はじめに

機械システムに限らず,エネルギーの形態が変化する場合,システムは振動します. 機械システムの場合には,質量の運動エネルギが例えばスプリングの変形エネルギに変化するために,振動が生じます.

最も簡単な例として, 一端が壁に固定されているスプリング,ただし質量がないスプリングの他端に質量が付いて,振動する場合を考えてみます. スプリングに蓄えられる変形エネルギ(黒)と,質量の運動エネルギ( )との相互関係を,右の図に示しています. システムの全エネルギは変化しませんが,運動エネルギと変形エネルギとの間で絶えずエネルギの変換が行われるために,振動が継続します.

例えばダンパーのように, もしもエネルギが消えてしまうような要因がシステムに含まれている場合には,エネルギが熱に変換されるために,振動は次第に減衰します. ただし,この減衰振動については,後で紹介することにします.