第8回FD Cafe「アクティブラーニング~新しい教育法の試み~」を開催しました

第8回FD Cafe「アクティブラーニング~新しい教育法の試み~」を開催しました

10月23日(金)、「アクティブラーニング~新しい教育法の試み~」をテーマに、図書館の新たなアクティブラーニングスペースFIT  Linkにて、第8回FD Caféを開催いたしました。
全学でアクティブラーニング(AL)授業の展開を推進し、新たな教育法の試みが広まりつつある中、会場となった図書館3階 Active Floor(10/26リニューアルオープン)のプレゼンテーションコートには、教職員等61名(教員24名、職員37名)が集まりました。

当日の配布資料および様子はこちらをご覧ください(FIT Replay 学内専用)

まず、李社会環境学部長より開会の挨拶があった後、渡辺FD推進室長より、本年度前期科目について行われた「アクティブラーニング型授業に関するアンケート」の集計結果の報告が行われました。その中で、ALを導入した授業科目数の割合が全科目数の4割であったこと、また特に注目すべき点として、ALを導入した授業のうち、ALが行われた授業回数が「10~15回」と回答した授業が約6割に上り、さらにAL型授業を実施した結果、「とてもうまくいった」「どちらかといえば、うまくいった」と回答した授業が約9割に上ったことが紹介されました。

引き続き、AL型授業実践者による話題提供として、松尾教務部長から授業アーカイブを活用した反転授業について、徳安教授からノートテイクに工夫を凝らした知識定着の試みについて、現在、試行錯誤の中で取り組んでいる新しい教育法について紹介が行われ、参加者同士が活発な情報交換・意見交換を行う貴重な機会となりました。

松尾教授は、後期担当授業「電子回路Ⅰ」での新たな反転授業の取り組み紹介にあたり、もともと学生が事前学習をするとはとても思えず、反転授業など無理だと思っていたこと、しかし、7月に開催されたFD Caféの山梨大学 森澤正之教授による講演(詳細はこちら(FIT Replay 学内専用)をご覧ください)で、山梨大学のICTを活用した完全習得学習型反転授業の取り組みを知り、できるという感覚が実感として湧き、意識が大きく変わったこと、準備時間の不足などに不安を感じつつも、「自分がやってみよう」と思い、この後期の講義から反転授業を実施するに至ったことなど、ご自身が反転授業に取り組むに至った経緯について話されました。続いて、講義設計、事前学習教材、事前学習動画例、講義の進め方など、第4回講義までの具体的な授業運営方法の紹介が行われた他、実際に反転授業を行った後に確認された演習問題の回答状況や平均点の推移、学生の動画視聴のタイミング、また、高学力層の対応に関する課題などについても報告が行われました。また、ほぼ受講者全員が事前学習に取り組み、反転授業により講義の半分の時間を演習にあてることで学生の理解に手応えを感じている一方、講義中は何度も同じ質問への対応に追われるなどの問題点もあることなどについても話がありました。最後に、この反転授業の取り組み状況をリアルタイムでアップして情報共有をはかる場として、また、他の先生方がそれぞれに取り組んでおられるALの実践例や独自の教育手法についての情報発信や、さらなる改善につなげていくことのできる場として、新しい教育法の取り組みに関するブログを立ち上げたとの報告がありました。

これに続いて、「授業中、学生が騒がしくなり過ぎることはないのか」「事前学習動画は何分くらいか」「事前学習をして来なかった学生にはどのように対応しているのか」など、参加者から授業の運営にあたっての具体的な質疑応答が行われました。

続いて、徳安教授より、「学習ノートの事前配布による情報解析学Ⅰの反転授業について」のテーマで話題提供がありました。その中で、講義方針や過去2年間の実績、「履修推奨者」を確認するため独自に実施しているプレースメント・テストなど、これまでの取り組みについて紹介が行われました。また、不合格者の3つの特徴(レポートを提出しない、教科書を持っていない、講義ノートを作らない)を分析し、特に講義ノートに着目をして新しい講義方針を立て、過去の履修者の理解ポイントを押さえた学習ノートを事前に配付し、振り返り学習に有効なノートを全員の手元に残すという新しい教育法「学習ノート事前作成型反転講義」に取り組むに至った背景について話がありました。また講義においては、学習ノートに含めた教科書例題の丁寧な解説を行ったのち、1グループ8名程度のグループで演習に取り組み、メンバーがホワイトボードで解説し、質疑応答を通して理解を共有するピアラーニングを行っていること、教員とクラス・サポーターは教室内を巡回し、必要に応じてサポートを行っていることの紹介がありました。この新しい取り組みの中で、徳安教授は、学生の表情が明るく学ぶ雰囲気が生まれること、板書と解説が不要な点から学生教員双方の負担が軽減されること、講義準備の面でも教員の負担は少ないこと、指導効率の高い講義ができることなど、その効果を感じており、同時に「学生意識はAL講義で変わる」という実感を持たれたとのことでした。また今後の課題として、過年度生や成績不良者とのコミュニケーションや、授業内容の難度が上がった場合の方策などが挙げられました。
これに続いて、「グルーピングの方法はどのようにしているのか」「教える学生が固定化されないのか」「グループ内のコミュニケーションが盛り上がらない場合はどうしているのか」など、質疑応答が行われ、ピアラーニングに関する意見交換なども行われました。

最後に、村山工学部長より閉会の挨拶があり、この1年間での学内におけるAL授業の取り組みについて、点が線となって繋がりその効果に実感を持っていること、また、今後の展開をはかる中で、数字だけの目標を持つのではなく、学生に変化を与えることを目標にして取り組んでいきたいとの話があり、参加者一同、今後のALの取り組みに期待と意欲をふくらませる中での閉会となりました。

 

PAGETOP