行けたらいいなと思っていますが…これは進捗と状況次第です。