アフェクティブ・フィルターの件 1
【自己調整&やる気を上げるのテクニック】
・アフェクティブ・フィルターが高い学習者を発見する
生徒や学生が授業を受けに教室に入るときの「気持ち」は、その授業での学びの量に影響を与えます。
「ワクワクする」であれば問題なし。「だるいなぁ」であれば、授業で気持ちを変化させ、学びを進めるチャンスあり。
でも、「怖いな」「苦痛だな」「不安だな」とネガティブな感情が強いと、なかなか気持ちを変えるのは難しいです。心が学びに向いていないので学びの量も少なくなってしまいます。もちろん、怖さや苦痛の中にずっといることがイヤで、一刻も早く抜け出そうと励む人もいます。
しかしながら、そのように向かう気持ちになれない場合、長年のネガティブ感情や苦手意識から、自分で行動を起こせず、教室での学びが少なくなってしまうことがあります。
これは「アフェクティブ・フィルター仮説」と言われるものです。
さて、授業をしていると3回目あたりで、このような気持ちを持っている学生に気づきます。
というのは、私の授業は毎年多くの学生から「楽しい」「初めてわかった」という声をもらうように仕組んだものなので、「だるい」と思っていた学生でも、なんやかんや積極的に授業に参加“しちゃう”中、決して顔を上げずに参加する姿勢を見せない学生がいるからです。
そのような様子の学生に気づいたら、本当にそうかを確かめにはいります。机間巡視をしながら、解答の内容やスピードを見ます。私が近くに来ると、手で見えないようにしたり、何も書いていないのに消しゴムで消したりする様子があります。
ペアワークやグループワークをしているときの様子も観察します。ペアの学生とやる活動でも気乗りしない様子や行っていない様子がとらえられます。そのような観察から確かに苦手であることを確認します。