ファジィ推論で音楽検索!

感性検索エージェントの実システム第2弾は,音楽検索システムです. このシステムでは,J-POP楽曲2,000曲程度のサビパートをPythonプログラムにより特定し,さらにそこからボーカルの周波数やテンポ,ビートなどの音楽特徴量を抽出し, それらの特徴量とユーザの嗜好情報がどのように結びついているか感性検索エージェントモデルによって学習します.


音楽検索システムのインタフェース

このシステムでは,キャラクターコーディネートシステムと同様に,メンバシップ関数は決め打ちでファジィルールによってユーザの音楽に関する嗜好ルールを抽出します. 基礎実験の結果から,ユーザの嗜好獲得の面から,ある程度有効に動作することが確認されていますが,音楽ならではの問題もあります.

音楽(音データ)とキャラクターコーディネート(静止画データ)の大きな違いは,時系列データであるかそうでないかです. 時系列データとは,音や動画のように時間の経過とともにデータが発する情報が変化するものをいいます. 時系列データの場合,ひとつひとつのデータを確認して評価するためには,一定時間かけてデータからの刺激(=どんな音楽なのか)を確認する必要があり,ぱっと見で評価できる静止画データに比べて,評価に時間が掛かります.

また,ファジィルールでも,使用している特徴量とその程度をうまくイメージできないケースも存在しています. このような問題からも,感性検索エージェントモデルに関する研究はまだまだ成長の余地が残されています.

代表的な研究業績
【国際会議】Hiroshi Takenouchi, Yuna Ishihara, Masataka Tokumaru, "Preference Rule Extraction with Kansei Retrieval Agent Using Fuzzy Reasoning for Music Retrieval", the 20th World Congress of the International Fuzzy Systems Association (IFSA), MA4-2, pp.140-145, 2023-08 (Daegu, Korea). Best Presentation Award!
【国際会議】Hiroshi Takenouchi, Airi Hattori, Masataka Tokumaru, "Music Recommendation System Considering Musical Score Features using Kansei Retrieval Agents with Fuzzy Inference", International Symposium on Affective Science and Engineering 2022 (ISASE2022), PM-2A-05, 2022-03 (Online).
*Bold: 本研究室の学生

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