第4回AL実践研究会を開催しました(3/5)

第4回AL実践研究会を開催しました(3/5)

 平成30年3月5日(月)、第4回AL実践研究会を開催しました。本学では、平成27年度から「AL実践研究会」を開催していますが、これは、現場の教員にとって、授業でのやり方がイメージできるような、実用的で役に立つTipsを紹介しあう場とし、学生の主体的な学修を促す授業実践に活かして頂きたいという目的で、企画・開催されています。4回目となった今回は、反転授業用教材として授業アーカイブシステムを活用されている電子情報工学科の松木裕二教授(FDer)より、ご本人の体験に基づいた事例紹介が行われ、会場となったE棟3階FDセミナー室には、25名の教職員(教員16名、職員9名)が集まりました。

 まず教育技術開発WG長の松尾敬二教授(FDer)より開会の挨拶があり、本学のAL型授業の全学展開による教育方法の質的転換の取組みについて触れられ、本質的に大切なのは、ALによりいかに学生に力を付けさせるか、授業改善につなげていくかということである点ついてお話がありました。また、授業アーカイブシステムは、ALを含む授業改善に向け様々な活用法があり、参加者の皆さまが今回の研究会を通じて松木教授の知見を取り込み、今後の授業改善に活かして頂きたいとのお話がありました。

 続いて、「アーカイブシステムを使った授業の工夫と効果」をテーマとした松木教授による事例紹介に移りましたが、まず、アーカイブシステムを使った反転授業は、教員の負担が減るのに学生の学習成果は変わらない、むしろ高まる方法であると感じており、今回は「教員にとっての、」授業の効率化を実現する方法であり、この方法は学生の知識の定着や主体性の涵養にもつながる、という切り口から事例紹介を行いたいとのお話がありました。

 続いて、自身の講義スタイルに対し、学力レベルに比較的幅のある福工大生にとって「最適」であるかどうか疑問を持ったことから、自身の学生時代にはなかったICTで、講義の効率化を図ろうと思ったこと、具体的には、授業アーカイブシステム(知識の解説)の活用と、反転授業により講義時間は演習を行う(疑問の解消と知識の定着)授業の実践に至ったこれまでの経緯について紹介がありました。

 また、板書による講義の3つの問題点(①講義時間が限られていることによる「時間的制約」、②教員と同じ空間に居なければ受講できない「空間的制約」、③板書(PPTファイル含む)に記載できない情報(口頭説明等)は記録が困難である「情報量の制約」)について指摘があり、アーカイブシステムを活用した反転授業が、教員個人・学生・大学組織それぞれにメリットがあり、3つの問題点の解決策となることの提案と説明がありました。また、ご自身の経験に基づいた具体的な動画作成手順や動画作成の際のチップス、動画視聴を前提とした授業の工夫や学生の変化(授業外学修時間の増加や実力テストに見られる点数の上昇等)などについて報告が行われ、「手間がかかりそう」、「効果が得られるのか不安」といった教員がアーカイブシステムを使わない理由として考えられる不安の解消につながる事例紹介がありました。

 続いて質疑応答が行われ、学生の知識定着を裏付ける具体的な数値があるか、雰囲気や基礎学力の異なるクラスにより効果に差を感じるか、事前学習素材として、「動画」である必要があるか(教科書やPPTで同じ効果はないのか)、スキル系の授業ではなく、高度な概念を教授内容とする授業にも効果があると考えるか等、参加者より多くの質問が寄せられ、松木教授より回答があった他、参加者全体で意見交換が行われる場面もあり、授業改善の輪が学内に拡大していく後押しとなる貴重な研究会となりました。

■研究会当日の資料および動画は授業アーカイブ配信サーバーmyFIT (学内限定)にて公開しています。
 https://replay.fit.ac.jp/MediaDEPO/Login
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