第6回AL実践研究会「教養力育成科目におけるAL実践とその効果」を開催しました(2/25)

第6回AL実践研究会「教養力育成科目におけるAL実践とその効果」を開催しました(2/25)

平成31年2月25日(月)、本学E棟3階R1教室にて「教養力育成科目におけるAL実践とその効果」をテーマに第6回AL実践研究会を開催しました。教養力育成科目におけるアクティブ・ラーニング授業の実践報告をするとともに、その教育効果や専門教育への繋がりに等について議論する場とし、教員23名、職員9名の計32名が参加しました。

開会に際し、教育技術開発WG長の松尾敬二先生より、本学における教養力育成科目はALを基軸としながら、ポリシーに到達するように意識をして本学の共通教育として育てていくこと、また今後の本学の教育の一つの在り方について示していただける機会となることを期待しているとのご挨拶がありました。

次に、教養力育成センター長の阿山光利先生より、教養力育成科目のカリキュラム概要について、教養力育成科目の基本的な考え方や専門教育科目との有機的連携等についてお話しがありました。

続いて、授業実践報告として、①「知と教養」②「Advanced English」③「ウェルネス基礎」の3科目についての報告と質疑応答がありました。
①「知と教養」について社会環境学科の中野美香先生より、講義概要として、前期選択科目で5名の教員により週3コマ行われ、計327名が受講、基礎期(第1・2回)は全体講義、応用期(第3~10回)は学部混成の4クラスに分かれ多様なテーマについてリレー講義を行い、発展期(第11~15回)では教員ごとに設定されたテーマを選んでクラスを分け、最後は全体でのポスター発表を通じてクラスの学びを共有したことの報告がありました。
また、授業の中での工夫として、ディスカッションでは議論を通して他者を知的資源として捉えることや異なる意見を尊重することなどの大切さを伝え、授業後にはFIT-AIMに講義の感想や自分で興味のあるテーマを決めて意見を入力させているなどの報告がありました。またアンケートでは各項目において、良い変化があったと答えた学生が多数を占めていたとの報告がありました。質疑応答では、興味を持たせることや知識をどう広げていくかという質問に対して、知識を広く広げていくことは学習者の性格に依存するところもあるので、近接する範囲で知識を深め、広げていくことにより、少しずつでも確実に知識として構築していくことになるとのお話がありました。

②「Advanced English」について社会環境学科の土屋麻衣子先生をはじめとする英語教員WGより報告がありました。昨年から始まった「Advanced English」は1、2年生それぞれ75名程の上位者クラスであり、対話性&双方向性をキーワードとして授業初めのアイスブレイクディスカッションやペアワーク、グループワークを行っていることや、セルフリサーチとプレゼンテーションについて、具体的な内容の報告がありました。特にペアワークやグループワークでは自己原因性(自分の存在で周りに影響を与えること)を創出するために、なるべく教員が関わり情報をフィードバックすることが大切であるとのお話がありました。また、成果と課題として、CASECのスコアが上昇傾向であること、アンケートではモチベーションは伸びたが主体性の伸びが少なく、継続的な短期目標の設定が必要であるとの報告がありました。
質疑応答では、自動翻訳ソフトなどが普及する現在においての英語教育について質問があり、心と心の通い合いや伝わったという喜びが大切だと思うとのお話がありました。
 

③「ウェルネス基礎」について社会環境学科の樋口先生より、健康やウェルネスという概念、評価の方法、授業計画の具体的な内容、特にワークブックを用いた授業内容の記録と振り返りをさせていること、自身の健康・体力に関する課題解決型のレポート課題についてルーブリック評価とフィードバックを行っていること、チームビルディングの方法などの報告がありました。また学期末アンケートの結果から、ウェルネスに関する学びとして、健康・体力への意識、コミュニケーション能力、対人スキルを高めることができたなどの項目で肯定的な意見が多数を占めているとの報告がありました。質疑応答では、今年度から必修科目として「ウェルネス基礎」を受講している情報工学部の受講生の状況について質問があり、アンケートの結果から、運動・スポーツに苦手意識がある学生でも、同科目を受講して良かったと回答した学生が多数を占めたとのお話がありました。

最後に、社会環境学科の池田賢治先生をファシリテーターとして、質疑応答と全体議論が行われました。
短期的な集中力を持って課題にどう取り組ませるのかという問いに対して、自己調整をする力を学生に身に付けさせること、そのためには教員からのフィードバックを行い、達成感を持たせることが大切であるとのお話がありました。またアクティブ・ラーニングのキーワードは、学生が授業に対して自分のことと思えるような授業運営をすることであり、今後の課題として量と質の問題、色々な手法を組み合わせながら学生に気付かせる仕掛けをしていくことの必要性が示されました。

閉会に際し、次期教養力育成センター長の土屋麻衣子先生より、今後も議論を重ね、福岡工業大学としての高度な深い教養に沿えるような良いものにしていきたいとのご挨拶がありました。

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