2019年夏STEPプログラム【中国】 レポート①

皆さん、こんにちは。

今回より、2回にわたって【STEP中国】に参加した学生のレポートをご紹介します。
中国コースでは、本学協定校の南京理工大学にて日本語学科学生とのワークショップのほか、中国語レッスンや太極拳の体験、またプログラム最後には上海にて市内視察を行いました。

1回目の今日は3名のレポートをご紹介します。

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工学部 電気工学科
大串 直輝

 今回中国への短期留学を志望した理由は、高校生の時に修学旅行でベトナムへ行ったことがあり、そこで今まさに発展している様子を見てもう一度海外に行きたいと思っていたからです。また、一昨年このSTEP中国に参加した先輩から強く勧められ、今回の短期留学に参加しようと思いました。
 実際に中国へ行き、初めに思ったことは、とにかく人が多いということでした。さすが世界人口2位の国だと思いました。また車も日本とは違い、左側通行で運転席も左側にありました。日本は右側通行なので違和感がありました。上海は南京に比べ交通規制が厳しく、南京ではバイクの量が多くクラクションがよく鳴り響いていました。
 南京理工大学へ着いた1日目、現地の日本語学科の学生に大学内を案内してもらった時、軍隊のような格好をした人々が集団行動をしていました。大学に入ったら全員 1 ヶ月間集団行動を行い、男性は髪型も短髪もしくは坊主にしなければならず、「これはとてもきついです。」と学生も話していました。日本でも集団行動は高校などで経験しましたが、それ以上に厳しそうに見えました。その後に南京の夫子廟という所へ連れて行ってもらいました。夫子廟とは儒教の始祖である孔子を祭っている場所で、伝統的な中国の建造物や街並みが再構築され、とても中国らしい雰囲気を感じました。

 2日目と3日目の午前中に中国の武術である Taiji(太極拳)を教えてもらいました。10 個の型を習い、音に合わせてゆっくりと学びました。太極拳は健康にも良いとされ、筋力の向上や柔軟にも効果があるとされています。実際にやってみると、中腰になる姿勢が多くかなり足腰に負担がかかりました。午後には中国の文化を英語で学ぶ授業を受けました。英語を聞いてある程度理解することはできましたが、自分から話すとなると全然言葉が出ずに自分の英語力のなさを実感しました。中国の人は英語もでき、さらに日本語の勉強もして自分との差を非常に感じました。
 驚いたのは中国の教育システムで、午前の授業が終わると午後の授業の開始時間は14時で、みんな昼寝をとってから17時まで授業を受け、休憩を取ってその後22時まで授業があるそうです。日本のように高校生が部活動に力を入れるということは理解し難いことで、スポーツや芸術を生涯の仕事にしようとする少数の人以外は、高校時代は勉強に専念するのが当然とされています。大学に入るまで恋愛も禁止とされ、大学の先生の話では中国人は良い大学に入るために勉強して、大学に入ると高校と比べ規律が少し緩くなるので、将来の人生設計をする人があまりおらず、明確な目標を持つ人が少ないと仰っていました。
 中国と日本の教育システムの違いによって、考え方なども変わってくると感じました。現地の学生と日本と中国の就活や給料の違いを話し合い、日本と似ているところ異なるところがあり、それぞれに良いところもあり、とても勉強になりました。国を超えて一緒にプレゼンテーションをすることができて良かったと思います。

 6日目の午後に中国の歴史博物館に行きました。中国も日本と同じように土器や青銅器など似ているところもありました。中国の歴史は日本よりも古くから発達しており、多くの詩人や油絵などがありました。その歴史の中で一番驚いたのことは、中国は昔から胎児を食べるという文化があり、古代から病気を治すとき自分の悪い箇所と同じ部位を食すと治ると信じられており、日本では考えられないことなのでとても衝撃を受けました。
 7日目の南京観光では、中国の初代臨時大統領の孫文の墓である中山陵という所へ行きました。頂上までは険しい階段が続いており、頂上に登った時に見える景色はとても素晴らしかったです。8日目の上海では、豫園という所へ行きました。豫園とは「愉園」、つまり「楽しい園」という意味があり、四川布政使の役人だった潘允端が父のために作った庭です。その他にも古き中国の建物が並んでおりとても美しかったです。その日の夜には、外灘の夜景を観に行きました。19 時にライトアップされ近未来的な町並みや大都市に圧倒されました。
 私の出身地の長崎は、昔から中国との交流が深く、今回の授業で受けたドラゴンダンスも「長崎くんち」の龍踊りと似ており、また長崎でも有名な角煮まんじゅうも食べる機会があり、私の地元でも目にするものがあってとても親しみやすかったです。
 今回の研修で感じたことは、国によって文化や習慣も異なり、様々な価値観や考え方があることです。それと同時に言葉が通うじたらどれだけ楽しいんだろうとも思いました。中国語を教えてらもらって、実際に単語のみですが言葉が通じるようになったことはとてもうれしかったし、日本で学ぼうとしてもなかなか難しいことなので、他言語を学びたいなら留学することが一番の勉強になると思いました。それは英語の学習にも言えることで、これからの社会では英語は必須とされ自分の武器にもなるので、より英語の勉強をしたいと思うようになりました。
 この研修を通して中国に対する印象も変わり、何事にもどんどん挑戦していきたいと思います。この9日間でお世話になった南京理工大学の皆さん、私達が安全にこの研修を行えるようサポートしてくれた国際連携室の職員の皆さん、HIS の方々、そして何より今回のSTEP中国のメンバーに感謝の気持ちを忘れずに、これからの大学生活を頑張りたいと思います。ありがとうございました。

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情報工学部 情報工学科
内村 大

 私は今まで一度も海外に行ったことがなく、海外に行く一歩を踏み出すことが出来ませんでした。しかし、入学して自分を少しでも変えたいと思い、今回のSTEPプログラムに参加することを決意しました。その中で、中国の学生と積極的に交流したり、文化の違いを知り、中国の学生が将来にどのような夢を持っているのかを知りたいと思いました。
 中国に到着した当日、私は着いて早々、日本との違いにかなり驚かされました。空港は福岡空港の何倍も広く、飛行機が到着口に着くのに時間がかかりました。到着口についても、そこからまた、専用のバスで空港の到着口まで移動しました。雨が降っているのに、飛行機からバスまで傘を差すことができなかったので、全員雨で服が濡れたことを覚えています。その後、ガイドの李さんと合流して専用車に乗って上海駅を目指したのですが、高速道路で周りの車が幅寄せをしてきたり,クラクションを鳴らしたりしてくるので、少し恐怖を感じました。日本に比べて中国の車の運転は少し危険なところが多いと思いました。
 その後、上海から南京まで高速鉄道で向かいました。高速鉄道から初めて中国の街を見ました。中国の街は同じような形や色の建物が多いと思いました。その日は,天気が悪いこともあり全体的に曇っていました。風景は日本と違い、中国の格差社会を感じてしまうところもありました。そんな不安を感じている間に南京に着きました。
 南京理工大学は、敷地がとても広く驚きました。大学の敷地内には、一般の人のアパートや店などもありました。日本の大学とは全く違う雰囲気でした。大学に着くと、日本語学科の2人の学生と会いました。日本語学科の学生はとても優しくてとても安心しました。

 2日目は、日本語学科の3年生と会いました。前日は旅の疲れもあり、あまり話しかけることが出来なかったので、この機会にと思い、積極的に交流をしました。私が話した学生は、広東省出身だと聞きました。広東省は昔から、蛇など日本ではあまり食べる習慣のない物を食べることで有名ですが、最近の若い人はあまり食べないそうです。南京からバスで行くと1日以上かかると聞きました。ちなみに、飛行機だと2時間だそうです。それから、運転免許の話もしました。中国では、歩行者より自動車優先という認識が強いそうです。実際に街を歩いていると、赤信号でも車が突っ込んできて、さらにクラクションを鳴らすようなことを度々見かけました。交通の面で感心したところは、信号機です。中国の信号機の多くは、青信号の時間があと何秒あるのか表示されるので、渡るか渡るのを止めるかを判断しやすかったです。このような点は、日本でも真似するべきだと思います。日本語学科の学生と会話する中で気づいたことは、英会話能力がとても高いことです。文法だけでなく発音まで上手でした。英語学科ではなく、日本語学科なのになぜ全員がここまで英語を話せるのかということに疑問を持ちました。しかし、その答えは帰りの高速鉄道で分かりました。隣に、中国人の子供と母親が座っていました。その母親は、中国語で話した後に同じことを英語で話して子供に覚えさせていました。中国人の若い人が英語を話せる要因の一つに親からの教育もあるのだと思いました。私も、将来的には英語を話せるようになりたいので、常日頃から英語を主体に生活してみることも大切だと思いました。
 中国でも日本と同様にミルクティーがとても人気だと知りました。大学の近くにもミルクティーの店があり、何回も行きました。日本語学科の学生の中にも、将来自分でミルクティーの店を経営したいという学生もいるほど人気でした。学生たちと話をする中で、ITで世界の最先端を行く中国とは別の一面も見えてきました。中国の労働環境は、基本的に残業が多いと知りました。しかし、女性は出産後も仕事を辞めず続けたいという人が多いそうです。
 今回の研修で学んだことは、海外に行くときは準備を徹底的にしておくことです。私は、今回準備不足を感じました。現地ではWI-FIが使えないので、前もって準備しておくべきだったと思います。また、スマートフォンがAndroidなので不便な点も多くありました。他にも、水道水が飲めないので前もって水を多めに買っておくことや、トイレにはトイレットペーパが置いていないところも多いので、常に持ち歩く必要があることを知りました。地下鉄に乗るときや空港に入るときなどは、セキュリティーチェックがあることも知りました。行く前に調べたこと以上に,現地に行ってみて気づくことがたくさんありました。初めて海外に行って、怖かったことや驚いたことなどもたくさんありましたが、一番は日本語学科の皆さんと交流した楽しい思い出が心に残っています。一歩を踏み出して海外に行ってみると、現地の方の優しさやその国の良いところもたくさん見えてきました。私はまた機会があれば、いつでも海外に行ってみたいと思うようになりました。
 今回、中国に行ってみて英語だけでなく、中国語も学びたいと思いました。福工大では3年生から中国語の授業も選択できるので、2年後の選択肢の1つになりました。ITの最先端を行く中国とは、将来いつか関わりを持つ可能性も大いにあると思うので、今回だけで終わらずにこれからも勉強を続けいていきたいと思います。

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工学部 生命環境化学科
黄 達峰

 まず今回のSETPで私が見たこと、出会った人達、これらの経験は私にとっては一生忘れられない出来事です。本当に良い経験をする事が出来ました。
 今回私がSTEPに参加しようと決めたのは、中国の大学と日本の大学はどのように違うか、そして南京や上海は中国の南部にあり、自分の暮らした北部と大きく違いがあるので、自分はこれらのことを体験してみたいと思ったからです。
 私は南京理工大学に着いて最初に思ってことは、とても大きなキャンパスだということでした。それからの6日間の体験の中で、色々な気づきがありました。大学の中には職員の寮や生徒の寮、とても大きな公園もありました。更に⼀番日本の大学と違いがあったのは、キャンパスに広い公道があり、昼間には多くの車が通っていました。夜になると⼀変して車はほとんどなく、とても幻想的な光景でした。メルチャリのようなレンタルサイクルがあり、夜のキャンパスをサイクリングするのがとても気持ちよかったです。もう⼀つ気づいたことは、日本では他県からの生徒はみんなアパートを借りるのがほとんどですが、中国では皆が寮に住んでいました。寮も日本のように個室ではなく⼀室に3~4人の部屋でした。このように4年間も⼀緒に暮らせば生涯の友ができる事が羨ましかったです。日本ではこのような寮は少ないと思いました。
 今回の私たちの南京での案内役をしてくれたのは、南京理工大学の日本語学科の学生たちでした。みんな2年生と3年生で先輩だと思いましたが、中国は学期が始まるのが早く、3年生が⼀つ歳上で2年生は同級生で、とても不思議な感覚でした。みんなとてもフレンドリーですぐに仲良くなることが出来ました。
 最初の授業は南京理工大学の歴史について学びました。そして、宿題は南京の歴史的な動画を製作することでした。その日の午後には、南京の夫子庙という科挙試験の合格者を多く出した事を記念した所に行きました。
 次に、太極拳の授業もありました。高齢の方が多くしているので楽勝と思っていましたが、中腰で4分程すると筋肉痛になりました。でもこれもとても良い経験になりました。
 また、舞龙(ドラゴンダンス)も体験しました。とても広い体育館で行い、獅子舞のような印象でした。現地の学生たちは毎年ドラゴンダンスの大会を開催していると聞きました。
 中国の大学1年生は入学してすぐに、集団行動をさらに厳しくしたような『軍訓』と呼ばれる訓練を受けるそうです。実際に軍服を着て教官が指導している様子も見ました。
 また、今回私がもう一つ良いと思ったのは、大学の食堂の食事が美味しくて安いことです。多くのメニューがあり、自分の故郷の中国北部のメニューもありました。中国での食事は大満足でした。最終日にはカエルも食べました。鶏肉より身が締まった食感でとても美味しかったです。今、日本でタピオカが流行っていますが、中国でも同じく、とても人気でした。日本では一杯800円程度に対し、中国では300円程度で、この6日間たくさん飲みました。
 そして、南京博物館にも行きました。入場料無料であることに驚きました。私は歴史が好きなので見入ってしまいました。楽しい時間でした。
 このSTEP中国は他のコースに比べて一番長い9日間の日程でしたが、気がつくと最終日でした。最終日は孫文の墓に行きましたが、この日はとても暑かったです。さらに墓は山の一番上にあるので、長い階段を登り上がって行きました。頂上に着くと南京を一望できるほど高かったです。綺麗な景色でした。最終日でもあり寂しく感じました。最後はみんなで集合写真を撮り6日間の南京での研修も終わりました。
 上海に行ってみると、まるで東京のようでした。高層ビルがたくさんあり、地下鉄も路線が多く複雑でした。中国ではあまり電車は走っておらず、鉄道のほとんどが地下鉄でした。上海観光では外灘に行きました。いろんな国からたくさんの人が訪れており、全てのビルがライトアップされるととても幻想的でした。しかし混雑して移動が大変でした。2日目の田子坊は東京の竹下通りのような所と聞きました。古い町の中にお店が並んでいて、落ち着くような雰囲気でした。
 この9日間のSTEPは自分の人生にとって有意義な時間でした。私は小学3年生まで中国に住んでいたので、この10年間の変化を身をもって体験することが出来ました。一緒に過ごした方達とも多くのことを話すことが出来ました。また、中国と日本と教育のシステムが異なるので、違った価値観を持つ同年代の学生と話ができたことは私の考え方に多くの変化をもたらしました。彼らとの別れは本当に辛かったです。今後機会があったら必ず行きたいと思っています。
 今回のSTEPプログラムに参加したことは本当に良い経験でした。企画してくださった職員の方々、HISの方々にも感謝しています。ありがとうございました。

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