教授挨拶
- 10月を迎え,大学では後期の授業が始まりました。徳安研究室でも新たな研究活動が本格的に動き始めています。
後期の始まりには,研究室恒例の「夏休みチャレンジ発表会」を開催しました。この発表会は,大学生になってから「いつかやってみたい」と思いながらも,なかなか実行に移せなかったことに思い切って挑戦し,その経験や成果を発表するものです。今年も,魚釣りや長距離ドライブ,外来生物を捕食する試みなど,学生たちの個性が光る興味深いチャレンジが数多く報告されました。
その中で,大学院生らによる審査の結果,最優秀賞に選ばれたのは「出雲大社の砂を使った砂時計の製作」でした。自ら現地に足を運び,手に入れた砂を使って一つの作品を完成させるという,発想力と行動力を感じさせる挑戦でした。
この発表会で大切にしているのは,挑戦の規模や成果の大きさではありません。自分の興味や好奇心を行動に移し,試行錯誤を重ねながら最後までやり遂げることです。研究活動においても,社会に出てからも,こうした経験の積み重ねが新しい価値を生み出す原動力になると考えています。
研究活動に関しては,このたび日本内視鏡外科学会の評議員に就任することとなりました。今回,特別枠として10名が選出されましたが,工学系の研究者は私一人でした。鹿児島大学医学部小児外科の家入聡志教授から理事推薦をいただいての就任であり,これまで取り組んできた医工連携による外科手術支援AI研究が,外科医療の発展に貢献するものとして評価されたことを大変光栄に感じています。今後は,工学の立場から外科医療の発展に一層貢献できるよう,研究活動に取り組んでまいります。
また,9月30日には,大分高校DX事業の一環として,大分中学校3年生および大分高等学校特進部1年生を中心とした生徒の皆さんに特別講義を行いました。今回は,大分大学の中沼明寛先生に宇宙への挑戦とその夢についてお話しいただき,私は医療AI研究に取り組んできたこれまでの歩みを紹介しました。
宇宙と医療AIという異なる分野ではありますが,どちらにも共通しているのは,未知の世界に興味を持ち,自らの可能性を信じて挑戦を続けることです。生徒の皆さんには,将来の夢を今すぐ一つに決める必要はなく,さまざまな経験を通じて自分の可能性を広げてほしいという思いを伝えました。
振り返ってみると,学生たちの身近な挑戦から,医療AI研究の社会実装,そして次世代を担う中高生への教育活動まで,私たちの取り組みはさまざまな形でつながっています。これからも,一人ひとりの好奇心と挑戦する気持ちを大切にしながら,研究と教育を通じて社会に新しい価値を生み出していきたいと思います。
2026年10月
福岡工業大学 情報工学部 情報システム工学科
教授 徳安 達士
