海外英語研修の報告書 I.(2014年夏)

短期大学部
ビジネス情報学科
中村 優一

はじめに、この研修に携わって色々な世話、研修の手続きをしてくださった事務員の方々、25人という大きなグループを引率して下った先生方、本当にお世話になりました。

この研修で得られたことは、大きな財産として今後歩む人生のなかでも大きな起点となったことは間違いないと思う。なぜならば、私は短大で編入を考えているからだ。その編入先の大学や、これからの歩む道について改めて考えることができた。

元々短大に来た理由として、受験に失敗したからという一般的な理由もあるが、それ以上に大きな理由は、この海外語学研修制度があったからだ。中学生の時から望んでいた留学、そして、望んでいた大学に落ち、留学も半ば諦め浪人という道を考えていた時に、福岡工業大学短期大学部のシステムを知った。そして、今年の夏に短期留学をするという目標を立て、入学した。今、昔の自分を振り返ると、この道を進んだ自分は正しかったと思う。浪人して勉強尽くしの生活を送り、一年後に望んでいた大学に入る道も悪くはないが、私は短大に来て英語研修という大きな財産を得ることができたことが私自身にとって物凄く良い刺激になったと思う。

将来の夢は、未だに変わらない。アフリカや東南アジアなどの様々な問題を抱える発展途上国に対して、なんらかのアプローチを掛けられる人材になることだ。企業に入って、発展途上国に支援をするという目標。しかし、この研修で二つ分かったことがあった。一つは、自分が思っていた以上に人種の問題、経済格差の問題が身に染みて感じたということだ。それは企業訪問の一環で行ったGoogle本社でのことと、休日を利用して市内に出掛けた時のことだ。Googleの社員食堂は、朝、昼、晩、3食無料で食べ放題であり、その料理の質も高い上に種類も豊富であった。

しかし、一歩街にでると、ホームレスの人がごみ箱を漁って、人の食べた物のカスを食べている姿、道端に座り、空き缶に残り僅かしかない小さい硬貨を入れ、札や硬貨を求める姿、毛布を被って寒さを凌ぐ姿を見ることがあった。ここは同じ世界か?自分はどうなるのか。3食ただで食事出来る人がいれば、1食でさえまともに食べることができない人たちがいる。今の実情を突き付けられた。日本でも経済格差はあり、街中でホームレスの人をみることがあるが、アメリカほど多くはないと思う。日本では深く考えることの出来ないことであるだろう。特に私の場合、比較的裕福な生活をしているので、この格差についてこんなにも考えることは普段ない。今まで将来のビジョンとして描いてきたものが相当安易な考えだったということを思い知らされた。

Nakamura

いくら発展途上にある国に支援をしたとしても、上流、中流の貴族や家庭の収入が増えるだけであって、下流の人たちにはその支援というものが届かないのではないかと思った。その理由は、経済大国のアメリカでさえ経済格差は多く、寧ろ拡大しているからだ。たとえ発展途上の国に経済支援、もしくはなんらかの形で援助をしたとしても、結局は政治家、富裕層が全てを握っていくということだ。これらを解消するにはどうすればよいか。それは現地に直接行き、その国の特性、宗教問題、文化の違い、どれくらいの格差が生まれているかを知らなければならない。

また、その国の中でも特に貧しい地域はあるはずなので、その地域に間接的ではなく、直接的な援助をすることが大切だと考える。例えば、広大な土地を保有するアフリカ。特に貧しい地域に太陽光発電所を設立すると、雇用が生まれる。それによってカネが動き、多少の格差はなくなると思う。これはまだまだ安易な考えで、色々な問題が生じるとは思うが、国に対して援助を行うより良いと私は思うようになった。さらに、人種の問題についてはGoogle、Linked In、Taggedなどの従業員は大半が白人、もしくはアジア系と感じた。しかしながら、警備員などの従業員は黒人が多いと感じた。これらは自分の感じたことであって真実かどうかはわからないが、少なくとも私自身はそう感じた。

もう一つは、表情の出し方や、積極性だ。アメリカで出会った人は、本当にすぐ感情が表に出る。しかし、自分はあまり表情に出さない。アメリカの人たちは、自分が思ったことをすぐに顔や言葉にだし、コミュニケーションをとり、時にはブーイングも起こる。また、言語の違いがあるにも関わらず、積極的に向こうから話しかけてくれたり、日本語教えてほしいと言って来たりする。初対面なのに、普通の友達の様に絡んでくることがとても気持ちがよかった。バスの運転手はマイブラザーと言ってくれたり、隣に座った人は写真を一緒に撮ってくれたりと、賑やかだった。同じことを日本でやろうとすると、かなり勇気がいることだと思う。しかし、アメリカではそうではなかった。アメリカではもっと積極的にコミュニケーションをとることが大切であり、それが自然と自分のボキャブラリーの中に追加される。これから、身の回りにいる外国人と友達になって、積極的に日本語ではなく、英語で話しかけようと思った。

この研修を通して、編入に対してや、近い将来の道を深く考えることが多くなったが、最終的に思ったことは、英語というものは一つのコミュニケーションの手段であるということ。英語だけできれば凄いとか、そういうことではない。私たち日本人が日本語を使ってコミュニケーションをとることは当たり前なのだ。英語もそれで、英語圏の人が英語を使ってコミュニケーションをする。要するに一つの言語、伝達手段でしかないということだ。これから将来の道を歩むときに英語だけを勉強するのではなく、技術であったり、社会学であったり、将来に繋げることをさらに深めること。日本語で表現する場合はこうだけど、英語だとどうなるのかと、英語とリンクさせることを大切にしたいと思った。最後に、研修を経験したことで将来の視野がまた広がり、もっとより深く外国に興味を持つ良い刺激になりました。

読みにくい文章だったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
本当に、この研修に携わってくださった皆さん、ありがとうございました。(2014.9.30)
以上

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