大連理工大学(中国)留学レポート

皆さん、こんにちは。
今回より2回にわたって、2019年の春から一年間、本学の海外協定校での留学を経て帰国した学生のレポートをご紹介します。
本日は中国の協定校・大連理工大学に留学した学生のレポートです。

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電子工学科
笠 絋一郎

 このレポートでは、私が大連理工大学での1年間の留学通して、どの様に過ごし、どうやって学習を進め、何を得たのかを述べていきたいと思います。
 2019年2月20日、中国遼寧省大連市にある大連理工大学に到着して、私の中国での1年間の語学留学がスタートしました。中国に行く約3ヶ月前、私は独学で中国語を勉強していました。留学初日、まずクラス分けテストで筆記試験と面接試験がありました。面接試験の際、私の中国語レベルは「初級3クラス」と告げられました。しかし面接官だったある先生が「私の担当している中級1クラスですが、あなたにしっかり中国語を教えるから中級1クラスで勉強しなさい。」と言ってくださったのです。そうしていよいよ一学期の授業が始まったのですが、いざ授業に参加してみると、同じクラスの同級生達はすでに1、2年中国語を勉強しているか、日本の大学で中国語学科を専攻していて自分とのレベルに格差があった上、最初は授業中先生が話している内容や、書かれている意味もわからない有様でした。そうした中、先生は授業中にたくさん私にあてて答えさせたり、授業が終わった後で私に合った勉強方法を教えてくださったりと色々と気遣ってくださいました。そのお陰で、元々消極的でシャイな性格の自分が、徐々に積極的な性格へと変わっていきました。
 また、自分で自分を追い込むことに決め、日本人とは極力話さず、毎日午前の授業が終われば学外に飛びだして行き、道で知らない中国人に話しかけて友達になったり、公園では見知らぬ年配の方々との会話を楽しみ、夕方からは近くのカフェで勉強して解らないことがあれば店員さんや近くの中国人のお客さんに質問したりしていました。また、それとは別に自分を追い込んで中国語を上達させました。それは、夏休みも日本に帰らず、先生が薦めてくださった『大連衆益外語培訓学校』という語学学校に通ったことです。そこでの授業は、学校の授業とは違い会話がメインでした。こうして私は夏休み期間もしっかりと中国語に親しんでいたため、最初の半年だけで耳も慣れ、中国語を話すことも怖くなくなり、物事をとてもポジティブに考えられるようになり、二学期に入る頃には他の学生と大きく差をつけることができました。


 
 また、一学期には勉強とは別に娯楽活動というものがあり、“留学生中国語芸術発表会”という発表会に参加しました。この発表会では、クラス代表として積極的に何人かの学生と一緒に参加し、中国語の歌を歌ったりしました。この活動を通して友達との距離も縮まり、色々な国の人の考え方なども理解することができました。友達はかけがえのないものであり、无价之宝(値段など付けられない宝物)だと改めて感じることができました。
 二学期になると、一学期の時の先生とは打って変わり、厳しいながらも優しくとても情熱的な先生が担任になりました。この学期で最も印象に残っていることは、中国語スピーチコンテストに参加したことです。先生から私は人前で話すことに向いていると言ってくださったので、コンテストに参加することになりましたが、その際レベルも一番高い高級(上級)クラスに参加することになりました。私のスピーチのテーマは「時代とともに進む中国語」で、原稿は何度も書き直しや訂正を受けながら、繰り返し練習をする毎日でした。そしてその際、先生から「食事を摂る時以外は、全てを(自分の時間と集中力を)スピーチコンテストに注ぎ込め」と指示され、とても大変でしたが、同時にやりがいを感じた日々でした。先生もまた毎日授業後も深夜22時や23時まで練習に付き合ってくださいました。正直な気持ち、ここまで生徒のために親身に指導してくださる先生に私は初めて出会いました。努力を重ねて参加したスピーチ大会でしたが、結果は優秀賞で、私にとってとても良い経験になりました。

 もちろん楽しいことばかりではなく、辛くて何度も日本へ帰りたいと思ったことや思わぬアクシデントに見舞われたこともあります。例を挙げるとすれば健康問題です。7月頃、食習慣の違いからか腸炎になり辛い思いをしました。約1週間授業に参加できず、点滴を打つために毎日通院しました。この時は先生やクラスの友達や中国人の友達が病院まで付き添ってくれたり、食べ物や飲み物を買ってきてくれたりしました。たくさんの人たちに迷惑をかけてしまい、申し訳ない気持ちになると同時に、友達や先生との絆はとても大切なものなのだと実感しました。まだまだ色々なことがありましたが、先生方や同じクラスの友達のサポートのお陰で頑張り切ることができました。
 今回の中国留学経験の全てを述べようとしても、とても話し尽くせるものではありません。それ程とても中身の濃い、充実した1年でした。
これからも日々努力し、中国語や中国文化などに理解を深めていきたいと思います。そして、この留学の機会をくれた両親、私のために留学プログラムを提供してくれた福岡工業大学、受け入れてくれた大連理工大学にとても感謝しています。今後、できるだけ多くの日本人に中国の良さや現実を理解してもらいですし、逆に中国の人たちにも日本の素晴らしさを今以上に知ってもらえるよう貢献していきたいと思っています。

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