英語嫌いなAさんのやる気を引き出す 2

【自己調整&やる気を上げるテクニック】

・学生が考えている学習方法を聞く。その上で、より効率的な方法を提案する。その際、押し付けない。「~してみては?」と促す。
・できなかったことが、できるようになったことを意識させ、効力感を持たせる(下記エピソードの最後のところ)。

 

今回の私のクラスでは実践的な英語力を目指して、学生さんによく使われる英文を複数インプットしてもらい、定期的に口頭チェックするという活動をしています。

 

苦手な人には少しハードな課題なので課題を出すときに以下のような話をした後、学生がどのように練習しているかを把握するようにしています。

 

「同じ英語のクラスと言っても、このクラスの中にはいろいろな人がいるよね。英語が好きな人、キライな人、TOEIC受けるぞと思っている人、全くそんなこと考えていない人。 走るのが速い人とそうでない人がいるのと同じよね。だから、同じ課題に同じ練習方法、同じ練習時間でいいと思わないけど、どう? 自分がどうなのかをちゃんと客観的に見て、課題をまぁいい感じに仕上げるために自分に必要なことは何かを考えてやってほしいと思います。 英語が苦手で『覚えられない!』と言う人のほとんどは、1回だけやってみて、そう言ってることが多いかな。実際、今までたくさんそういう学生さんがいた。1回じゃできないよ、私も無理。やっぱり何回か練習がいると思うよ。 逆に得意な人は、早くに言えるようになると思うけど、言えて終わりじゃなくて、発音とかスピードとか、もうちょっと追求してみたらいいんじゃないかな。」

 

この日の授業でもこのような話をして、そして来週の口頭チェックに備えた練習をペアワークでしてもらいました。 Aさんの近くを歩いていると、「あ‘‘ー」とか「うー、言えん」など言いながら、頑張って友達と練習をしていました。

 

目線を上の方にやりながら、1語1語思い出すように言っていたので、 「まとまりで一気に言ってみる方が、頭に入れるかたまりも減るし、言いやすいかも。例えば、今さ、 I’m / tired / of / eating /(アイムゥ、タイアードォ、オブゥ、イーティングゥ) って、1つ1つ切って言ってたじゃん。じゃなくて、 I'm tired of eating, I'm tired of eating, I'm tired of eating, I'm tired of eating, I'm tired of eating, って、まとまりで何回も何回も言うの。まとまりで捉える感じ。そうしたら、インプットするまとまりが2つになるんよ。I'm tired of eating と at the cafeteria って。7つの単語を入れるより、楽じゃないかな?」 と練習の方法を提案しました。

 

遠くから様子をうかがうと、隣の学生と一緒に「おー、言えた言えた」と練習をしていました。

 

授業が終わり、Aさん達が教室を出ようとしたときに、「食べるのに飽きたは?」と声をかけると、Aさんと友達が声を合わせて「 I'm tired of eating  / at the cafeteria! イェイ。来週がんばりまーす。お疲れ様でした~。」と、笑いながら教室を出ていきました。

2023年05月10日