新着情報[生命環境化学専攻]松山研究室一般社団法人 資源・素材学会 九州支部2025年度 若手研究者および技術者の研究発表会においてPresentation Award Kyushu,MMIJ受賞
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2025.06.10
2025年5月23日(土)本学において開催された一般社団法人資源・素材学会九州支部2025年度若手研究者及び技術者の研究発表会において、生命環境化学専攻2年松山研究室の学生の研究発表が優秀と認められ、Presentation Award Kyushu,MMIJを受賞しました。受賞した研究のタイトルは「超臨界含浸法を用いて調製したPtナノ粒子/多孔質金属錯体複合体の重水素化反応への応用」です。重水素化反応の手法において、超臨界の技術を用いたより安全で簡便な方法について検討したものが評価されました。
「超臨界含浸法を用いて調製したPtナノ粒子/多孔質金属錯体複合体の重水素化反応への応用」
重水素化合物は、水素の安定同位体である重水素(D)を使った化合物で、通常の水素化合物よりも耐久性が高く、機能性材料として注目されています。化学的性質は軽水素化合物とほぼ同じで既存の知見を活かせるため、環境負荷が少なく、近年では、有機EL材料や薬の効果を長持ちさせる医薬品などへの応用が進んでいます。
しかし、従来の重水素化反応には重水素ガス(D₂)を使い、高温・高圧や強酸・強塩基などの厳しい条件が必要でした。そこで本研究では、より安全で簡便な方法として、重水(D₂O)を使い、特別な装置を使わずに水素と重水素を交換する反応を目指しました。Pt(プラチナ)触媒を用いることで、芳香環上の水素を重水素に置き換えることが可能です。
Ptは高価で希少なため、ナノ粒子化してMOF(金属有機構造体)に分散させ、少量でも高い触媒活性を得る工夫が求められます。特に、Alを含むMOF「MIL-101(Al)-NH₂」に超臨界二酸化炭素(scCO2)を用いてPtを含浸させた複合体を作製し、重水素化反応に応用しました。MOFは高い比表面積と安定性を持ち、スピルオーバー現象(触媒表面で生成された水素原子が担体表面に移動する現象)を活発にすることで、反応効率を高めます。
この研究では、Pt@MIL-101(Al)-NH2を用いて重水(D₂O)による安息香酸の重水素化反応への応用について検討し、Pt ナノ粒子/多孔質金属錯体複合体が重水素化反応に及ぼす影響について評価しました。
重水素化合物は、水素の安定同位体である重水素(D)を使った化合物で、通常の水素化合物よりも耐久性が高く、機能性材料として注目されています。化学的性質は軽水素化合物とほぼ同じで既存の知見を活かせるため、環境負荷が少なく、近年では、有機EL材料や薬の効果を長持ちさせる医薬品などへの応用が進んでいます。
しかし、従来の重水素化反応には重水素ガス(D₂)を使い、高温・高圧や強酸・強塩基などの厳しい条件が必要でした。そこで本研究では、より安全で簡便な方法として、重水(D₂O)を使い、特別な装置を使わずに水素と重水素を交換する反応を目指しました。Pt(プラチナ)触媒を用いることで、芳香環上の水素を重水素に置き換えることが可能です。
Ptは高価で希少なため、ナノ粒子化してMOF(金属有機構造体)に分散させ、少量でも高い触媒活性を得る工夫が求められます。特に、Alを含むMOF「MIL-101(Al)-NH₂」に超臨界二酸化炭素(scCO2)を用いてPtを含浸させた複合体を作製し、重水素化反応に応用しました。MOFは高い比表面積と安定性を持ち、スピルオーバー現象(触媒表面で生成された水素原子が担体表面に移動する現象)を活発にすることで、反応効率を高めます。
この研究では、Pt@MIL-101(Al)-NH2を用いて重水(D₂O)による安息香酸の重水素化反応への応用について検討し、Pt ナノ粒子/多孔質金属錯体複合体が重水素化反応に及ぼす影響について評価しました。