研究テーマ

情報支援内視鏡外科手術システムのための人工知能ソフトウェア開発

  • -腹腔鏡下胆嚢摘出術
    National Clinical Databaseによると,腹腔鏡下胆嚢摘出術(Laparoscopic Cholecystectomy,LC)は日本で年間約12万件実施されています.一方,日本内視鏡外科学会の第15回アンケート調査では,LC症例の約0.5%において胆道損傷(Bile Duct Injury,BDI)が発生していることが分かっています.BDIの主な原因は総胆管と胆嚢管の解剖誤認にあると言われていますが,エキスパート外科医であればCalot三角における4つの解剖学的ランドマークを認識し,BDIを未然に防ぐことを暗黙知に行うことができます.本研究室では,解剖学的ランドマークを自動認識し,術者にリアルタイムで教示する人工知能ソフトウェアの開発を行っています.
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  • -腹腔鏡下胃切除術
    腹腔鏡下胃切除術は早期胃がんの外科的療法として定着しつつあります.癌細胞が粘膜下層まで浸潤している場合は,胃周辺にあるリンパ節を取り除く(リンパ節郭清)必要があります.このリンパ節郭清において,膵臓を傷つけてしまうと消化液である膵液が腹腔内に漏れる(膵液瘻)ことがあります.膵液瘻の予防に効果的な解剖学的ランドマークは,一部のエキスパート外科医のみが暗黙知に認識できていたようですが,これまで形式知化する試みはなされませんでした.本研究室では,膵液瘻を予防する解剖学的ランドマークを術中にリアルタイムに教示する人工知能ソフトウェアの開発を行っています.