英語嫌いなAさんのやる気を引き出す 3
【自己調整&やる気を上げるテクニック】
・できなかったことができるようになったことを確認してあげて伝える
・手に入れたいものが何で、そのために何をしたらいいかを考えるサポートをする
定期的な口頭チェックの練習のコツをつかんだようで、Aさんが机に頭をつけて「うー、できない」と言う様子は見られなくなりました。
そして、ペアワークでの練習の際、私が近くを通ると、「先生、今回のまとまりってこんな感じでいいですか」と、自分でスラッシュをいれたテキストを見せてくれるようになりました。
合っているときは、「おぉ、全部正しいよ。そうそう、できるようになったね」と声をかけました。そのような感じで、Aさんは口頭チェックで毎回、合格点より少し上を安定してとっていきました。
学期末試験の2週間前の授業のときでした。Aさんが「先生、試験が心配です。定期チェックはどうにかやってこれたけど、学期末試験は範囲が広いから。どうしたらいいですか?」と聞いてきました。「どのように試験勉強しようと思ってる?」と聞くと、「特に考えてないですけど、まず単語をとにかく覚えて・・・って感じです」とのこと。
英語嫌いの人の特徴の1つに「英語の勉強=単語を覚える」と考えていることがあります。そして、Aさんもそう答えました。そこで、今回の授業の目的と、授業でどのようなことをやってきたかをを一緒に確認しました。すると、「あっ、じゃあ単語だけを一生懸命覚えても、あまり効果ないですね」と気づいたようでした。
形成的フィードバックの要素の1つに、Where the learner is going 「学習者が目指すものは?」をきちんと理解させることがあります。今回はその大切さに改めて気づかされました。