新着情報[生命環境化学科]桑原順子教授 公益財団法人 浦上食品・食文化振興財団 令和7年度研究助成に採択されました

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2025.11.06
工学部生命環境化学科の桑原順子教授が、公益財団法人浦上食品・食文化振興財団による令和7年度研究助成に採択されました。
本助成は、「食」に関する学術研究を対象に行われており、桑原教授の研究は、助成対象となる5つの課題のうち「食品加工技術に関する研究」分野での採択となりました。
研究課題は「プラズマ処理脱脂米ぬかを利用した油/水の安定的乳化の開発と機序の解明に関する研究」です。桑原研究室では、廃棄される食材の再利用を通じて、その機能性や有効性を評価し、新たな価値を見出す研究に取り組んでいます。
今回の研究では、栄養価が高いにもかかわらず廃棄されている「脱脂米ぬか」に着目。環境に配慮したプラズマ処理技術を用い、乳化剤の代替素材としての可能性を探ります。これにより、従来の乳化剤に含まれる化学物質やアレルゲンとなりやすい卵などの代替として活用できる可能性があり、廃棄食材の削減とアレルギー対策の両面からも注目されています。
「プラズマ処理脱脂米ぬかを利用した油/水の安定的乳化の開発と機序の解明に関する研究」
本研究は、従来の乳化剤に代わる素材として、未利用資源である脱脂米ぬかをプラズマ処理によってアップサイクルし、油/水の安定的な乳化を実現することを目的としています。プラズマ処理により、脱脂米ぬか粉末の表面に親水性を付与し、疎水性とのバランスを持つ両親媒性粉末へと改質することで、ピッカリングエマルションの形成を可能にします。これまで様々な食品粉末による乳化研究を行ってきましたが、吸水性や膨潤性などの多くの課題があり、より安定した乳化には限界がありました。脱脂米ぬかはセルロースや油脂類を含み、水との親和性が低いため、プラズマ処理による表面改質が有効と考えられます。さらに、真空下での乳化により、保存性の高い微細なエマルションの生成も期待されます。応用として、製菓素材への展開や、小麦粉・卵・乳の代替、油脂量の削減など、健康志向やアレルギー対策への貢献も視野に入れています。本研究の特徴は、未利用資源の活用、環境負荷の低いプラズマ処理、そして食品乳化技術の新規性にあります。将来的には酒粕や醤油粕など他の副産物への応用も目指し、持続可能な加工技術の確立を目指します。
浦上食品・食文化振興財団
食品の生産・加工及び安全性等に関する研究・調査並びに食文化に関する教育及び普及啓発活動等を促進し、食品産業及び食文化の発展と食生活の向上安定に資することを目的とした、ハウス食品(株)グループの関連団体。

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