自己原因性を感じられる教室づくり 2
【自己調整&やる気を上げるテクニック】
・生徒・学生がワークに取り組んでいる間、先生は教室内を歩いて情報収集 → 安心感のある自己原因性づくりを
「自己原因性を感じられる教室づくり1」で、ペアワークなどの学習者間の活動による方法を紹介しましたが、強く自己原因性を感じるには、先生の介入が必要です。
ペアワークをしていたり、個別にタスクに取り組んでいたりする時間、私は教室内を歩き回り、どの学生がどんなことを話しているか、どんなアイディアを書いているか、書いていないのかを見て回り、そのあとの共有のときに答えてもらう人を決めておきます。
そして、良い意見を言っていたり、面白いアイディアを書いている学生を見つけたら、そばに行き「いいねー。あとでクラスに共有してくれる?」と小さい声で伝えておきます。
いきなり指名される恐怖感や緊張感をなくし、安心感を与えて自信をもって言ってもらいたいからです。
また、その科目に苦手意識を持っていて、だけど、とても良い意見を持っている学生がいたら、その学生にまず「あとで共有してくれる?」と声をかけます。これも自己原因性を感じてもらいたいからです。でもどうしても拒む学生もいます。そのときはもちろん強要はしません。ただ必ず、その学生のアイディアが良くて、私はとても気に入ったことを伝えておきます。
そして、1,2週間ぐらい経ったときの授業で、また良いアイディアを持っていたら、また声をかけます。すると、そのときは「わかりました」と答えてくれます。困ったような嫌そうな顔ではありません。これはおそらく、その学生と私の間に、わずかながらの信頼関係ができているからだと思います。
質問をしたり、学生の意見を聞くすべての瞬間で上記のことをしているわけではありません。
この学生にはパッと聞いても大丈夫だなと思う場合は、予告なしに言ってもらいます。その科目に得意意識がある学生や、その答えや意見を言いたそうにしている学生です。自己原因性をよく経験してきている学生ですね。
できる限り、教室にいる一人ひとりに定期的に自己原因性を感じてもらいたいと考え、このようなことをしています。