大学教育再生加速プログラム 中間成果報告会を開催しました(3/14)

大学教育再生加速プログラム 中間成果報告会を開催しました(3/14)

 平成30年3月14日(水)、本学FITホールセミナー室において、大学教育再生加速プログラム テーマⅠ(アクティブ・ラーニング) の中間成果報告会を開催し、学内教職員42名、学外参加者22名の出席者を迎え、盛況のうちに閉会しました。
 報告会では、まず文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室の河本達毅氏から、3つのポリシーを起点とする教育の内部質保証の考え方、大学教育が社会との接続を見据えて汎用的能力の習得を目的とした応需型に変容していくことの必要性が述べられました。また、その方策としてアクティブラーニングを推進し、主体的な学びを促進することにより、学生が成長し、それが大学教育の質保証につながることが示されるとともに、本学の事業の今後に対する期待が述べられました。

文部科学省 河本 達毅氏

 次に、京都大学高等教育研究開発推進センターの溝上慎一教授から、「トランジションを見据えたアクティブラーニング型授業への組織転換」と題して講演が行われ、戦後の日本社会の変化により、学校から仕事・社会へのトランジション(移行)が課題となっており、個の専門的技能や知識だけでなく組織の中での思考・コミュニケーション・問題解決が必要であることが述べられました。また、大学教育では、習得から活用・探究への学習パラダイム変換が必要であり、思考力の育成のためには学習における外化が不可欠であること、授業の中で少しでもそのプロセスを組み込んでいってほしいとの提言がありました。
 これらの基調講演を受け、福岡工業大学の事業推進責任者である松尾敬二教授から、本事業の4年間の取組について報告を行いました。報告では、AL型授業推進の基盤整備から全学展開にかけての具体的施策について報告が行われ、中でもグループワークや反転授業といったティーチング法の拡がり、CS雇用によるAL型講義の効率化、学生へのAL型授業改善活動のひろがり、平成29年度開発の学習ポートフォリオの目的や機能について説明が行われました。
 

京都大学 教授 溝上 慎一氏

事業推進責任者/学務部長 松尾 敬二教授

 その後、本学FDerの松木裕二教授によるコーディネートにより、河本氏、溝上氏、松尾教授を登壇者として「アクティブ・ラーニング型授業の成果と課題」と題してパネルディスカッションが行われました。ここでは、大学で伸ばすべき力とその方策について、学習成果の可視化に関する汎用的能力の評価方法、科目の成績では測れない学生の課外での活動状況の把握、卒業生調査により社会で活躍できる学生と卒業生の力との一致を見ることなど、本事業の成果をどのように示していくかといった視点で多岐にわたる意見交換が行われました。

 最後に本事業評価委員からの講評が行われ、株式会社九建の川津孔嗣氏から、企業で採用に関わってきた立場から、企業にとって最も問題なのは採用の際のアンマッチであり、それを解決するための方策を大学と協働して考えていくことができたら良いのではとの言葉がありました。
 また、学校法人河合塾の中島由起子氏から、本取組の特色は人・モノを活用して組織的にALに取り組む教員を支援できていることであるとのコメントがあり、ポートフォリオについては大学のみならず高校でも基盤になるものとして重要な課題であること、学生が出口に向かって自分の学びをどう見せていくか、そのためにどう記録を作っていくか、高校・大学・社会への接続を見据え、アクティブラーニングにとどまらない取組になりつつあるとの言葉が寄せられました。
 

株式会社九建 川津 孔嗣氏

学校法人河合塾 中島 由起子氏

 これらの内容を受けて、閉会挨拶として、下村学長から、本事業の今後について、本報告会でのご意見を踏まえ、事業成果の可視化を行うよう努力していきたいとの挨拶が行われました。

 

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