2019年夏STEPプログラム【フィリピン】レポート第2弾

皆さん、こんにちは。

本日も前回に引き続き、学部・短大1年生推奨プログラム【STEP】フィリピンコースに参加した3名の学生のレポートをご紹介します。

同世代の現地学生との交流、持続可能な生活・豊かさを考えるカオハガン島での滞在を通して、学生はそれぞれに「気づき」を得たようです。

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情報工学部 システムマネジメント学科
市原 奏汰

 私がこの度のフィリピン研修への参加を志望した理由は主に2つあります。
 1つ目は英語を基とする語学力の向上のためです。実際フィリピンでは公用語として英語を話す人がほとんどでした。日本では英語の授業くらいでしか英語を話す機会がなく、日常的に英語を使わないといけない状況というものはありません。しかし、フィリピンでは日本語を話してももちろん通じるわけもなく、自分の英語力と身振り手振りのみで相手に情報を伝えなければなりませんでした。現地で交流したサンホセ大学の学生から聞いたのですが、フィリピンでは小学生の頃から英語を学習し始めるそうで、小さい頃から日常的な会話は英語で行えるそうです。私はこのとき改めて、英語習得の重要性について実感しました。世界共通語は他のどれでもなく英語であり、海外に出れば母国語は極めて無力であるということです。物を買う、道を尋ねる、礼を言うくらいであれば、言葉が分からなくてもある程度伝わると思いますが、言葉にしなければ伝わらないことの方が多いです。実際にあった例で言うと、宿泊先のホテルでコンセントが壊れていたので、フロントにその旨を伝えに行った時です。「コンセントが片方壊れて使えないので修理をしてほしい」というのは言葉で伝えなければ分かりません。果たして「コンセント」は日本語のままで伝わるのか?ただ壊れていることを伝えるだけでいいのだろうか?まずそれが分かりませんでした。英語しか使えないという状況が初めての経験でした。その結果、コンセントの修理をしてもらうことはできたのですが、かなり説明に時間がかかりました。「自分が英語を使えれば問題なく事が済んだのに。」、そう考えると本当に自分の英語力はまだまだだと痛感しました。これを踏まえて、益々英語力を磨いてからもう一度海外に行きたいと心から思いました。今回は会話の際に単語のみしか伝えることができませんでしたが、主述があるしっかりとした文章を伝えられるようにしたいです。また会話の中で1つ1つの呼びかけに適切な返事を返したいと思います。返事のない一方的な会話だと、相手にも「自分の言っていることが伝わっているのか」という不信感を与えてしまうので、こまめにリアクションを心がけたいです。そして表情を明るくすること。常に笑顔で話すことで相手との間に信頼関係が生まれ、緊張感のないより良いコミュニケーションをとることができると考えます。しかし、終始笑っているのはかえって不自然なので、喜怒哀楽の表情をしっかりと使い分けること。話すスピードや声のボリュームにも緩急を持たせたいです。以上の点を改善して、次に海外に行く時はよりレベルアップした英語を使えるようにしたいです。
 2つ目は、幸せとは何かについて考えることです。この度の研修の大きな目的としても掲げられていたものです。私にとって幸せとは、美味しい物を食べる、学校に行く、欲しい物を買うといったことです。これらのことは普通に生活していると当たり前のことです。日本で生活していれば誰もがそう感じると思います。しかし、フィリピンでは違います。フィリピンには、その日の食にたどり着けるかも分からない人がいます。学校に行くのは簡単でしょうか。フィリピンでは高い授業料が払えず、物心ついた時からゴミ集積場で働き、家計を支える人がいます。お金を稼げば欲しい物を買えるでしょうか。フィリピンには職に就けず、物乞いをして暮らしている人がいます。日本では普通ないような光景がフィリピンにはありました。自分には何ができるか、なんて考えられないほど大きな衝撃でした。もちろん、観光で来たようなただの外国人にどうにかできるような問題ではないことも分かりました。ただ1つ、「自分の生活を振り返ることだけはできるかもしれない。」、そう思いました。
 今回の研修では、カオハガン島という小さな島に1泊だけ滞在しました。そこでは、「電気や機械に頼らない生活」を体験することができました。私たち日本人は、何をするにも電気や機械がなければならないような生活をしています。しかし、現地の人たちは漁や農業を自分たちの手で行い、生活用水も雨水を利用するといった原始的な方法で暮らしていました。最初は、舗装されていない道で足が疲れたり、暑い中エアコンがなくて困ったり、夜道に街灯がなくて暗かったりとたくさんの不便を感じました。スマートフォンを開いてもインターネットに繋がらない。本当に当たり前だったことがそうではなくなると、少し落ち着かない気分になりました。それと同時に、日本という国で自分がどれだけ機械に依存し、満足な生活を送っているのかを実感し、少し恐ろしく感じました。2日間生活してみると、やはり満足な生活ではありませんでしたが、とても充実して楽しい生活だったと感じました。スマートフォンなんてなくても、現地の子供たちとバレーボールをする、綺麗な海を見る、犬と遊ぶ、手作りの食事を取って、その後はすぐに寝床について寝る。そんな何気ないことでも、日本での暮らしより何倍も充実感を味わえました。お金やスマートフォンがなくても、十分幸せでした。最後帰り際には、みんな「ずっとここにいたいな」と口々に言っていました。毎日スマートフォンばかり見ている自分と、機械に依存した日本に嫌気がさし、いつしか本当の幸せを見失っていたような気がしました。資源やお金を無駄遣いしていないか?機械に頼りすぎて楽をして生きていないか?今欲しくて買おうとしているそれは本当に必要か?そんなことを考えながら帰国しました。
 自分の生活を変えることは今すぐにでもできることではないし、簡単なことではないけれど、今満足な生活ができることや、当たり前のことに感謝したり幸せを感じたりするのがどれだけ尊いことかを考えながら生きていきたいと思いました。そして、たった2日間という短い間で感じた今までとは全く違うそこでの生活と幸せの形を、たくさんの人たちに共有していきたいです。

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情報工学部 情報通信工学科
松隈 佑哉

1) フィリピンの志望理由
 海外での仕事に興味があり、現地に行き、聞く力や話す力などの能力を伸ばしたいと思ったからです。そして、研修日程の中にカオハガン島へ行き、「豊かさ」とは何かについて考える機会があります。カオハガン島は、近代的なものや、インフラは整っていません。そういった日本とは違う生活に触れてみて、普段感じられないものを感じてみたいと思ったからです。そのほかにも、経済状況、文化、歴史に触れる中で自国との相違点などに考えを巡らせ、今より一層世界の視野を広げたいと思っていたからです。

2) 研修を通じて学んだこと
 私は、この研修を通じて日本との文化の違い、現地の人の人間性、社会の現実、自然の豊かさを学ぶことができました。
 1.日本との文化の違い
  フィリピンはほとんどがキリスト教信者でした。生活の様式は大トイレでトイレットペーパーは流さずに、隣に置いてあるゴミ箱に捨てなければいけませんでした。そして、空港で見たトイレは、便座がなくて驚きました。場所によって便座のあるところ、ないところがあることを知りました。フィリピンの人たちの平均月収は日本円で3万円ほどだと言っていました。日本の平均月収とは17万円も差がありました。

 2.現地の人の人間性
  フィリピンの人たちはとてもフレンドリーでいろいろなことを共有してくれました。私がカオハガン島に行った際に、バスケットコートの横を通ったらバスケの試合に誘われました。その時私は初対面にも関わらず、とても積極的にコミュニケーションをとれる人間性に感動しました。

 3.社会の現実
  フィリピンの街で、小さい子供がぼろぼろの服を着て靴も履いておらず、お金をねだりに自分たちのところに来ました。そういった子供や大人が泊まったホテルの周りだけでなくいたるところにいました。全員がしっかりとした職に就き、安定した収入を得るということが当たり前の世界ではないんだなと体感することができました。

 4.自然の豊かさ
  フィリピンのカオハガン島では水道管や電線は通っておらず、自分たちで発電機を使って発電したり、雨水を溜めてその水でシャワーを浴びたり洗い物をしたりする生活を送っていました。そこではショッピングモールやコンビニなどは一切ありません。しかし、海やバスケットコートやバレーコートがありました。日本から見ると何もないように思えますが、自然がとても豊かで素晴らしかったです。

3)研修で得た経験を将来どのように活かすか
 これから先、海外の方の文化や考えをしっかりと理解していくように心がけようと思う。

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工学部 生命環境化学科
野中 直也

 まず、フィリピンの志願理由は三つある。一つ目は、初めて海外に行くので、サポートがたくさんあるこのプログラムが自分に最適だと思ったからである。二つ目は、日本の生活しか知らないので、このプログラムで今まで触れたことのない文化に触れて自分の知らない世界について詳しく知り、日本と海外との違いを知り広い視野を持つことができると思うからである。三つ目は、今は語学力に自信はないけれど、このプログラムで異文化などたくさんのことを学び、大学卒業までに外国人とスムーズに会話できるようになりたいと思い、そのためにまずこのプログラムに参加することが第一歩だと思ったからである。
 次に、研修を通してたくさんのことを学んだ。まず初日は、フィリピンの歴史的な場所に行ってフィリピンの歴史を知ることができ、スペインに昔支配されていたことなど様々なことが学べたのでとても良い経験ができたと思う。そしてその日の午後にスラム街とごみ集積場に行き、最初はごみの多さなどに驚いたが、セブの問題点や貧富の差が激しいことを知ることができたので勉強になったと思う。
 2日目は、サンホセ大学の学生との交流があり、最初は英語があまり話せないためとても不安だったが、学生はとても優しく理解していないように見えるとゆっくり話してくれ、フレンドリーでとても話しやすかった。昼食の時は、ジョリビーを食べながら日本のアニメの話やフィリピンや日本のおすすめの場所などを楽しく話した。この時、自分の英語力が全然足りないことを実感することができたので、これからもっと英語力が必要だと思った。
 3日目は、カオハガン島に行ってシュノーケリングと磯めぐりをして、綺麗な風景と自然を感じてきた。シュノーケリングでは、最初は波が強くて上手く呼吸をすることができなかったが、慣れてくると段々と泳げるようになり、綺麗な魚やサンゴを見ることができた。今回シュノーケリングした時は曇りだったので、晴れた日にまたフィリピンに行ってみたいと思った。磯めぐりでは、潮が引いた時に島民の人と一緒にウニを取りに行って貴重な体験ができた。シュノーケリングと磯めぐりとの間に待ち時間があり、海に入ることができた。そこでフィリピンらしい綺麗な海の写真が何枚も撮れたので良かった。夕方になると、夕日が綺麗でとても安らぎを感じ、都会のような騒がしさがないので、椅子に座っていると気持ちが良く、眠ってしまいそうだった。
 4日目はカオハガン島に住んでいる日本人の話を聞いて、その後島の子供たちとバレーボールをして遊んだ。カオハガン島の子供たちと遊んでいく中で、とてもフレンドリーですぐ友達になれたのでとても楽しく一日を過ごすことができた。そして、仲良くなった島の高校生とインスタを交換した。そしてその高校生と英語でやり取りすることで少しでも英語が上達できれば良いと思う。
 5日目は自由研修だった。自由研修ではショッピングモールに行ってたくさんのお土産を買うことができた。自由研修ではあまり予定を立てていなかったため時間が余ってしまい、もう少し予定を立てて行くべきだったと思った。
 このフィリピン研修で英語の勉強が全然足りてないことを実感したので、これからもっと重点的に勉強していきたいと思う。
 最後に、今回の研修で得た経験で英語力が足りていないことや海外の文化に初めて触れて感じたことを、将来海外に行くときやこれから国際化が進み日本にいても英語を使うことが出てくることがあると思うので対応できるようにしっかり勉強したいと思う。

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