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都市居住環境の社会地区分析

分野
都市地理学、都市計画、空間情報科学
キーワード
地理情報システム(GIS)、ジオデモグラフィクス、居住環境、地域政策
社会環境学部 社会環境学科

助教 上杉 昌也

研究概要

 本研究室では、町丁や郵便番号区などの小地域単位の居住者特性の分布との関係から、都市の居住環境やそれにかかわる居住者の行動・意識の要因について分析している。具体的には、地理情報システム(GIS)や統計的手法を用いて、地域の治安や居住者の交通行動、すまいの耐震化意識などの地理的な違いを明らかにし、地域特性に応じた改善施策について検討している(1~3)。また、小地域単位の居住者特性を把握するため、全国の地区を居住者特性に基づいて複数の社会地区類型(一人暮らしの若者が多い地区、裕福な中高年が多い地区、高齢化が進む地区などの近隣タイプ)として類型化したジオデモグラフィクスデータの活用も進めている。

1.都市における窃盗犯の物理的・社会的環境要因に関する研究

 自治体が公開している町丁別の犯罪発生件数データを用いて、空き巣等の犯罪発生が地区の戸建住宅割合や幹線道路までの近接性、さらに社会地区類型によってどのように異なるかを明らかにし、手口に応じて防犯施策を重点化するエリアを小地域単位で特定している。

2.個人の交通行動を規定する地域的要因に関する研究

 人の1日の移動を把握するパーソントリップ調査データを活用し、通勤や買物などの日常生活における個人の交通手段選択が、個人の属性とは別に社会地区類型によってどのように異なるかを明らかにし、自動車利用から公共交通利用への転換を促す政策誘導の可能性について検討している。

3.すまいの耐震化の普及・啓発に関する研究

 アンケートにより住宅リフォーム時における居住者の耐震化意識や利用する情報媒体を調査し、居住地の社会地区類型による傾向の違いを明らかにすることで、耐震補強に関する自治体の情報提供等の有効な啓発策やそのターゲットを特定している。

利点・特徴
  • 従来の統計・調査データに多面的な地域特性を紐づけ、小地域単位で地域的な傾向を明らかにすることができる
  • 施策の面では、ターゲットが小地域単位で地域特性に応じて特定できるため、限られた財政的・人的資源のなかで効率化を図ることができる
応用分野 地域統計データや回答者の居住地などを含むアンケート調査データなど、地理情報をもつデータに対して広く応用可能である。