見るだけでデザインできる!

従来の対話型進化計算システムでは,ユーザがどのデザインが好きかをシステムに入力する必要がありました. しかし,ユーザがシステムに評価を入力せずとも,システムがユーザの好みを理解し,ユーザが好きなデザインを生成できれば,素敵ではないでしょうか.

視線情報は人間の生体情報です. 何か刺激を受けると,人間は意識しなくとも,体のあらゆる部位にその反応が現れます. 例えば,有名人に出会ったときにドキドキする → 脈拍が上がる,というようなことがあります. このような観点から,「目は口ほどにものを言う」という言葉があります. すなわち,人の視線からはその人の潜在的な嗜好が分かるのではないか,という仮説が立てられます. 本研究では,この仮説に則り,視線情報を用いた対話型進化計算システムを開発しています.

下図が提案システムの概要です.ユーザの評価行動が視線情報に置き換わっています. 要は,デザイン評価の際に,ユーザはデザインを見るだけでよいことになります.


提案システムの概要

視線を計測するためには,視線計測装置なるものが必要です. 本研究室では,オムロン社のお顔ビジョンやTobii社の視線計測装置を使って,ユーザが1人の場合や複数の場合を対象とした各種システムを構築しています. 下図は,単独ユーザ及び複数ユーザを対象としたときの実験の風景です.用途によって,計測装置や実験環境も変わってきます. 単独ユーザの場合は,赤外線装置で視線を計測し,複数ユーザの場合は画像解析で視線を計測します.


実験風景(単独ユーザ対象)


実験風景(複数ユーザ対象)

これらのシステムをプロトタイプとして,私たちはこれまでに個人の感性を反映した電子カタログシステムや複数ユーザの視線情報によるキャラクターコーディネートなどを提案しています.
詳しくはこちら → 賢い電子カタログみんなでコーディネート

代表的な研究業績
【学術論文】Hiroshi Takenouchi, Masataka Tokumaru, "Interactive Evolutionary Computation System with User Gaze Information", International Journal of Affective Engineering, Vol.18, No.3, pp.109-116, 2019-07.

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