慶星大学校(韓国) 留学レポート

皆さん、こんにちは。
前回に引き続き、海外協定校への長期留学を終えた学生のレポートをご紹介します。
彼も同じく2019年の春から、韓国の慶星大学校にて1年間の留学生活を通して、キャンパス内外で多くの学びを得たようです。

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社会環境学科
宇都宮 斗吾

 私は2019年2月から2020年1月まで韓国の慶星大学校(「大学校」は大学のこと)に交換留学生として留学しました。慶星大学校は、福岡市に近い韓国・釜山市に位置し、福岡工業大学の協定校である私立大学です。福岡工業大学から初めての留学生派遣ということや、いざ大学へ到着してみると在学生の中に日本人留学生がおらず、不安な気持ちの方が大きかったです。
 しかし、慶星大学校に到着すると初日から日本人ということでとても歓迎され、国際交流課のスタッフの方々もとても、食事に連れて出してくださったり、悩み事の相談にも乗ってくださったりしてとても良くしてくださいました。おかげで不安感は3日で無くなりました。
 また、バディ制度(この場合は慶星大学校において韓国人学生1人と留学生1人で1組のチームを作り、韓国人学生が、留学生の生活や学習面をサポートする制度をさす)を採用しており、日本に興味のある韓国人学生を1人私に付けてくれて、一緒に食事に行ったり、野球観戦をしたり、大邱(テグ)に旅行に行ったり、毎日部屋で語り合ったりしてバディ制度のお陰で楽しい思い出が増えました。
寮でのルームメイトは、スウェーデンの学生でした。彼からはヨーロッパについていろいろ学べたと思います。寮生活では、これまで知らなかったことや、文化の違いをたくさん学ぶことができました。友達になった中国人留学生と毎晩のように食べに出かけたりもしました。
 留学する前、私は外国人と直接接した経験が乏しく、留学して最初の頃は少し壁を感じていました。しかし、外国人学生の方は、国籍や性別関係なく1人の同じ人間として接してくれました。私の方もこれまで海外の人間は全て“外国人”と一括りに見ていましたが、彼らと交流する内にこうした見方をすることが自然となくなり、彼らと同じ人間として接するようになってとても親しくなることができました。今でも留学を通して知り合った多くの友達と連絡をとっています。
 また、学校の近くにプロ野球のロッテ・ジャイアンツというチームが本拠地としている野球場がありました。バディ・パートナーで後に友達になった韓国人学生が、大の野球好きだったので、電車に乗ってよくロッテ・ジャイアンツを応援しに野球場に行き、応援したことが今でも懐かしく思い出されます。その友達とは毎日バッティングセンターでバッティングの練習をしたり、夜桜を見ながら花見をしたりと毎日一緒にたくさん遊びましたし、直接球場へ行けない日は、試合がある日は寮の部屋に集まって食事しながら一緒にテレビ観戦して応援しました。

 夏になると、慶星大学校が主催する“インターナショナルサマーキャンプ”が開催されます。これは、慶星大学校が各国の協定校の学生を招へいし、英語でコミュニケーションをとりながら、国際交流や韓国文化を学ぶインターナショナル・プログラムです。母校である福岡工業大学をはじめ同志社大学、宮崎大学、スペインや中国の協定校の学生が多数参加し、私も各国の福岡工業大学や他の協定校の学生たちとたくさん交流しました。この時は、スペインの協定校の学生たちや中国の協定校の学生たちと食事に行ったりしてとても楽しい思い出となりました。また、そのサマーキャンプのメンバーの人たちと高速バスでソウルに旅行に出かけて、朝までたくさん語り合ったことも良い思い出になりました。
 ただし、この旅行ではちょっとしたトラブルが起こりました。この時はちょうど日韓関係があまり思わしくない時期であったため、お店の客の1人が、私たちが日本人ということがわかると差別的な態度をとってきてその場に緊張が走りました。しかし、別のお客さんや店員さんがその人を注意して外へ連れ出してくれた上、店にいる他の人全員が「気にしないで。私たちは日本のことが好きだよ。」と気遣って声をかけてくれました。思いがけず韓国の人たちの優しさに触れられて本当に嬉しかったです。
 10月には韓国政府支援による大学のプログラムの一環で、韓国人学生と留学生100人くらいで2泊3日の旅行に行ったことがとても心に残っています。各班に韓国人学生2人と留学生2人の4人で一組の班になり、いろいろな体験をしました。有名な公園に行ったり、ドイツ村(慶尚南道(キョンサンナムド)南海郡(ナムヘグン)にあるドイツ住居を再現したことで有名な観光地)に行ったり、韓牛(韓国の牛肉)を食べに行ったりしました。ただ観光をするだけではなく、夜にはその日の活動をPPTでまとめて発表を行いました。この発表は他の班とのコンペティション形式でしたが、その結果、1位を獲得しました。それ以外の夜は皆で食事をしたり、カラオケで歌ったりととても楽しい研修旅行でした。この旅行ではたくさんの人と仲良くなることができ、プログラムが終了してからも当時のメンバーだった韓国人学生10人ぐらいで集まって食事に行ったり、互いの誕生日を祝い合ったり、皆で遠くまで旅行に行ったりしました。彼らの内、私だけが日本人でしたが、皆さん全員が私の事を韓国人と同じように分け隔てなく接してくれました。とても嬉しく思うと同時に、今回この留学で自分が受けた温かい気遣いや親切を、もし韓国の方が日本に来た時には同じように恩返しをしようと思っています。

 留学を通して成長できたこと、それは、かつて私は留学前の日本では肌の色や文化の違いそして言語の違いから外国人との間に壁を作り、距離を置いて接してきました。しかし今回の韓国留学を通して、他国の文化や違いを理解できるようになり、他国の人々を“外国人”という一括りではなく、それぞれが同じ1人の人間として認め、接するようになれたことだと思います。そしてこの経験を生かし、次のステップに進んでいきたいと願っています。
 また、サポートしてくださった福岡工業大学の国際連携室の皆さんと、慶星大学校の国際交流課のスタッフの皆さんに感謝します。ありがとうございました。

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